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イワナ釣り/長野県・魚野川源流部

本格源流を3泊4日で旅したい。今年も行きたいベスト渓谷

写真と文◎小澤 哲
039-051best keiryu_cs6 (16) おざわ・てつ
1947 年生まれ。長野県上水内郡飯綱町在住。長野県内を中心に山形、岐阜、富山まで、天然イワナを求めてもっぱら源流域に足を運び、釣行日数は年間約30 日。日本渓流釣連盟会長

この記事は『つり人』2017年3月号に掲載したものを再編集しています。

ゴルジュが続く険谷


 源流釣りが好きだ。野性味あふれるたくましいイワナを釣り、山深い大自然で刺身や塩焼きに舌鼓を打ち、骨酒に酔いしれる。そんな源流釣行ができる釣り場は数少ないが、魚野川はそのひとつに挙げられる桃源郷だ。

039-051best keiryu_cs6 (10) 大岩がゴロゴロとして落差があり、多量の雪代で水量の多い魚野川

 魚野川といえば、群馬県と新潟県の県境となる谷川岳西麓一帯を源とし、新潟県魚沼市を縦貫して流れるアユ釣りのメッカを想起する人も多い。が、ここで紹介する魚野川は、長野県志賀高原の裏岩菅山(2341m)、岩菅山と群馬県との県境となっている赤石岳(2108m)、大高山(2079m)に挟まれた谷間一帯の水を集めて流れ出る魚野川だ。一方の魚野川同様に信濃川水系になるが、全国的に有数の豪雪地域として知られる秋山郷を流れる中津川の上流部に位置し、標高1100mを超える山岳渓流で、水量が多くゴルジュ帯が続く険谷である。

 魚野川源流には、雑魚川との合流点にある切明から、渋沢ダムを経て千沢出合までの流程10㎞余りの流れに沿って走る登山道を通って入渓するルートと、もう一つは志賀高原寺子屋スキー場から寺子屋峰(2125m)を経て魚野川支流の庄九郎沢に下る上部ルートがある。しかし、上部ルートは入渓まで薮こぎを伴うなど、踏み跡がなければ迷いやすいこともあり、帰路の山越えを考えると現地の地理に詳しいベテランが一緒でないとすすめられない。切明からのルートは、たっぷり5時間は掛かる道程になるが、安全面を考えればこのルートがベストだろう。

039-051best keiryu_cs6 (11) 川幅は狭くとも濁流渦巻く沢を渡るのは重労働

039-051best keiryu_cs6 (12) 東電避難小屋からすぐの渋沢に架かる橋を渡って源流部を目指す

 魚野川への入渓は、往復合わせて丸1日掛かるだけに最低2泊3日、できれば3泊4日の行程が欲しいところだ。切明から登山道を2㎞ほど進むと中津川に架かる吊り橋を渡るが、すぐの急峻なつづら折りの登りを超えるのが最大の難所だ。雨後には足もとが滑るため余計な労を要することになり、1.5㎞ほどのわずかの距離だがたっぷり1時間は掛かると見ておいたほうがよい。この登りを越えれば、あとは平坦な道が続くが、時おり越える沢筋は雨後には増水していて流れが強く、また土砂崩れなどの危険が潜んでいるので注意が必要。ひとまず目安とする渋沢ダムまでは順調に歩いて約4時間の距離。渋沢ダムから千沢と合流する魚野川口までは1㎞ほどだが、ダムサイトにある東電避難小屋からすぐの渋沢に架かる橋を過ぎたところで登山道が流れから離れるため、廃屋となった三角屋根の小屋から右に折れ、30mほどの崖を固定ロープに頼って河原に降りる。この後、河原を暫く歩くが水量が多いと渡渉ができないところがあり右岸を高巻きしなければならない。めざす魚野川まで最後のひと踏ん張りとなるが、高巻きを過ぎれば千沢との出合は目の前だ。

 テント場は千沢の手前、右岸のやや高台になっている河原の平坦地が望ましい。テント設営を済ませてから、夕食の食材調達には千沢を探るのがよいだろう。千沢は5㎞ほど遡ったところの野反湖からの流れ出しだが、渓相もよく魚影が濃い。条件がそろえば合流点から200mも釣り上がれば一晩の夕食には充分な釣果が期待できる。ここに連泊して魚野川の下流域を探るのもよいが、水量が少なく渡渉が可能なら2㎞ほど遡った高沢出合の手前にテントを張り、高沢へ入渓するのもよい。

 志賀高原雑魚川と管轄漁協は同じで、解禁は例年4月中旬と春の解禁日としては最も遅い。初春は雪代によって水量が多く渡渉が困難なばかりかニゴリも強い。その年の積雪量にもよるが早くて5月下旬、6月に入ってからが適期だろう。この季節になると、谷間に残雪があり周囲の木々は初々しい若葉に包まれる1年で最も美しい時期だ。渓流釣りの楽しみが凝縮している魚野川。梅雨明け後の天候が安定するころ挑みたい。

039-051best keiryu_cs6 (13) 039-051best keiryu_cs6 (14) 焚火と肴。テント場のひと時も含めて渓谷を謳歌したいのだ

039-051best keiryu_cs6 (15) 青々とした淵に良型イワナはいるのか

タックルデータ
サオ:ダイワ「流覇Ⅲ」硬調61MY
天井イト:ナイロン(フラッシュイエロー)1.5 m
水中イト:サンライン「トルネード黒渓流」1号2 m
目印:オーナー「プロ目印極太」オレンジ
オモリ:ゴム張ガン玉4B ~ 1号
ハリ:がまかつ「ハイパー渓流」7 号
エサ:キヂ、イクラ
039-051best keiryu_cs6 (3) ●管轄漁協:志賀高原漁協(℡ 0269・34・2721)
●上信越自動車道・豊田飯山IC からR117 で津南町を経て、R405 で切明まで約78km。インターからの所要時間は約2時間。切明は山間部で有料駐車場がないため、駐車スペースの確保には充分注意のこと。

2018/1/31

最新号 2018年3月号

“春、心を癒す谷あそび”と題して今月の特集は渓流解禁。実釣では長野県・雑魚川、埼玉県・荒川を取り上げている。これから渓流釣りをやってみたいという人向けにはエサ釣り、テンカラ、ルアーフィッシング、フライフィッシングの入門記事を掲載。そのほかウエアやウエーダーの選び方、カワムシの取り方、全国の主要漁協を網羅した解禁情報など解禁を強力にサポートする内容になっている。また巡ってきた春。祝、渓流釣り解禁! “寒の季節の安・近・短 ワカサギ&タナゴ”も必見。霞ヶ浦の寒タナゴ、グルテンの使い方、今大注目の神奈川県・津久井湖のワカサギ釣り、紅白サシのエサ実験を掲載。
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