近所で釣れるはずのアジが釣れないときやいつもと違う場所で釣るとき、どこに目をつければよいか。いいサイズを釣った坂本さんの着眼点はきっと役に立つ。
「釣れない」ときの脱出方法
写真と文◎田町一歩
この記事は「ルアーパラダイスKyusyu 2022早春号」の記事を再編集しています
近所で釣れるはずのアジが釣れないときやいつもと違う場所で釣るとき、どこに目をつければよいか。いいサイズを釣った坂本さんの着眼点はきっと役に立つ。
この記事は絶賛発売中の「ルアーパラダイスKyusyu 2022早春号」に掲載されています。
坂本厚 (さかもと・あつし)
バストーナメンターとして活動したのち、アジ、メバルのライトゲーム、エギングを経てタイラバ、ハイブリットテンヤ、アコウ、オフショアジギングなどを幅広くこなす。福岡県在住
アジ釣りに重要な5要素とは
冬本番を迎え、さすがにアジは例年の釣況を取り戻していると願うばかりであるが、釣れないときに釣れる場所を探し、そこで読みを的中させた坂本厚さんの釣行は、いつもと違う状態に陥ったときの脱出法として応用できるものだった。
勝手知ったる近場なら水深やアジの付き場を理解しているため、ことさら構えなくてもアジはキャッチできる。だが、そこで釣れないと、実はどのような点がアジを釣るのに大切なのかというのが浮き彫りになる。
押さえておきたい要素は、アジのタイプ、時合、リグ、アクション、タックルの5つだ。
魚のタイプと時合
アジの釣り場を探すとき、坂本さんは、「そこが回遊組の差す釣り場なのか、居つきの釣り場なのか」をチェックする。アジも回遊魚ゆえ、基本的には根魚のように特定のポイントに固執はしないが、湾内や広大な漁港では一定期間滞在することがよくある。
坂本さんの近所なら夕方くらいの時間帯からアジが釣れ始めるが、呼子の水道面の釣り場はまったくで、このあと群れが回ってきた
冬の本格シーズンにはその傾向が強くなり、あちこちの港にアジが差す。そして、日中や夜といった光量変化に伴って港から出たり、逆に外から港に入ったりという動きを取るわけだ。
居着きがいる釣り場は、時合でなくても大抵豆アジくらいは反応するケースが多い。
つまり、豆アジが釣れれば、いいタイミングになるとサイズアップが期待できる。
こうした居着きのアジがいないときは、判断がきわどくなる。
果たして回遊組は差してくるのかという判断を迫られ、差してこなければスカをくらう。
回遊組が姿を見せるのは、多くの場合夕マヅメと考えて間違いない。ただし、夕マヅメにも微妙な違いがあるのは知っておきたい。
まだ周囲がはっきりと視認できる明るめの夕マヅメか、山の稜線は判別できても手元はライトがないとよく見えない暗さの夕マヅメか、という違いだ。
一般的な感覚だと、アジの時合は多少明るさを残した時間帯から突入するケースが多いが、場所によっては「感覚的に完全に暗くなってから時合を迎えるところもある」ため、調査するときは「早計はむしろ時間のロス」になる。
完全に暗くなってから時合になる釣り場もある。日没前後はまったくだったが、そこで帰らなくて正解だった
ここは釣れないと判断して釣り場を去ったあとにアジが釣れ始める場所というのが実際に存在するのだ。
アジが近場で成立するというのは実はよくできた話で、見方を変えるとアジは、よくてもダメでも足繁く通えて自然と釣り場に詳しくなれているかどうかが釣果に大きく関係するターゲットなのだ。それだけ時合におけるサイズのギャップが激しく、かつ時間的にも時合は短い。
探りで釣ってみてアジの気配がない釣り場は、夕マヅメに回遊してくるかどうかという一発勝負にかけることになる。
それを判断する際に目安にしたいのは、水深である。深ければ、外から一瞬いいサイズが回ってくる可能性がある。さらに、そこが水道筋の釣り場なんかだとその傾向は高くなる。
次回はリグとアクション、タックルについて解説いたします!
佐賀県唐津市/アジングで抑えておきたい5つのポイント その2(最終回)
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