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編集部2024年9月25日

旨い魚を求めて新潟県柏崎へ!釣った魚は切れ味抜群の山人包丁でお刺身に!

全国おすすめ釣り場 新潟

旨い魚を求めて新潟県柏崎へ。活きのいい新鮮な魚を手に入れられるのは釣り人の特権だ。そんな極上食材を美味しくいただくなら、三条鍛冶職人が魂を込めて鍛造した切れ味抜群の山人包丁で!

旨い魚を求めて新潟県柏崎へ。活きのいい新鮮な魚を手に入れられるのは釣り人の特権だ。そんな極上食材を美味しくいただくなら、三条鍛冶職人が魂を込めて鍛造した切れ味抜群の山人包丁で!

写真と文◎編集部

MADE IN NIIGATA

新潟県燕三条といえば刃物や金物、洋食器の生産や金属加工が盛んな「ものづくりの町」として、その名を国内外に広く知られている。とりわけ三条市は鍛冶の町としての歴史が長く、寛永2年(1625)から代官所奉行として三条に3年間在城した大谷清兵衛が河川の氾濫に苦しむ農民を救済するために江戸から釘鍛冶職人を招き、農家の副業として和釘の製造法を指導・奨励したのが始まりとされる。万治元年(1658)の「町御検地帖」によると現在の本町1丁目などに鍛冶町の名が記録されており、鍛冶専業職人の集落があったことが確認されている。さらに扱う金物も釘から鎌、鋸、包丁へ広がり、やがて刃物の一大産地として発展していく。

その技術は三重県の伊勢神宮の式年遷宮において和釘を奉納したことでも話題になった。伊勢神宮では約1300年前から20年に一度、正殿や社殿を造り替える「新宮式年遷宮」が行なわれてきたが、伊勢市の木造船業者の衰退に伴い1989年からは新潟県三条市へ和釘と金具の製造を要請。1991年に三条市が和釘約6万8000本と金具24種類約1万3500組を納入。さらに20年後の遷宮では和釘や金具など約28万点を納めている。

「まさに、メイド・イン・新潟。三条のものづくりは県民の誇りですよ」

そう語るのは新潟県柏崎で遊漁船「アシストクラブ金進丸」を営む秋山進一さんだ。また、近年ルアーフィッシングシーンで急速に普及しているSCノット(ショックアブソーブド・キャプテンノットの略)を考案した方として知られ、乗客からも船長ではなくキャプテンと呼ばれることが多い。

結束強度が高くてガイド抜けがよい摩擦系ノットの中でもSCノットは慣れれば船上でも5分もかからず完成させられ、強度も申し分がないと評判だ

そんな金進丸に初めて乗り込んだのが、三条市で刃物を専門に扱う株式会社ワクイ代表の涌井敏さん。大の釣り好きで、おもに県内のショアからアジやメバル、シーバスやアオリイカなどのライトゲームを中心に楽しんでいる。

今回は秋山キャプテンが考案した、もうひとつのメイド・イン・新潟と呼べるオフショアの釣り「スキッディング」に初挑戦する。

ジグ

これがスキッディング用のメタルジグ。手前と手前から3番目は本家ともいえるネイティブデザインズ(秋山さん自身のブランド)/ザ・スイッチバック。その奥はイワシイミテーションモデルのザ・スイッチバック ドウコ。奥はスキッディング用の量産モデルとして市販されたアブ・ガルシア/スキッドジグ

 

ジグ

現在、オフショア用のヘビーウエイトのスキッドジグは販売しておらず20〜60gのショアスキッドジグのみ販売中。ショアと書かれているが40m以下の浅場で充分活躍する

 

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フックはリア側にだけセット。おすすめはバーブレスフック4 本のクワッドフックシステム

 

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秋山キャプテンによる逆サミング。普通、右巻きハンドルの場合、左手の親指で下からスプールを抑えるが、スキッディングでは右手の親指で上からスプールを抑えることでライントラブルを防いでいる

 

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▲ロッド:アブガルシア/プロトタイプのスロージギングロッドMAX80
▲リール:アブ ガルシア/コンセプトフリー
▲ライン:バークレイ/スーパーファイヤーラインカラード1.0号
▲リーダー:バークレイ/バニッシュレボリューション16ポンド
▲ルアー:アブ・ガルシア/ショアスキッドジグ60g

 

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いい包丁が美味しくする

新潟三条の鍛冶職人が造り上げた越後三条打刃物は、赤く熱した鉄を打ち締めて「鍛造」し、「焼き入れ」で鋼を硬くし、「研磨」によって鋼を削って刀をつける。

「うちの包丁は遷宮で和釘や金具を納めている鍛冶職人が丹念に手作業で仕上げます。十数回しか打たない包丁もあるなか、うちは200~300回打ち締めて鍛造します。だから切れ味が違う。よい包丁は余分な力をかけずにストレスなく切れるから食材本来の美味しさをぐんと引き立てます」

株式会社ワクイには切れ味のよい和包丁「金次郎」ブランドのほかに、アウトドアで活躍する鉈やナイフを中心に展開し、手に持った時の握りやすさや安定感を重視した「山人」ブランドが人気で、特にコアなキャンプファンから支持を受けている。そんなファンから高まっているのが、山人ブランドから本格的な料理包丁を出してほしいという声。

「今回初めてそんなご要望に応えたのがこの3丁です」

と見せてくれたのが山人シリーズ初の本格包丁である『白紙槌目鯵切120㎜』『白紙槌目出刃180㎜』『ステン白2槌目牛刀270㎜』。

鯵切と出刃の鋼材は、不純物を取り除いた高級包丁用刃物鋼として知られる安来鋼白紙二号。高品質の白紙製包丁は焼き入れが特に難しく、適温で熱処理をしないときれいに均等に焼きが入りにくいため、特に腕のよいトップレベルの鍛冶職人にしか造れない。

牛刀も白紙鋼を土台に両側をステンレスで挟んだ三重構造で、高品質の鋼の切れ味と研ぎやすさとステンレスの手入れのしやすさを両立した、鍛冶職人の思いの詰まった逸品だ。

ここ柏崎は旨い魚の宝庫。新たな包丁の切れ味を試すには最高のフィールドである。

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山人シリーズはこれまでアウトドア仕様のナイフや鉈で人気だが、今回特別に用意していただいたのはシリーズ初の本格和包丁

 

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新潟生まれのスキッディング

秋山キャプテン考案のスキッディングとは、イカの動き= Squid と、滑るような泳ぎ= Skid を併せた造語で、激しくシャクらない新しい発想のジギングテクニックだ。

使用するのは船のような形状でサイドが直線ではなく曲線(R)を描いているスキッディング専用ジグ。このフォルムによって進行方向を切り替え(=スイッチバック)ながら左右にスライドしながら落ちていく(=スイッチフォール)。手順はこうだ。

 

 

1 まず指示ダナまでジグを沈めたらプライマリーポジション(スイッチフォールを開始する位置)で一旦静止する。ジグは立っている状態。

2 立てていたロッドを一気に寝かせることで、ラインテンションが抜けたジグはRに沿った動きで滑走する。

3 ロッドを水平近くまで上げながらラインをスプールから引き出し、再びロッドを下げるとジグがスイッチフォールする。

この3つの動作を連続して行なうことでリズミカルにラインをスプールから引き出し、ジグが回転半径=振り子のようにスイッチバックからのスイッチフォールをする。

 

 

この動作を行なうための秋山キャプテンの推奨スタイルは「逆サミング」。普通、右ハンドルのベイトリールであれば左手でパーミングしながら左手の親指でサミングをし、右手はハンドルノブを握るが、逆サミングでは左手でパーミングしながら右手でもパーミングして、サミングは右手の親指で行なう。すると通常とは逆向きの上から添えるためスプールから引き出されたラインスラックをコントロールしやすく、バックラッシュを防げるのみならず直接ラインに触れることで感度も増す。

傍から見るとロッドが上下するアクションはジグをシャクリ上げているようにみえるが、実際はスプールからラインを引き出すための動きで、ジグはスイッチバックしながら下へフォールしている。

この時期、柏崎沖で一番の人気ターゲットといえば乗っ込みのマダイだ。マダイといえば「イカダイ」という釣り方があるほどイカが大好物で、秋山キャプテンもかつては釣ったイカをエサにしていいサイズのマダイをバンバン釣っていた。しかし生来のルアー好きのため、イカに似た外観のジグを片っ端から買い込んでテストしたものの結果は惨敗。

たまに釣れるマダイは着底すぐに掛かって来ることが多いことや、シャクるとジグの動きを嫌って逃げること、通常の沈下速度はマダイには速すぎることを元に試行錯誤を重ねること数年で完成したのが「スキッディングメソッド」と専用メタルジグだった。

それまで、釣れても1日にわずかに数尾だったマダイが、ジグだけで船中20~30尾、多いときには50尾釣れるようになったのだ。「しかも1日中ハイピッチでシャクり続ける体力勝負の釣りではないから誰でも楽しめます」と秋山キャプテン。

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新潟の魚、新潟の釣り、新潟の包丁

釣り開始直後からミヨシの両舷の常連たちが次々に大型マダイをヒットさせる。

想像以上の釣れっぷりに刺激された涌井さんもすぐにロッドを大きく曲がげた。着底からの巻き上げ開始直後のヒットだった。断続的に叩くような金属的な引きを見て「これもいい型のマダイだよ」と言いながら秋山キャプテンがタモ入れしたのは60㎝の桜色のマダイ。ショアスキッドジグ40gにセットされたバーブレスのダブルフックがカンヌキにがっちり貫通していた。

水深20m前後の浅場とあってキャスティングからの斜め引きでもガツン、斜め引きしてレンジを上げてからのスイッチフォールでもガツン。マダイは80㎝近い大型まで多数、そのほかにワラサ、ヒラメ、キジハタ、クロソイなどなど多彩な美味魚がヒット。全員のクーラーボックスが賑やかになったところで「じゃあ、そろそろお宝フィッシュを探しに行きますか」と言って秋山キャプテンが舵を切ったのは佐渡方面。この海底に長大な尾根が山脈のように延びており、水深150~200のディープで幻の高級魚といわれるアラをねらったがこの日は時期尚早。

代わりに入れ食いになったのは尺クラスのオキメバルだった。佐藤さんがすかさず鯵切包丁で腹開きにするとアシストフックを使って船上干しに。

さらにオキメバルを数尾追加したところで沖上がり。実はこの日、料理好きの佐藤剛さんのほかに、南魚沼郡で人気のイタリアンレストランのオーナーシェフである佐藤洋さん、新潟市内で由緒正しいオーセンティックバーを経営する今野貴議さんにも「山人」の切れ味を体感してもらった。

涌井さんが釣って、秋山キャプテンが活き締めにしたマダイを3人に協力してもらって刺身にしてもらったところ、最初に口にした秋山キャプテンの口から「ここ最近で食べたマダイの中で一番旨い!」と感嘆の声。これには調理をしていた3人も「切っている最中も脂が乗っていて旨そうでした」と口を揃え、実際に噛みしめると、皆、なんともいえない笑顔に

乗っ込みの初期で卵に栄養を取られておらず、また、魚探の反応からもイワシやイカをたくさん食べて脂がよく乗っていること、そして3人の料理人が「おお、切れる……!」と感激しきりだった切れ味抜群の包丁を使ったことで、極上の刺身になったのだ。

みんなの箸が止まらない。それを眺める涌井さんも嬉しそうだ。

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※このページは『つり人 2024年8月号』を再編集したものです。

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