激しいジャンプとタフな走りでアングラーを魅了するシイラ。特にトップウォーター系ルアーへの反応がすこぶるよく、楽しい青物の代名詞的存在。ハワイなどではマヒマヒと呼ばれる白身の高級魚だ
激しいジャンプとタフな走りでアングラーを魅了するシイラ。特にトップウォーター系ルアーへの反応がすこぶるよく、楽しい青物の代名詞的存在。ハワイなどではマヒマヒと呼ばれる白身の高級魚だ
写真と文◎林悠一
トップウォータープラグを急襲!
夏の風物詩ともいえる「シイラ釣り」。この季節になると、ショアからでもねらえるとてもポピュラーなターゲットだが、やはり花形は機動力を活かしたオフショアゲーム。青物釣りならではの疾走感やパワーを手軽に味わえるので、ぜひチャレンジしてみてほしい。
夏の使者であるが、実際には初夏から秋まで回遊し、関東近海でも10月いっぱいは楽しめる。
船からのルアーターゲットの歴史も長く、30年ほど前から夏になるとルアーの乗合船が出るほど人気が高く、今でも多くのファンが専門船に乗る。
シイラ釣りで使うルアーと言えばポッパーやペンシルベイト。水面を割ってトップウォータールアーに食いつく大迫力の姿はルアーマンを虜にする。
関東のシイラ釣りは相模湾と駿河湾が有名だが、今回はシイラ初挑戦の方も含めた7名で駿河湾へ釣行。
お世話になったのは、西伊豆安良里漁港から出船する『ふじなみ丸』の藤井伸一郎船長。
安良里港/ふじなみ丸の藤井伸一郎船長(☎ 090・3384・9396)。ルアーシイラは仕立のみで料金は電話にて問い合わせ。乗合のジギング、中深場五目など釣りメニューは実に豊富
タックルは以下のとおり。
・ロッド:7〜8ftのL(ライトパワー)からM(ミディアムパワー)オフショア用キャスティングロッド
・リール:4000〜6000番クラスのスピニングが使いやすい
・ライン:PE2〜3号+ナイロンショックリーダー40〜60ポンド。
このほかに必要なアイテムとしてはルアー交換をするためのスプリットリングなど。とにかくパワーのある魚なので、スナップなどは壊れやすくバラシやルアーロストにつながりやすい。
おすすめの接続方法はウレタンチューブを使ったループノット。先端の輪の中に100 ポンドクラスの太軸スプリットリングを通して、ルアー交換もできるようにしている
愛用のデコイのウレタンチューブT2(チューブ内径0.8mm)とスプリットリングEX R-11(サイズは5 +)
当日使用したメインルアー。上からBULL POP150(ヨーズリ)マヒボックス(マングローブスタジオ)チャグバグ CBS11(STORM)コーデルペンシルポッパーC66(COTTON CORDELL)マヒペン107(マングローブスタジオ)ベントミノー130SW(O.S.P)
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できれば全員で魚を探し、魚を浮かせる
トップルアーへの反応がいいシイラには極力沈むルアーを使いたくない。マスキー用のXL ジッターバグでも釣れる
シイラは、「潮目」や浮遊している木等のいわゆる「浮きゴミ」に付いているベイトフィッシュをねらって、その付近を泳いでいる傾向にある。
そのため、船が走っている最中は乗客全員で目を凝らして、そうした付き場やシイラを探す。この時、水中を見やすくするための「偏光サングラス」が必須アイテムになる。シイラがいれば海の青さと違ったエメラルドグリーンの背中がハッキリ見えるはずだ。
シイラを発見したら、走行中でもすかさずキャストしていい。船長はそれに気付いて船を止めてくれる。
幸先よく1尾目をヒットさせることができれば、深い水深にいたシイラもワラワラと水面に浮上してくる。
そうなれば、シイラの活性も一気に上がり船内は一気にお祭りモードに突入。潮目や浮きゴミに向かって船長の指示で投げる時も同様。
重要なのは最初の1尾目をヒットさせることである。
そして、深い水深を泳いでいるシイラを浮かせるのに必須なルアーはやはり定番中の定番「ポッパー」である。
沈んでいるシイラに対して、シンキングペンシルやミノーなどで釣るのもよいのだが、それよりも全員でポッパーを投げたほうが一気に群れが浮きやすくなりトップウォーターゲームの醍醐味を体験できる。
絶対にダメというわけではないが、シンキング系のルアーを使うと、どうしてもシイラが浮きにくい傾向になるので注意したい。
シイラの群れ自体がかなり深い状況下であればシンキング系のルアーを使うこともあるが、今回のような仕立船の場合は仲間同士で気心も知れていることから全員トップウォータールアーオンリーで通すことがほとんどだ。
活性が高い個体にはポッパー、スレ気味になってきたらアピールを弱くしてペンシルベイトに交換するといった感じが理想である。
活性が高いうちはポッパーでバンバンアピールしてド迫力バイトを楽しみたい。
しっかり楽しませてもらいました!
※このページは『つり人 2023年11月号』を再編集したものです。