全国おすすめ釣り場ガイド。愛知県 南知多町/師崎港出船でねらう「伊勢湾のメバル&カサゴ釣り」をご紹介します。
ウキ入れ爽快!伝統の「エビ撒き釣り」
レポート◎ 高崎冬樹
この記事は月刊つり人2018年4月号の記事を再編集しています
全国おすすめ釣り場ガイド。兵庫県芦屋市・南芦屋浜の「エビ撒きでねらう、スズキ(シーバス)釣り」をご紹介します。
高崎冬樹
昭和35年生まれ。神戸市北区在住。得意な釣りは磯のグレ釣り。友釣り歴は30年以上だが、ここ数年はご無沙汰……。フリーのライター・カメラマン・編集者
エサ取り少なく冬〜春が絶好機!
近年、あまり耳にしなくなってしまったが「朝バネ釣り」とは、早朝に生きエビを撒きながら魚を寄せ、浅いタナまで浮かせウキ仕掛けで「ハネ」をねらう「エビ撒き釣り」のことだ。ハネとは関東でいうフッコのこと。関西では全長40cmまでをセイゴ、40〜60cmをハネ、それ以上をスズキと呼ぶ。古くは大阪港の大関門での釣りを指した言葉だが、夜明けごろからエビを撒いてハネをねらう釣りは、いまなお大阪湾岸の各所で盛んである。
釣りを開始して20分、ウキ下3ヒロ半で川下さんに1尾目55cmがヒット。「この時期は釣れれば最低でも40cmありますよ」とのこと
エサにするのはシラサエビ。いわゆるスジエビのことで、一大産地である琵琶湖が近い関西では、昔からたいていのエサ店で安価で手に入ったため、付けエサだけでなく撒きエサにも、ふんだんに使用することができたのだ。このシラサエビを使うエビ撒き釣りのターゲットはハネ、スズキ以外にクロダイ、メバルなど。かつて冷凍エサが出回る以前は磯のメジナにも欠かせないエサだった。
茶こしを2つ合わせたような「エサ撒きボール(底撒き器)」にシラサエビを半分ほど入れる。ボールの下にオモリ6号、サビキ用のオモリ負荷8号ウキを遊動式にセットする。海中でしゃくればボールが開いてエビが出る。この日は3ヒロのタナでエビを出した
そのエビ撒きでねらうハネの最盛期は冬場から春先である。大阪湾岸では年中ねらえる魚なのだが、特に水温が低い時期はエサ取りの小魚が少なく……というより、ほとんどいないため非常に釣りやすいのが理由。ルアーでシーバスの反応が薄い時期でも、撒きエサのエビに付いてしまうと、アタリが連続する。
基本はシャクを使った上撒きだが、釣りを開始する前や途中にも何回か、エサ撒きボール(底撒き器)で、ねらいのタナに直接エビを放出するのが効果的。ウキ釣りをするサオとは別に硬めの磯ザオや長めのシーバスロッドを用意。サビキなどで使う大型ウキをセットした遊動仕掛けで、ねらいのタナまで沈めて強くしゃくれば容器が開きエビが出る仕組み。海面に撒かれたシラサエビは元気がよいと、なかなか深く潜ってくれないので、上撒きだけだと効き目が遅いためだ。
上撒きのコツは柄の弾力利用
今回取材に出かけたのは兵庫県芦屋市に造成された「南芦屋浜」と呼ばれる人工島の護岸。1月末現在、40〜60cmのハネが多い人で数尾と好調なのは南芦屋浜の東向き。以前、このコーナーのサヨリ釣りで紹介した南岸同様、手すり付きで足場も広く安全。有料駐車場、トイレもあり非常に便利な釣り場である。
手すり付きで広い足場の南芦屋浜護岸。冬場は季節風を背中を受ける東向きが釣りやすく人気
ハネをねらってもらったのは釣り場から10分ほどの距離にあるフィッシングマックス芦屋店スタッフの川下安則さん、山本剛史さんのお2人。川下さんによると釣り場の水深は4ヒロで、ウキ下は3ヒロ前後。夜明けからしばらくはサオ1〜2本沖をねらい、陽が高くなりアタリが遠のいた場合は護岸際をねらうとよいとのことだ。
手すりに取り付けられるサオ受けがあればエビを撒くときなどに便利。写真は第一精工『スーパーパイプ受太郎』
釣りを開始したのは東の空が赤くなり始めた6時半ごろ。潮の流れはゆっくり左。左右どちらでもよいので潮が動いていることが条件だ。仕掛けを投入したらカップにスリットが入ったエビ専用のシャクで上撒き。片手でフタをして数回シェイク。そのまま柄の弾力を利用しウキの頭や潮上にバッと飛ばす。シェイクするのはエビを弱らせて海中に沈みやすくするためだ。
❶エビ専用シャクのカップに半分ほどシラサエビを入れ、
❷手でフタをして上下に数回シェイク。
❸そのままの状態で弓を引くように引き絞り、
❹柄の弾力を利用してエビを沖へ飛ばす
ハリには尾羽根の付け根付近にチョン掛けするかホオ掛けにし、極力エビを弱らせないことが肝心。仕掛けも流しっぱなしにせず時おりクイッと引いてエサを動かして誘いをかける。とにかくエビの動きでハネにアピールするのがコツ。
結果はすぐに出た。釣り開始から20分、ウキトップにチョンと反応が出た直後にスーッと消し込まれたタイミングでアワセを入れた川下さんの55cmを皮切りに、この日の最長寸である山本さんの58cmまで2時間半の釣りで、2人で6尾。小さいものでも45cmを超えていた。
エビの刺し方
初心者にも簡単なのは尾羽根の付け根にチョン掛けする方法。ベストは水中姿勢がよいホオ掛け。エビを弱らせないことが大切。あまりにも大きいエビは食いが悪いそう。平均的なサイズを選ぼう
ウキはスリムな棒ウキタイプを使う人が多い。非自立でオモリ負荷1〜1.5号
イチオシギア
フィッシングマックス芦屋店限定 エビ撒き釣りセット
(※値段や内容は掲載当時のものです。最新情報は店舗にご確認ください)
エビ撒き釣りはシラサエビの生きのよさが命! エビ生かしの容器、エアポンプ、エビすくいネット、生きエビ用マキエシャク、保冷剤、エサ撒きボール(底撒き器)がセットになっており入門者に最適。容量6Lでシラサエビをカップ4杯分までが目安。冬場は必要ないが水温が上がる時期に欠かせない保冷剤は芦屋店でエビを購入する際に凍ったものと毎回交換してくれる。
フィッシングマックス芦屋店
住所=兵庫県芦屋市平田町1-41
営業時間=月〜木:5〜22時、金:5時〜オールナイト、土:24時間、日:0〜22時
問合先=☎0797・34・4848
交通●大阪方面からは阪神高速神戸線の芦屋出口で降りてR43 を西進。神戸方面からは深江出口で降りて東進。精道の交差点から南進し南芦屋浜へ。