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編集部2024年12月17日

シーバス釣りはフック選びで差をつけろ!ベストな選択肢とは?

シーバス-川 シーバス-海 魚種別釣りガイド

シーバスフックの選び方をエキスパートが解説!形状や重さ、シャンク長の使い分けで釣果をアップ。初心者でも楽しみながら学べるフック選びのコツを伝授。

シーバスフックに求められる性能とはいったいどんなものだろうか?
形状や重さがもたらす基礎をはじめ、シャンク長による使い分けなどを高橋優介さんに聞いた。

文◎塚田智 写真◎編集部

ハリが「刺さる」と「掛かる」

ジグヘッドを使ったワームの釣りを除き、ほとんどのシーバスゲームにおいて用いられるフックといえば、トレブルフックである。この釣りにおけるトレブルフックの重要性というものは、どういった要素が考えられるだろうか?まずはその前に、エサ釣りやワームフックで使われるシングルフックと比べて、「釣りバリ」としての役割に少し違いがあることをおさえておきたい。

まずはシングルフック。たとえばオキアミをエサにグレをねらう場合、オキアミの中にハリ(1本バリ)が入っている状態になるので、魚が食いつけば自動的に口の中にハリが触れることになる。そこでアワセを入れれば、口の内側からしっかりと貫通させられるというのが基本的な原理だ。つまり、魚の口に「刺さる」という性格が強いのである。

一方トレブルフックの場合、魚はあくまでもルアー本体に食いつくので、ハリが口の中から深く貫通する可能性がそもそも低い。魚がルアーにコンタクトしてきたその動作のどこかでハリが口内、もしくはその周辺に引っ掛かってフッキングするというのが原理である。つまりシングルフックのように「刺さる」のではなく、「掛かる」という性格のほうが強いと言えるのだ。

トレブルRB とSP に分けて、交換用フックだけのボックスに収納。ここに入っているものは常に完璧な鋭さを持ったハリだけだ

トレブルRB とSP に分けて、交換用フックだけのボックスに収納。ここに入っているものは常に完璧な鋭さを持ったハリだけだ

 

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初期掛かりを重視したフックセレクト

それではシーバスゲームにおいてはどのようなトレブルフックが求められるのだろうか。エサ釣り用のハリほどではないものの、トレブルフックにもシャンク長やベンド形状など、実にさまざまなタイプが市場に出回っている。若きシーバスフリークである高橋優介さんは、「フックは最も気にする点です」と前置きしたうえでこう話してくれた。

「シーバスのアタリをしっかりと“掛ける”という点を考えると、僕はシャンクとハリ先が平行になったタイプが最も適していると思います。そのなかで、シャンクの長さやベンド形状の違いによる使い分けを実践しているというのが現状ですね」

近年は貫通力をウリにした、ハリ先が極端に内傾したネムリ形状のトレブルフックも開発されてきているが、高橋さんが使うフックはすべてシャンクとハリ先が平行になったシンプルなタイプ。まずはシーバスの身体にハリ先をコンタクトさせることを考えるのであれば、こちらのほうが高確率であることは一目瞭然だろう。

具体的にはがまかつのトレブルRB-MH(ラウンドベンド)と、トレブルSP-MH(スプロートベンド)の2種類をすべてのルアーに装着している。

「RBはシャンクが長く、細かいバイトを拾いやすいです。ショートシャンクのSPはフトコロがハリ先側にあるので、フッキングしてから魚の身を保持しやすいというメリットがあります。また、形状面だけでなく、がまかつフックならではの鋭いハリ先はほかに代えが効かないですね」

トレブルフックはルアーアクション時にボディーと接する頻度が多いという性質上、ハリ先の摩耗と常に隣り合わせである。そこでトレブルRB、SPは、両モデルともに硬度の高い特殊金属素材である「トーナメントグレードワイヤー」を採用。通常の鋼材より高い硬度を保ちながらも、かつ鋭いハリ先に仕上げることに成功しているのだ。

高橋優介(たかはし・ゆうすけ) 東京都在住。シーバスをはじめソルトのルアーゲーム全般に精通する。雑誌やテレビ番組への出演経験豊富で、日々全国のフィールドを駆け回っている。

高橋優介(たかはし・ゆうすけ)
東京都在住。シーバスをはじめソルトのルアーゲーム全般に精通する。雑誌やテレビ番組への出演経験豊富で、日々全国のフィールドを駆け回っている。

 

フックは大切だ。高橋さんはハリ先のチェックを爪ではなく指先で行なう。「爪に当てた時点でハリ先がなまっちゃいそうなので、やりません。指の薄皮に引っ掛けて、“ このまま引っ張れば刺さるな” というのを確認しています」

フックは大切だ。高橋さんはハリ先のチェックを爪ではなく指先で行なう。「爪に当てた時点でハリ先がなまっちゃいそうなので、やりません。指の薄皮に引っ掛けて、“ このまま引っ張れば刺さるな” というのを確認しています」

 

SP(スプロートベンド)

SP(スプロートベンド)

 

RB(ラウンドベンド)

RB(ラウンドベンド)

 

RB のハリ先。ロングテーパーを採用していることもアタリをよく拾える秘訣のひとつだ

RB のハリ先。ロングテーパーを採用していることもアタリをよく拾える秘訣のひとつだ

 

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ハリの重さがアクションに与える影響

さて、高橋さんのように純正フックを好みのものに換装するというアングラーは多いだろうが、その際に気をつけることなどはあるだろうか。

「まず、ハリ同士が絡まないようなサイズにすることが基本です。そのルアーの推奨フックサイズと同じだったとしても、ロングシャンクのハリに付け替えたときにハリ絡みしてしまっては意味がないので注意です。また、シーバス用のルアーは体高が低いものもありますので、背中にハリを拾ってしまわないか、という点もチェックしましょう」

ロングディスタンスのアプローチが多いこの釣りにおいて、ハリ絡みなどのトラブルは極力避けたいもの。サイズ選びではまず注意したい点である。また、純正フックと重さが変わることによる、ルアーアクションに与える影響などはどうだろうか?

「たしかにメーカーによって同番手でも重さは違ってくるので、アクションへの影響は少なからずあると思います。しかしこれは僕の感覚ですが、ほとんどの人は気づかない程度のものですね。ただし、たとえば10番より下の小さい番手になってくると、線径の太さが極端に違ってくることもあるので、そこは注意です。悩ましいところなんですが、ルアーのアクションがしっかり出ているか、というのを判断基準にするのがいちばんいいでしょう」

高橋さんは、推奨番手から上げ下げすることで、あえてルアーのアクションを変化させるというチューンを実践することもあるという。

「たとえばバイブレーションは、巻きたいスピードに合わせてハリの番手を変えます。ゆっくり巻きたければ小さいハリのほうがルアーがよく動きますし、高速巻きしたければハリをあえて大きくします。ハリが重くなればルアーが低重心化するので、速巻きに対応します。ベイトが活発に泳ぐ夏場など、超高速巻きが有効なタイミングではよくやりますね」

ショートバイトが多いからハリを小さくする、というのもよく聞くチューンだが、高橋さんはそれはやらず、あくまでもルアーのレンジやアクションを調整するという目的で番手の上げ下げを実践しているということである。もちろん、ルアーそのものを変えたほうが手っ取り早いという見方もあるかもしれないが、ハリの重さがルアーアクションに与える基礎的な力学は、知っておいて損はないはずだ。

 

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シャンク長を使い分ける

ここからは少し応用編。高橋さんは、シャンク長の違いで明確に釣果の差が出た経験があるという。

「春先のバチパターンでのことです。同じルアー、同じ場所に並んでふたりで釣りをしていて、ハリだけRBとSPで違うという状況だったのですが、圧倒的にRBのほうが乗りがよかったんです。要はラインテンションを緩めて、シーバスの弱いバイトをからめとる釣りなので、ロングシャンクのRBに分があったということだと思います。こうしたこともあって、“ラインテンションを張るか否か”が、RBとSPの使い分けに繋がってくると考えています。たとえば、ラインを張ったまま巻いてくるバイブレーションなどは、アタリを感じたら即座にアワセを入れることができるので、SPをつけます。根掛かりのリスクも軽減できますしね」

となれば、たとえば同じリップレスミノーでも、タダ巻きで抵抗を感じながら巻くこともあれば、ドリフトを交えてほとんど無抵抗で使うこともある。ラインを張る釣りなのかそうでないかが、シャンク長を使い分けるヒントになるということだ。

「さらに応用編ですが、3フックのミノーだった場合、フロントと真ん中をホールド力の高いSPにして、テールだけはRBにするということもあります。まあ、ここまでいくと妄想みたいなものですけど、いろんな状況に対応できるセッティングだとは思います。実際釣果に差が出るかどうかはともかく、まずはハリの特性を理解したうえで、自分が意図したセッティングにできているかは重要ですね」

かつのトレブルRB、SP シリーズはパワー(線径の太さ)が分かれており、シーバスにはおもにMH が使われる。これよりも細いM や、逆に太いH などもある。ルアー全体の重さを軽くするために、「同じ番手のM を使う」なんて選択ももちろんアリだ

かつのトレブルRB、SP シリーズはパワー(線径の太さ)が分かれており、シーバスにはおもにMH が使われる。これよりも細いM や、逆に太いH などもある。ルアー全体の重さを軽くするために、「同じ番手のM を使う」なんて選択ももちろんアリだ

 

 

 

※このページは『つり人 2024年12月号』を再編集したものです。

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