額が汗ばむような秋とは思えぬ陽気が続いていたが、11月に入って極端に寒くなった。何だか夏から秋を飛び越して冬になったかのようだ。
初冬の離島でハズレなしの前打ち
浅い岩場が広がる日間賀島は、磯ブーツを履くだけでも探れる範囲が大きく広がるレポート◎伊藤 巧
昭和44年生まれ。愛知県在住。美味い魚を求めて東奔西走。クロダイかかり釣りとアオリイカのヤエン釣り、ビワマスのレイクトローリングが大好き。今年はサーフの尺アジ釣りに燃える予定。下手釣り集団チーム白馬車&江戸前なめろう隊所属
この記事は『つり人』2017年1月号に掲載したものを再編集しています。
根魚と併せて釣れば美味しいお土産確保
額が汗ばむような秋とは思えぬ陽気が続いていたが、11月に入って極端に寒くなった。何だか夏から秋を飛び越して冬になったかのようだ。先日も暦の上では今日から冬などとアナウンサーが言っていたが、まごうことなき冬である。知多半島沿岸は冷たい北西風にさらされて海水温は一気に低下することだろう。いよいよ前打ちが終盤戦。堤防や磯場を探っていくと、間近に落ちを控えて荒食いしているクロダイが食ってくる。
晩秋から初冬にかけて釣れるクロダイのサイズは30~40㎝。エサは岩ガニ。甲羅の大きさが小指の爪程度の小さなカニがよい。モエビも有効だ。ハリもエサに合わせて小バリにする。カニならハリオモリ、モエビならハリを結ぶ際にできるヒゲを数㎝残しておいて端に打ち、いわゆる下オモリ式にする。オモリはB~3Bが定番だが、海況やフィールドのロケーションしだいで対応する。小さめのカニやモエビを使うことで、これから盛期入りする根魚も楽しもうという算段だ。
日間賀島で前打ちを覚え篠島の磯場で大ものねらい
おすすめの釣り場は南知多町の篠島と日間賀島。いずれも師崎港から名鉄海上観光船で渡る。航程は10分程度と近く、いずれの島も地元の釣りファンが足しげく通う知多半島を代表する人気フィールドだ。
篠島は南北に長い島で、南は岩礁、北は港湾になっている。北エリアならば発着所前の島の駅シノジマで自転車をレンタルして、広大な漁港を探り歩くとよい。小春日和に恵まれたなら気配を消して船溜まりを覗き込むと、年無しが悠然と泳いでいたり、台船を係留するロープなどに着いたカラスガイをかじっている。気配を悟られないように間合いを詰めてカニを打ち込むと、追いかけるように底に消え、ほどなくラインに変化が出る。
また、タクシーを利用して島の南寄りの篠島中学前まで一気に移動して、牛取を中心として南に連なる磯場をグルリと探り歩くと大型クロダイを拝むことができる。足もとから深くて起伏に富んでいるのでハリスは太めが賢明。なお、篠島南部の磯周りでは東北で釣れるような一升瓶クラスのアイナメが食ってくるので、ミチイトにPEを使っているとステンレスのUガイドでは飛ばされることがある。強化Uガイド仕様のサオを使いたい。
日間賀島は階段状になった浅い岩礁に囲まれた離島で立ち込み釣りのメッカ。干満に合わせて膝程度までウェーディングしてサオ下を探っていく。こちらはクロダイというよりソイやタケノコメバル、アイナメのヒット率が高い。その分アタリは多く、前打ちを覚えるのにちょうどよい。
ウエーディングしながらの釣りなので、根魚をキープするなら渓流用のビクやアユ釣りの引き舟が重宝する。普通に堤防から釣るなら日間賀島西港や東港のテトラ帯がお手軽だが、常に釣り人が入っているので少し歩いて久渕漁港や新井浜港に入るといい。堤防の沖向きがテトラ帯になっており、小振りながらもクロダイの魚影は濃い。
晩秋から初冬にかけての前打ちはクロダイに限定せず、手堅く釣れる根魚を絡める二兎追いスタイルが楽しい
篠島の北エリアは魅力的なポイントが多い。レンタル自転車を利用して広く探っていこう
問合先●美浜海倶楽部(℡0569・82・5805)
2017/11/24