七色のバスは目がいいため、ラインの存在感などにも敏感で、しかもプレッシャーもかかっているので、それらを紛らわしてくれる要素として、濁りはほとんどの場合プラスになります。
雪谷晃太=写真と文
この記事はBasser2019年9月号に掲載したものを再編集しています。
雪谷晃太(ゆきたに・こうた)
1989年生まれ。和歌山県出身・在住。七色貯水池をホームとし、とくにサイトフィッシングによるでかバスハントを得意とする。ゲーリーインターナショナル、イズムのプロスタッフ。好きな食べ物はから揚げ。趣味は釣具屋めぐり、キャンプ、スノーボードなど
プラスに働く濁りへの対応
例年、8月に強い濁りが発生することはあまりないです。そもそも七色貯水池は濁りにくく、まとまった量の雨が降っても少し水に色が付く程度。台風級の大雨が降らないと強い濁りは発生しません。
七色のバスは目がいいため、ラインの存在感などにも敏感で、しかもプレッシャーもかかっているので、それらを紛らわしてくれる要素として、濁りはほとんどの場合プラスになります。
また、30度を超える水温が濁りの流入とともに下がることや、溶存酸素量が上がることも、バスが濁りで高活性になる要因です。
濁りが発生したときに目指すべきエリアはやはり上流部です。
爆発力が最もあり、濁りが強く流量が増えれば、信じられないような釣果を上げることもできます。
北山川や西ノ川、大又川の上流が定番ですが、各ワンドの小規模なインレットや雨によってできたインレットなどの小場所も爆発することがあるので、そういった場所をランガンするのもよいでしょう。
そして入るべきタイミングは濁り初めや濁りがピークに達したときよりも、澄み始めがよいでしょう。
七色の流れ込みは濁ってから澄み始めるのが早いので、下流からバスが最も多く差してきたタイミングではもう澄み始めていることが多いからです。
使うルアーはジョインテッドクロー178やビビッドクルーズなどのビッグベイトやスイムベイト、またはREVER115などの大き目のジャークベイトなどがオススメです。これで流れのなかをガンガン巻いてください。
RAVER115F(ism)
また、流れがヨレたり巻いたりしているところは、10inカットテールのノーシンカーで直撃しましょう。濁りと流れが強く発生したときのヨレには高い確率でロクマルがつきます。
七色はロングワームが効くとされていますが、それは事実です。雨のあとは水中でうごめくドバミミズをよく見ますし、ウナギも生息しているため、そのようなシルエットのロングワームへの反応がよいのだと思います。また、ロングワームのほうがバスのサイズを選べるというのも、僕が好んで使う理由です。
10inカットテールワーム(ゲーリーインターナショナル)
過去最悪の激濁りについて
正直、どれだけ濁っても七色に関してはマイナスにならないイメージですし、実際デコった記憶もありません。
先述したように、仮に強い濁りと流れが発生しても、半日もすればその水が澄み始める場合が多いので、とくにバックウォーター周辺はすぐにサイトフィッシングが可能なレベルまで水質が回復します。
と言う訳で、七色は少々の雨では濁らず、仮に濁ったとしても比較的早く濁りが取れるフィールドです。
そして、だからこそ濁ったタイミングは貴重なチャンスとなるわけです。
七色で釣りを計画する際は、雨の降るタイミングやその量などを注意深く予測し、よいタイミングでよいエリアに入れるよう計画を練るべきでしょう。
しかし、大雨がチャンスになるのは釣りに関してだけです。
道路の土砂崩れなどには充分注意してください。通行止めになることも少なくないので道路情報の確認もお忘れなく。
使用タックル
[RAVER115F用]
ロッド:インフィニットブレイド
IBC-63MML +(ism)
リール:アルデバランBFS XG(シマノ)
ライン:トーナメントジーンフロロ14Lb(G7)
[10inカットテールワーム用]
ロッド:インフィニットブレイドIBC-610MH(ism)
リール:Revo LTXBF8(アブ・ガルシア)
ライン:トーナメントジーン12Lb(G7)
フック:ヘビーガードタリズマン#2/0(リューギ)
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