北海道で大型のアイナメをねらうなら、おそらく一番有望なのは室蘭港だろう。釣具メーカー主催のロックフィッシュトーナメントが過去に幾度も行なわれていて、50cmクラスを3尾釣っても優勝できないことがあるくらいだ。本州では40cmクラスは充分大型の部類だと思うが、同地ではアベレージサイズといっていい。夢のロクマルを追える貴重なフィールドだ。
いまこそ行きたいルアーで楽しめるおすすめ海釣り場
写真と文◎小林亮
この記事は『つり人』2020年12月号に掲載したものを再編集しています。室蘭市・室蘭港
50cmクラスもねらえるアベレージ40cmのアイナメ釣り場
室蘭港のシンボル、白鳥大橋の下もアイナメの好ポイント
北海道で大型のアイナメをねらうなら、おそらく一番有望なのは室蘭港だろう。釣具メーカー主催のロックフィッシュトーナメントが過去に幾度も行なわれていて、3尾合計の優勝ウエイトは3800~4800gが通例。40cmクラスが約1kg、50cmオーバーが1.5kgとして、50cmクラスを3尾釣っても優勝できないことがあるくらいだ。本州では40cmクラスは充分大型の部類だと思うが、同地ではアベレージサイズといっていい。夢のロクマルを追える貴重なフィールドだ。より大ものに近いのは沖堤防に渡ることだが、埠頭や岸壁からの純粋な陸っぱりでも50cmオーバーをキャッチできる。一年をとおして楽しめ、例年10月下旬から産卵を意識した魚が増える。ねらうべき場所は主に3つに大別できる。岸壁の足もと、底に沈むケーソンやブロックの穴、沖のブレイクや障害物周り。水温が下がるといわゆる「穴撃ち」が有効だったり、人気ポイントではプレッシャーの掛かりにくい沖めを探ると釣果を得やすい。ワームは2.5インチの甲殻類系、シャッド系、カーリーテール系、ピンテール系などが定番。カラーはシャッド系では「チカチカ室蘭」というご当地 カラーもあるくらいで、チカを模したタイプが必携だ。
釣れるアイナメは太く、よく引く!
●問合先:アルファスポーツ伊達店 (TEL 0142・21・2200)
羅臼町・羅臼港
昼夜を問わずエゾメバルがワンキャスト・ワンヒット!
知床の絶景を眺めながらロッドを振れる
世界遺産、知床半島の南東側に位置する羅臼。町内で一番大きな羅臼港はエゾメバルの楽園だ。エゾメバルの北海道での地方名はガヤだが、道内屈指のガヤガヤ度合い。昼夜を問わずワンキャスト・ワンヒットするほど魚影が濃く、とても有望な釣り場だ。よく釣れるのは15~21cmクラスだが、どうせなら良型、欲をだして尺メバルをねらいたい。といっても、良型に的を絞れる、有効なメソッドは特にこれといってない(私が知らないだけ?)。数を釣っていると、そのうち混じる。しいて挙げるなら、日中も夜も浅めのタナは型が小さいので、軽いリグでフォール主体に釣るのではなく、重めのリグで素早く沈め、深めのタナを探るほうがいいような気がする。
ワームは1.5~2インチのメバリング専用なら、神経質にならなくてOK。私はピンテール系を愛用している。リグは2~3gのジグヘッドがあれば充分。なお、フックのカエシをプライヤーなどで潰しておくとフッキングがよくなる。また小型のリリースがしや すくなるため、尺メバルをねらううえで一番重要なのはカエシを潰しておくことかもしれない。
エゾメバル(ガヤ)は褐色の魚体が特徴。羅臼港には名前どおりガヤガヤいる
●問合先:つり具センター中標津店 (TEL0153・72・3559)
別海町・尾岱沼漁港
「鍋壊し」の異名をもつ超美味魚の大型が有望
防波堤先端を見るとおり、時間帯と潮回りによっては潮流がとても速い
本州ではカジカといえば清流の魚だが、北海道ではロックフィッシングのターゲットで美味魚としても人気だ。カジカ汁は道産子が愛する郷土料理で各家庭によって独自の味付けがある。これぞ根魚という風貌をしており、大食漢で大きいワームにも果敢にアタックしてくるため魚のいるポイントにキャストできれば比較的簡単に釣れる。道央や道南の日本海や太平洋では、接岸時期が晩秋から初夏の半年間に限られるが、オホーツクや根室などの道東では通年港でねらえる。そんなフィールドのなかでも、魚影が特に濃く、60cmに迫る超重量級も視野に入れられるのが別海町の尾岱沼漁港だ。
タックルは硬めのベイトロッド、ワームはボリュームのある甲殻類系がマッチ。潮の色が濁り気味のため、ワームのカラーは赤、オレンジ、チャートリュースなどがいい。カジカはボトムに付いている魚なので、釣り方はテキサスリグでゆっくりと底を叩いたり、ズル引きで探ったりするといい。また、この港の外海に面したポイントや船道はとても潮が速い。潮に乗せてドリフト気味にスイミングさせるのも有効だ。
カジカのサイズは25~35cmクラスが多い。めざすは50cmオーバー
●問合先:つり具センター中標津店 (TEL0153・72・3559)
稚内市・稚内港
良型クロソイが居着く大型港
中央埠頭から北防波堤ドームを望む風景
稚内港はクロソイ釣りが面白い。近年、札幌近郊の港では30cmオーバーのクロソイは簡単に釣れなくなってきたが、宗谷海峡に面する最北の地は今も昔も良型のクロソイが釣れる。例年、初夏からソイ類の釣果は上向き、ピークを迎えるのが10~11月の晩秋。この頃になると小ゾイのアタリが減り、良型にねらいを絞りやすくなる。「ワームだと自分は40cmクラスまでが最大ですが、身エサのブッコミ釣りなら50cmクラスも釣れているので、ねらい方によってはワームでも出ると思います」とは同地のアングラー、古川学さん。大型港なのでポイントは多い。ひとつは外防波堤である北防波堤ドーム。港内側はかつてフェリーが着岸していたので、水深がある。次に現在のフェリーターミナルがある中央埠頭周辺。ここも水深があるので同じく有望だが、フェリーの最終便を待ってからの釣りになるため、夕マヅメにロッドを振れないのがネック。北防波堤→中央埠頭の順に周るとスムーズにラン&ガンできる。
ワームは3~4インチのシャッド系、甲殻類系、ピンテール系、ストレート系など。ジグヘッドリグでのスイミング、リフト&フォールなど、定石の釣りで攻略できるはず。食いが渋いときはワッキーリグも面白い。なお、釣果にイマイチ満足できない場合、大ものの実績が道内トップクラスの礼文島や利尻島にフェリーで渡るものよいだろう。
良型のクロソイがねらえる!
●問合先:ウエダ釣具店 (TEL0162・23・2944)