利根川のバスフィッシングにおいて、濁りがもたらすプラス要素を紹介します。 ふたつ目は浮きゴミ。
沖田護=写真と文
この記事はBasser2019年9月号に掲載したものを再編集しています。
沖田 護(おきた・まもる)
1971年生まれ。利根川で開催されるTBCでAOYを始めとして数えきれないほどの優勝・入賞の実績をもつ「利根川の帝王」。2018年Basserオールスタークラシック2日目、4kg超(3尾)のスコアも凄かったが、パターンはさらに驚きのフロッグだった
2つ目の理由:浮きゴミ
ふたつめのパターンというか、濁りの副産物として考えられるのが「浮きゴミ」です。
濁りと増水は密接に関係していて、増水すると岸際のゴミが流されて反転流が生じているスポットに集まったり、杭などの縦ストラクチャーに引っ掛かったりします。
こうしたときは細い1本の杭がゴージャスなスポットに変身します。
浮きゴミはしっかりとしたシェードであり、外敵から身を隠す絶好の場所。
でかい個体ほど好む印象があります。
通常の水質であれば、サスペンドしているバスやニュートラルなバスはライトリグでねらうのがセオリーですが、増水で生じた浮きゴミの下にサスペンドするバスをねらうならヘビータックルの出番!
分厚い浮きゴミをパンチングでねらう場合、掛けたあとのことを考えると、ラインは20Lb以上のフロロカーボンか、60LbのPEを用意して強気に撃ち込みたいところです。
ソフトベイトは、両手でバタバタと強く水をかくダブルモーションがおすすめ。浮きゴミを貫通させたらまずはその直下で誘ったあと、徐々にレンジを下げてもバイトがなければ次のスポットへ、というようにテンポよく撃ちたいですね。
増水で流されたゴミが、反転流に巻き込まれてマット状のカバーを形成することも。利根川が濁流化する状況で、本流における数少ないパターンの糸口
濁り過ぎたら将監川
原稿の依頼書に「濁りのせいでどうしようもなくデコったエピソード」とありました。正直、これはしょっちゅうです。
濁りきった利根川本流は本当にどうしようもなくなることが多いんです。
利根川にはたくさんの支流や流入河川があるのでリカバリーは利きますけど、河川敷まで浸ってしまうような増水となると手出しできないというか、ボートを降ろせるとしても、相当な数のバスは流されてしまったんじゃないか? と思うほど釣れなくなります。
本流で1週間まるまるデコったこともありました。
ちなみに、そんなときでも最下流域のワンドや長門川から分岐する将監川は濁流の影響を受けないことも覚えていて損はないかと。
- 1
- 2