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編集部2019年4月29日

ゆったり浮かぶ「カセ」に乗ってのんびりキビレ釣り 兵庫県尼崎市・武庫川

クロダイ-川 全国おすすめ釣り場 河川/湖沼 兵庫

波静かな入り江などに固定された小舟からクロダイなどをねらう「カセ釣り」は、関西一円で古くから盛んで以前は大阪湾再奥部の淀川にもカセ釣り場があった。

シンプルなブッ込み釣りでOK! ビギナーにも連続ヒットのチャンス

レポート◎高崎冬樹

取材時は春休みだったので高校生3人組と一緒になった。このうち2人は爆釣を体験したそうだ

本命は左岸向きカケアガリ


 波静かな入り江などに固定された小舟からクロダイなどをねらう「カセ釣り」は、関西一円で古くから盛んで以前は大阪湾再奥部の淀川にもカセ釣り場があった。その淀川のすぐ西に位置する武庫川河口で、2017年の春から本格的なカセ釣りがスタートしたのだ。

 運営しているのは大阪湾を代表する沖堤「武庫川一文字」に渡船している武庫川渡船さん。一般的にカセ釣りは定員2、3人までの小舟のイメージだが、この武庫川に浮かべられたカセは大型。漁船上部の操舵室などを取っ払ったもので非常に広い。人間が乗るだけなら20~30人は大丈夫なスペースがあるが、のんびりゆったり釣ってもらおうと定員8人に制限している。

tba6_ph_05_01 武庫川のカセは河口と阪神高速湾岸線の中間地点、左岸寄りの川中にかけられており波静か。水深は足もとで2m前後と深くない

tba6_ph_05_04 この広さがうれしい。定員8人ということなので余裕で釣りができる

tba6_ph_05_12 カセにはトイレが設置されている。武庫川渡船に電話すれば事務所まで随時送迎してくれるので女性も安心

tba6_ph_05_14 タモも備え付けてある

tba6_ph_05_13 手洗い用の真水もたっぷり

tba6_ph_05_17 渡船乗り場~カセ間の送迎は船外機付きのボートで

 カセが浮かんでいるのは武庫川河口と阪神高速湾岸線のほぼ中間地点で左岸寄り。潮位にもよるが水深は足もとで2m前後。カセと左岸の間には盛り上がった瀬があり、そのカケアガリがキビレの最有力ポイントなのだが周囲すべてでキビレは釣れる。

 釣り方はダンゴを使ういわゆるカカリ釣りスタイルではなく、虫エサでのブッ込み釣り。キステンビンなどに50~80㎝ほどのハリスとチヌバリを1本結ぶだけ。エサは青コガネもしくはアオイソメ。チヌの大好物、小ボケも食いがよいが虫エサでも充分に釣れるし何より経済的。半日の釣りでワンパックもあれば充分だ。

tba6_ph_05_20 エサは青コガネもしくはアオイソメ。ワンパック500円分もあれば充分だ。元気で動きがよいものを1匹まるごとハリにセットする

tba6_ph_05_21 この日は試さなかったが虫エサが苦手な女性にはマルキユー『パワーイソメ』もおすすめ

ドラグを緩めてアタリを待つ


 タックルも特に決まりはない。アジングやメバリングなどのライトゲーム用ロッド、エギングロッド、シーバスロッド、トラウトロッドなど何でも使える。ただ、あまり長いサオは取り回しが面倒なので、長さは6~8フィート(約1.8~2.4m)くらいがベター。穂先の感度もそれほど気にすることはない。リールは中小型のスピニング。ミチイトはナイロンでもPEラインでも。ナイロンなら1.5~2号。PEの場合、0.6号以下なら1.5号程度のリーダーを1ヒロほどつないでおけば安心。PE0.8号以上ならテンビン直結で大丈夫。

tba6_ph_05_18 p 072-095-05 キステンビンにオモリ4~6号、ハリス1.5号にチヌバリ2号が標準的な仕掛け

イチオシギア
ささめ針『特選SLエアーシンカー』 tba6_ph_05_kakomi01 ショアからのライトフィッシング、つまりチョイ投げ用のオモリなのだが、ナマリの上部に発泡浮力体が入っており、海底では頭を上に向けて自立する仕組み。仕掛けが少し浮き上がるので誘いが掛けやすくキビレのブッ込み釣りにも効果あり。また根掛かりを減少させる効果も期待できる。ウエイト8~26gまでの4サイズだが、武庫川のカセでは26g(約4号)がおすすめ。


 ハリには虫エサを1匹まるごと、頭部分を通し刺しするだけ。海底でクネクネと動くことでキビレの食欲に火をつける。アタリがなくエサの動きが悪くなったら交換するほうがよい。

 オマツリやトラブルを避けるためにサオは1人2本までと渡船店で決められているが、釣り人が少ない場合はこの限りではない。

 仕掛けを十数m投げ込んだら、ミチイトをじゃっかん張り気味にしてアタリを待つ。カセの周囲は砂底で根掛かりはほとんどしないので、ときおり仕掛けを1~2mほど引いて誘ってやるのが効果的だ。

tba6_ph_05_08 tba6_ph_05_09 武庫川のカセ初挑戦、高校1年生で摂津市在住の高島幸志朗君に良型がヒット。海釣り自体もまだ2回目なのだとか

tba6_ph_05_10 40cmクラスをゲットした高島君。左が峰松竜也君(高2)、右が古藤琉晟君(高1)。この2人は昨年にカセ釣り経験ずみ

tba6_ph_05_16 釣ったキビレは備え付けの大型イケスに入れて水中へ


 最盛期は4~5月。アタリは明確でサオにガンガンと来る。水深がなく掛かったキビレは一気に横走りするためサオを水中に持っていかれることもしばしば。アタリを待つ間はドラグを緩めておくのをお忘れなく。

 今回、フィッシングエイト2の武田安治さんと取材に出かけた2018年3月29日はこの年のカセ釣りオープンからまだ5日目。水温も低めでアタリが出たのは午前10時を過ぎてから。盛期のような派手なアタリはなく、コンと1回当たってもエサを離してしまうことが多かったが、それでも武田さんはお昼までに35㎝と38㎝の2尾をゲット。ゴールデンウイークのころは水温も上昇、カセに乗っている間中「当たりっぱなし!」ということも夢ではない。カセ釣りは川が増水する梅雨時期に入ると営業を終了するので、早めのご予約を!

tba6_ph_05_06 フィッシングエイト2スタッフの武田安治さん。山形県は庄内地方のご出身で普段は南紀で磯釣りなどが趣味。10時を回ったころ、ラインテンションに変化があり聞いてみると……35cmのキビレがヒットした

tba6_ph_05_11 お昼、迎えのボートがやって来て仕掛けを回収していたら40cm近い良型が居食いしていた。4月末にもなればアタリも明確にして大胆、放置したサオを海中に持っていかれることも多いらしい

tba6_ph_05_07 武庫川尻は岸からのキビレも盛んだ。日中はブッ込み、夜間はルアーフィッシングがメインだ

ショップ
フィッシングエイト2 tba6_ph_05_kakomi02-1 住所=摂津市学園町1-1-37
営業時間=月~木曜が10~22時、金・土曜が10~23時、日曜・祝日が10~21時
問合先=TEL072・ 636・0008


おすすめの立ち寄り処
海遊館 tba6_ph_05_kakomi03 海遊館は大阪港の一角、天保山にある世界最大級の水族館。武庫川渡船最寄りの阪神高速湾岸線・尼崎末広ICから10分ほどの距離なのでカセ釣り終了後のお昼からでも充分に楽しめる。現在は海遊館エントランスビル4F新体感エリア内で特別企画の「顔博」を開催中。個性的な顔を持つ魚たちのユニークな生き様を展示。また関西初展示となるメガマウスザメ(希少標本)や魚の顔と自分の顔を写真で合成する「顔カメラ」など、楽しみながら学べる工夫も盛り込まれている
住所=大阪府大阪市港区海岸通2丁目1-10 
問合先=TEL06・6576・5501


072-095zenkoku05_out 交通●阪神高速神戸線の西宮もしくは武庫川出口、同湾岸線の尼崎末広出口で降り武庫川左岸方面へ。左岸道路を突き当たりまで直進。市営駐車場を利用(1日最大800円)
渡船●武庫川渡船(TEL06・6430・6519)カセ釣り料金は午前の部(6~12時)、午後の部(13~18時)とも大人(中学生以上)3000円、小人1500円。なおカセの利用は小学生以上に限る




レポート◎高崎冬樹
昭和35年生まれ。神戸市北区在住。得意な釣りは磯のグレ釣り。友釣り歴は30年以上だが、ここ数年はご無沙汰……。フリーのライター・カメラマン・編集者


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2019/4/29

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