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編集部2021年8月18日

利根川で濁りがプラスになる2つの理由 / MUDDY QUEST~沖田 護~ その1(全2回)

河川/湖沼 千葉 茨城 ブラックバス Basser バス釣り

濁りがプラス要素になるとすれば2パターン。 ひとつめの考え方としては、濁りがバスにとって「壁」になるということ。

沖田護=写真と文

この記事はBasser2019年9月号に掲載したものを再編集しています。

 

 

009-Aug-18-2021-02-08-40-49-PM沖田 護(おきた・まもる)

1971年生まれ。利根川で開催されるTBCでAOYを始めとして数えきれないほどの優勝・入賞の実績をもつ「利根川の帝王」。2018年Basserオールスタークラシック2日目、4kg超(3尾)のスコアも凄かったが、パターンはさらに驚きのフロッグだった

 

 

「濁ったときの素敵な釣り」って……え???

 

今回の原稿依頼を受けたときに思ったのは、正直「夏の利根川で濁ったときに素敵な釣りをした記憶がない」ということでした。

冬の濁りは水温を上げる要因となり、事実2月の激濁りのなか取材中にスーパースレッジでデカバスをキャッチしたことがありました。

そのときの黒部川(利根川の支流)は、透明度が5cm以下。

バスはエラ呼吸すらできないんじゃないか? と思うほどの状況でキャッチした55cm、推定3㎏オーバーのバスは忘れられない一発として深く記憶に刻まれています。

 

008-Aug-18-2021-02-08-39-49-PM
2009年2月2日の黒部川。ルアー(スーパースレッジ)とバスの胸ビレが水面上に出ているのに、頭と尾ビレは見えないほどの激濁り

 

が! 夏の濁りとなると……。利根川は止水域と違って「濁りが入るほどの降雨=濁流の激流」となり、増水もともなうのでバスが定位しなくなります。なので、よく言われるような「濁りによってバスの警戒心が薄れ、ルアーにガンガンアタックしてくる」と感じたことがないのです。

そうした濁流の原因は台風やゲリラ豪雨、激しい夕立などの短時間にまとまって降る雨でもあるのですが、利根川が厄介なのはその流域面積、「日本一」は伊達じゃないということです。

上流の群馬県や栃木県で大雨警報のニュースが流れたりすると「あぁ……、濁りがくる……」と恐怖さえ感じます。関東平野で大雨が降ると、たいてい利根川水系に流れ込んできますから。

降った地域にもよりますが、茨城県取手市付近に影響が出るまではタイムラグがあり、その予測もかなり困難です。

 

理由1:壁になる

 

「壁」としての濁り

ここまでマイナス要素ばかり書いてきましたが、濁りがプラス要素になるとすれば2パターン。

ひとつめの考え方としては、濁りがバスにとって「壁」になるということ。

岸際より水温が低い流心やボディーウォーターにいるバスが濁流を嫌ってその影響が少ない場所に追いやられる。アングラーからすれば、それまで捉えにくかったタイプのバスが集約されるので釣りやすくなる(ねらいを定めやすくなる)といえます。

こうしたときは、前記のとおり増水ともリンクすることが多く、バスは普段は水がない小さなワンド状の場所や水門の奥などに避難しているので、フロッグやテキサスリグといったスタックしづらいルアーでのアプローチが有効になります。

利根川において濁りからいち早く回復するのが消波ブロック帯です。

濁っていないときはコンクリートが日光を浴びて水温を上げる要因になるだけでなく、耐熱性もあるので夜間も冷え込みにくいという特徴もあります。

逆にいえば、消波ブロック帯は、高水温になる夏場には不利になる条件を備えているともいえるのですが、濁ったときは別。

濁流を避けることができ、透明度が早く回復する消波ブロック帯のインサイドはさまざまな魚をストックします。

とはいえ、そこにいるのはそもそも「避難系」の魚なので、食わせの釣りでは結果を出しにくいのも事実。個人的には、濁りとの境目付近をコンバットクランクやサイドステップなどのハイアピール系で効率よく、広範囲に探るようにしています。

こうしたときに効くルアーの条件としては「水を動かす」ことのほうがもちろん大切ですが、カラーに関しては「キンクロ(金黒)」が釣果に結びついていると感じるので、使用頻度が圧倒的に高くなっています。

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コンバットクランク(エバーグリーン)※写真は「60」

 


濁った本流と避難場所の境目を「縦の壁(垂直方向の壁)」とするならば、流れからプロテクトされた消波ブロック帯のインサイドには「横の壁(水平方向の壁)」が発生します。

流れがないスポットは表層から水の透明度が回復していくので、浅いレンジにできる横の壁付近をねらえる、シャロー用のルアーチョイスがよいはずです。

エリアは佐原界隈の広大な消波ブロック帯が有望。

下流域に位置する佐原エリアは流れが緩みやすく、経験上、濁ったあとで最も早くバスが口を使いだす場所です。

また、大小さまざまなワンドが点在していることからも間違いのないエリアといえます。

 

006-Aug-18-2021-02-08-39-61-PM

[コンバットクランク(エバーグリーン)用]
ロッド:ヘラクレス・ファクトHFAC-66ML(エバーグリーン)
リール:レボ・エリート7IB(アブ・ガルシア)
ライン:シューターFCスナイパーAZAYAKA12Lb(サンライン)

 

 

007-Aug-18-2021-02-08-39-51-PM

[サイトステップ(エバーグリーン)用]
ロッド:ヘラクレスHCSC-66MLエアレギウス(エバーグリーン)
リール:レボSLC-IB8(アブ・ガルシア)
ライン:シューター・デファイアーアルミーロ15Lb(サンライン)

 

次回は濁りがプラスになる2つ目の理由を紹介します!

 

 

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