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釣りが楽しいのは、自然が豊かだから。
けれど今、その自然が静かに傷ついています。
そんな現状に向き合い、“川を愛する者同士”が手を取り合ったコラボレーションが実現しました。
アウトドアブランド「Foxfire」と、釣り漫画の金字塔『釣りキチ三平』によるチャリティTシャツプロジェクト。
このTシャツには、未来の川を守るための想いが込められています。
写真◎株式会社ティムコ 文◎編集部
湖と川に迫る危機
近年、日本各地の湖や川が、ゴミの不法投棄、水質悪化、生態系の崩壊といった深刻な問題に直面しています。これらは一朝一夕で解決できるものではありませんが、それでも「美しい川を守りたい」と願う人々の手によって、各地で自然保全や魚の増殖といった地道な活動が続けられています。
そんななか、自然との共生をテーマにウェアやギアを展開してきた「Foxfire」が、日本初の釣り漫画にして累計発行部数5000万部を超える『釣りキチ三平』とタッグを組み、新たな動きをスタートさせました。
心を通わせタッグを組む
Foxfireは、アウトドアやフィッシングの魅力とともに、「自然と真摯に向き合う姿勢」を大切にしてきたブランドです。その理念は、『釣りキチ三平』にも通じるものがあります。
矢口高雄氏が描いた三平は、釣りの楽しさを伝えるだけでなく、環境破壊への警鐘を40年以上も前から鳴らし続けてきました。フィールドを愛し、マナーや礼節を重んじる両者の価値観は共鳴し、「R.O.D(River of Dreams)」とのコラボレーションへとつながったのです。
「R.O.D(River of Dreams)」は、釣り人が気持ちよく挨拶を交わし、ゴミひとつ落ちていない清らかな川で、魚が元気に泳ぎ、家族連れが川遊びやキャンプを楽しむ――そんな風景を守り、育てていくために、Foxfireが立ち上げたプロジェクトです。各地の自然保全や魚の増殖活動に参加・連携・協賛しています。
4月12日、山梨県・日川で峡東漁協によるアマゴの稚魚放流が行われた。「R.O.D」の活動としてFoxfireスタッフも参加
渓魚保全に向けたイラスト看板12枚をFoxfireより漁協へ寄贈。有志の釣り人の皆さんと協力して川の各所へ設置した
三平Tシャツに想いをのせて
今回のコラボでは、『釣りキチ三平』のイラストをプリントしたTシャツを制作・販売。その売り上げの一部は、「R.O.D」プロジェクトを通じて、川や湖の自然保全、魚の増殖活動に使われます。
支援の対象は、各地でコツコツと活動を続ける地域の人々。単なるチャリティにとどまらず、川を愛する者同士が“理想の川”の姿を想い描き、語り合うきっかけになることを目指しています。ファッションを通してアクションにつなげる試みです。
Tシャツは3種類。「O池の滝太郎」や「ジャックとユキシロヤマメ」などの三平くんがプリントされている
川が未来を育むように
このチャリティプロジェクトが目指すのは、Tシャツの購入という行動をきっかけに、自然保護や地域の川に関心を持つ釣り人が一人でも増えること。楽しみながら環境への意識を高める――そんな「きっかけの連鎖」が、やがては川や湖を守る大きな力になります。
川に夢を託すこのプロジェクトは、水辺の未来を変えていく第一歩になるかもしれません。
チャリティTシャツはFoxfireのホームページで販売。グラスやマゲワッパなどのアイテムもあるので、気になる人はチェック!