<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=170559842213036&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
編集部2017年7月25日

イワナ・ヤマメ釣り/長野県浅間高原・熊川

ヤマメ イワナ 全国おすすめ釣り場 河川/湖沼 長野

清冽な渓流でも水温む夏。多くの魚は活性が低くなるのだが標高1000mを超える高原の川は別世界。元気いっぱいのヤマメやイワナが毛バリに出るし、張り出す木の下にチョーチン仕掛けでエサを送れば一発で食うことも多々あるのだ。

清冽な渓流でも水温む夏。多くの魚は活性が低くなるのだが標高1000mを超える高原の川は別世界。元気いっぱいのヤマメやイワナが毛バリに出るし、張り出す木の下にチョーチン仕掛けでエサを送れば一発で食うことも多々あるのだ。そんな真夏に熱いフィールドをエキスパートがセレクト。

軽井沢を流れる穴場的小渓流

案内◎大沢健治



この記事は『つり人』2016年9月号に掲載したものを再編集しています。

案内◎大沢健治
昭和47 年生まれ。埼玉県日高市在住。釣り歴は35 年。上州屋川越店店長を務める。『全日本暇人協会』会員。店ではテンカラ用品、渓流用品にも力を入れているので気軽に足をはこんでいただきたい

落差のない流れで反応する太ヤマメ


 長野と群馬の県境で悠然とその姿を見せる浅間山。その北東の裾野に広がるのが浅間高原だ。8月の平均気温は東京が26・7℃に対し浅間高原は約20℃である。

 7月初旬に浅間高原を訪れると、私の住む埼玉県は各所で35℃を超える猛暑日だったが、分け入った谷では涼しいマイナスイオンに包まれ全く汗をかかなかった。

 今回釣りを楽しんだのは北軽井沢を流れる熊川である。鼻曲山(1655m)に源頭部があり、北に向かって流れ吾妻川に合流する。下流部のほとんどは取水により水量が少なく釣り場としては不向きだが、上流部は水量もあり高原ならではの平坦で穏やかな流れでサオをだせる。途中は別荘地を流れ、最上流にはゴルフ場がある。釣り場が限られるのはリゾート地ゆえ仕方がない。こうした複雑な釣り場のためか魚影は濃い。

038-047kougen-tsuriba_cs6 (10) 渓畔林を縫う熊川。浅瀬に点在する深みを丁寧に探りたい

 熊の内橋下流部の左岸側は別荘地が隣接し、道路には関係者以外立ち入り禁止の看板がある。熊川のおすすめ区間は2つある。1つ目は地蔵川との合流点より上にある熊川橋から上熊川橋まで。橋と橋の間を探って帰りは右岸側の狩宿の集落を抜ける道を利用する。2つ目は片蓋川合流点の下流にある護岸のない場所から入渓し、浅間大滝下流にある魚止の滝まで釣り上がり、そこから退渓し左岸側の県道、町道を利用して入渓点に戻る区間。どちらものんびり半日コースである。

038-047kougen-tsuriba_cs6 (12) 魚止の滝。落ち込みから続く深みは当然好ポイントである

 今回巡ったのは2つ目に挙げた区間で支流の片蓋川合流の400mほど下流、右岸側から入渓した。この付近は両面護岸のため入渓点が限られてしまうので注意が必要だ。釣り始めてすぐ、浅瀬で丸々と太ったヤマメが出迎えてくれた。

 しばらくは平瀬だが丁寧に流すとチビヤマメが遊んでくれる。しばらく行くとボサに挟まれた幅1mほどの分流があり、水深は30㎝ほど。ヤマメが付きそうな流速である。さっそくエサを入れると一発で幅広の8寸ヤマメがエサをひったくるようなアタリを出す。盛期のヤマメは引きが強い。

 片蓋川との合流点を通過すると平瀬で浅くなった。熊の内橋をくぐると再びポイントが増える。両岸を木々に囲まれ落差のない流れが続く。緑のトンネルをくぐっているようで気分はよい。しばらくヤマメのアタリが続いていたが、ブッツケのやや深いポイントでようやくイワナが姿を見せた。イワナもサイズのわりに力強く、スピードのある走り。その後しばらくは小型のヤマメとイワナばかりが続いたが、徐々に大石が入りだし、ポイントに変化が出始めると良型のイワナが混じりだした。

 この日は0・4号のフロロカーボンの通し仕掛けを使用したがあまりにも引きが強く、やばいと思った魚が数尾いた。さらに大岩や大石が点在し落差がある。丁寧に探ると良型のイワナとヤマメが釣れた。ここまで来ると退渓点となる場所が近い。退渓は魚止の滝と呼ばれる場所で左岸に道がありそれを進むと浅間大滝の駐車場に出る。後は心地よい風に吹かれて車まで歩いたが、汗をかくこともなく気持ちよく歩けた。

038-047kougen-tsuriba_cs6 (16) 魚止の滝上流部にある浅間大滝

浅間高原と古い駅舎


 帰り道に少し時間があったので散策していると駅舎のようなものが目に入った。立ち寄って隣接する「北軽井沢ふるさと館」の方に聞いてみる。と、昔走っていた軽便鉄道、草軽電鉄の現存する唯一の駅舎ということだ。昭和37年まで新軽井沢~草津を結んでいたというが鉄道が走っていたとは驚きだった。次に向かったのは浅間牧場、せっかくなのでソフトクリームでも食べて帰る。正式には「浅間家畜育成牧場」と言うが、その売店までは車で数分の距離である。この頃には曇り予報もよいほうにはずれ、青空が広がった。ソフトクリームの甘さで疲れを癒しつつ、売店の裏にある丘を上がると、そこには今まで釣っていた浅間高原を一望できる景色が広がっていた。後ろを振り返ると浅間山の雄大な景色、小丘なのだが高原だけに大パノラマである。釣ったあとにぜひ一度見てもらいたい光景である。

 北軽井沢に位置する熊川だが、今回は上信越道を利用せず、関越自動車道・渋川伊香保ICで降り、R145とR146を利用。それには理由があり、遊漁券を購入するため。熊川を管轄しているのは吾妻漁協で早朝から券を購入できる場所が軽井沢を抜けてくるルートにないのだ。そのため中之条町のコンビニで券を購入した。上信越ルートで軽井沢観光を兼ねて帰るのもおすすめだ。

038-047kougen-tsuriba_cs6 (14) 浅間牧場からの眺め。サラリとした高原の風が心地よい

038-047kougen-tsuriba_cs6 (15) 牧場で濃厚なソフトクリームをいただく。これぞ高原の釣り!

038-047kougen-tsuriba_cs6 (18) 038-047kougen-tsuriba_cs6 (17) 北軽井沢駅は昭和37 年まで新軽井沢~草津間を走っていたという軽便鉄道、草軽電鉄の現存する唯一の駅舎。隣接するのが北軽井沢ふるさと館

●管轄漁協:吾妻漁協(℡0279・75・4114)
●交通:関越自動車道・渋川伊香保IC を降りてR17、R353 を経由して中之条方面へ


2017/7/25

おすすめ記事

記事検索

  • 検索フィールドが空なので、候補はありません。

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。