熱心なカワハギファンはこぞって「今年も」と期待している。そんなカワハギシーズンの行方を占うと言われているのが8 月1 日の剣崎沖解禁日だ
熱心なカワハギファンはこぞって「今年も」と期待している。そんなカワハギシーズンの行方を占うと言われているのが8 月1 日の剣崎沖解禁日だ
写真と文◎編集部
この日が初お披露目のリミテッド
東京湾には全国的にも珍しい、周年カワハギねらいの船宿が三浦半島の久比里にある。しかし、カワハギの産卵期の6月と7月の2ヶ月間だけは産卵場とされる剣崎沖でのカワハギ釣りは禁漁がルール。
そして大方の産卵行動が終了した8月1日から剣崎沖のカワハギ釣りが解禁となり、この日から新しいカワハギシーズンのスタートととらえるファンも多い。
毎年このカワハギ剣崎解禁に合わせて開催されているのが「ステファーノミーティング」。
今期のカワハギ釣りの行方を占いつつ、ステファーノ愛用者同士の懇親を深め、情報交換をするのがおもな目的だが、今年はズバリ、話題のステファーノの新作であるリミテッドM175を使っての試し釣りができることも大きな目玉である。
早朝の松輪港には多くのカワハギファンが集まり和気あいあいの雰囲気の中、まずはチームステファーノの鈴木孝さん、飯田純男さん、佐々木健仁さんが開会の挨拶とともに、3人が口を揃えて「間違いなく最高の1本に仕上がりましたので、ぜひ船上で操作してみて、そしてカワハギを掛けてみてください」とスピーチ。
この日は松輪港の瀬戸丸、一義丸、成銀丸の3隻を仕立て、それぞれに船にサポートメンバーが乗り込み、また、試釣用のリミテッドM175が5本ずつ用意された。
できるだけ多くの人に触れてもらえるよう、各自1尾釣ったら次の人に交代し、釣れなくても最大で2時間で交代というルールを採用。
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目感度と手感度を両立した自信作
スナイパー釣法でおなじみの鈴木孝さんはM175についてこう語る。
「いろいろな穂先の素材があるなかで、ステファーノはカーボン穂先にとことんこだわり続けて、ついに最高の1本が仕上がりました。端的にいえば目感度と手感度の高次元の両立。繊細な曲がりと鋭敏な感度によってアタリがこれまで以上に増幅されることを実感していただけると思います」
開発に深く関わったという佐々木健仁さんも言う。
「ただ軽くて軟らかいだけじゃなくパワーもあります。水深30m弱までならオールシーズンこのサオだけでいけるそんな1本です」
記者の乗った成銀丸でサポートをしていた飯田純男さんも言う。
「やっぱり目感度ですね。操作中に穂先に現われるアタリの多彩さがこれまでとは違います。あと、立体構造でイト絡みを抑えつつ、イト抜けのよさも実現したXガイドの採用個数を増量し たことでストレスフリーの釣りが可能なったことも大きい」
よく曲がる鋭敏かつ繊細な穂先のためガイドへのイト絡みによる破損は避けたいが、イト抜けがよく絡みにくいXガイドを増量しているためライントラブルのストレスから解放されるという
シート前方に配したトリガーに人差し指または中指を掛け、人差し指でリールを支持するといった、これまでにないグリップスタイルが選択できるリールシート
「微かな気配すら手感で知ることができ、次に、穂先に出るアタリを待てること、さらにアワセのタイミングを待てる。新しいリミテッドM175は、自分が求めていた調子」と語る飯田さん
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8月1日に集まる面々
もはや剣崎沖では常識となった玉網を使った大型の取り込みが船内のあちらこちらで見られる。正直、数はそれほどでもないものの、早掛け競争を兼ねた船中1号がいきなり29㎝の大型からスタートした。そして、2尾、3尾といった釣果になるまでかなりの時間を要していた印象。しかし絶対数が多くないにもかかわらず、成銀丸だけで32㎝を筆頭に3尾もの尺上が登場。
いくら解禁日とはいえ、これだけの尺上が当たり前のように登場するのは、間違いなく平均サイズが上がっている証拠だろう。
「8月1日はこのイベントのためにいつも休みを取って駆けつけていますし、来年も必ず来ます」
乗り合わせた皆さんはサポート役の池田暁彦さんの声掛けで集まったメンバーで、ほぼ顔なじみという間柄。それこそカワハギシーズンともなればあちらこちらの船宿で顔を合わせるカワハギフリーク。
多くが10年、20年とこの釣りに面白さに取りつかれ、「もっと釣れる」サオや仕掛けや釣り方への研究に余念がない。そんな彼らにとってこの日初めて触れるM175は何よりも最大の関心事だった。その足で釣具店に予約を入れると言っていた人もいれば、すでに予約済みという方も。そして今の釣りにこの1本が加わればどんなシーズンになるだろうかと夢想する方も。
解禁日のこの日はまだまだ真夏の様相であったが、秋の気配も感じられるようになる頃には夏前まで卵や白子が入っていたお腹に待望のキモが目立ち始めるはず。
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※このページは『つり人 2024年10月号』を再編集したものです。