10月2日、月刊つり人12月号(10月25日発売)の記事に向けて、東京湾のシロギス釣りの取材に行ってきました。船宿は横浜市金沢八景の「荒川屋」さんです。周辺の船宿はどこもシロギス釣りがメニューですが、荒川屋さんは「一年中休みなしでシロギス乗合を実施」しているのが大きな特徴。そのため、熱心なシロギスファンの定宿になっています。
仕掛けの操作に技ありの「ペンシル持ち」とは?@横浜市金沢八景・「荒川屋」(2020年10月2日)
レポート◎ヤギ(月刊つり人編集部)
10月2日、月刊つり人12月号(10月25日発売)の記事に向けて、東京湾のシロギス釣りの取材に行ってきました。船宿は横浜市金沢八景の「荒川屋」さんです。周辺の船宿はどこもシロギス釣りがメニューですが、荒川屋さんは「一年中休みなしでシロギス乗合を実施」しているのが大きな特徴。そのため、熱心なシロギスファンの定宿になっています。
近年の船シロギス釣りというと、アタリが多い夏を中心に、入門者にも始めやすいという面がクローズアップされることが多いですが、一方で5~6年ほど前までは、数釣りを真剣に競う大会もあちこちで行なわれていました。「横浜白鱚の会」を主宰する梅内訓さんも、そんな真剣勝負のシロギス釣りに熱心だったファンの一人で、「シロギスには誰でも楽しめるよさがある一方で、アタリを追求するほど、道具選び、仕掛け調整、釣り方に奥行があって面白い」と言います。
記事のメインテーマのひとつは、そんなシロギスフリークたちの多くが採用している「ペンシル持ち」による釣りでした。名前のとおり、スピニングリールをセットしたキス竿(1.6~1.8m)を、箸や鉛筆をつまむように手に持って、仕掛けを操作します。これが教わってみると目からウロコ。誘いのピッチが自然に小さくでき、オモリの挙動をより細かく感じ取れます。そしてシームレスな感覚の仕掛け操作や、食わせつつ乗せるような感覚のアワセも各段にやりやすくなります。まずはぜひ、見よう見まねでもやってみてください。
これが「ペンシル持ち」。サオをつまむように握れば、あとはその人なりの持ちやすさに合わせてアレンジしてOK
釣っている最中は常にラインを張る。陸からの釣りと違って船自体が動いているのでサビく操作は意識しない。その代わり、仕掛けを止めたまま何度かチョンチョンと誘いを入れ、誘ったら必ずしばらく止めてアタリを待つ(梅内さんは「定点で誘う」と表現)。アタリがなければ少しリールを巻いてまた同じ操作を繰り返す。これを少し沖に向けてキャストする投入から、船下まで仕掛けが来て回収するまでの間繰り返すというのが基本の釣り方
この日は、梅内さんを含めて10人のお客さんが乗った「日中船(8時出船の15時沖上がり)」で取材を行ない、釣り場は金沢八景から30分ほどの中ノ瀬周り、水深15~16mのポイントでした。結果は、梅内さんが撮影もしながらの釣りで74尾のサオ頭。次が同じくベテランの方で68尾でした。船にはビギナーの方もいましたが、荒川屋さんは入門者大歓迎がモットー。船長がやさしく釣り方をレクチャーしてくれます。今は冬前から始まる「落ちギス(水深25mくらいの深場に群れがかたまり、魚体には脂が乗って一年でも最も美味しくなる)」までつなぎの時期にあたりますが、気候は涼しくなって、魚は適度にちらばっているので、落ちギス本番に向け釣りの感覚を磨くにはうってつけです。もちろん、食味も充分で、実際に取材者の晩御飯はホクホクのシロギスのフライと型のよいものは刺し身で楽しみました。ぜひ、お出かけになってみてはいかがでしょう?
アタリがあったらびっくりアワセをせず(するとバレる)、サオ先に乗せるように大きく頭上までサオをあおる。実際にやってみると、この動きにも「ペンシル持ち」が利くのが分かる
梅内さんの細やかなテクニックは12月号で詳報予定!