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編集部2023年7月28日

【筑後川】エツパターンでねらうシーバス釣りのコツ

全国おすすめ釣り場 福岡 佐賀

有明海に注ぐ筑後川でランカーをねらえるエツパターンとは? この地域独特のパターンを解説します。

有明海に注ぐ筑後川でランカーをねらえる超ローカルパターンだ

エツパターンとは?

「ちょうど10年くらい前だと思います。仲のいい釣り人が、福岡の久留米に一度来てよと。バイブレーションの遠投で釣っているんだけど、どうもトップのほうが、よりデカいのが出るという話でした。それからですね、夏の筑後川に通うようになったのは」

そう語るのはポジドライブガレージの中村さん。以来、梅雨明け間際から夏の時期、ランカーを求めて筑後川へと通う。このエリアの釣りが独特なのは、偏食するベイトがこの地域特有であることと、釣れるシーバスのサイズがデカいことだ。ちなみに、この時期の筑後川で偏食される魚の名前はエツ。一般的には馴染みのない魚だ。この魚が夏になると、産卵のため有明海に注ぐ河川に遡上。その代表的な河川が筑後川なのだ。

そして、釣れるシーバスのサイズが圧倒的。50〜60cmが釣れることもあると言うが、ねらっているのはあくまでも80cm以上。あわよくばメートル級。それが筑後川のエツパターンだ!

シーバス写真

 

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エツという魚

有明海特有の魚で夏に遡上する

「エツは、お尻のほうが細くなった独特のシルエットが特徴です。サイズ的に、このパターンの対象となるのは30cmくらい。ベイトとしては比較的な大きめの魚ですよね」と中村さん。このエツはカタクチイワシ科の魚で、初夏~夏の時期に産卵のために有明海から群れで遡上するという。その習性を知ってか、有明海のシーバスは、同時期に川へと遡上してエツを捕食する。これが筑後川のエツパターンだ。「ちなみに久留米周辺には夏にエツ料理を出すお店もあります。まだ未体験でですけど」

シーバス写真

他地域では見ることのない、独特なシルエットが特徴。カタクチイワシ科の魚で最大は約35cm 。この魚を求めてシーバスが遡上する

illustration by Wakabayashi Teru

 

どのエリアで成立するパターンなのか?

筑後川では久留米周辺がエリア

「僕がエツパターンでねらうエリアは筑後川では久留米市の周辺で、筑後大堰までの範囲です」。筑後大堰とは河口から約23kmに位置する堰堤だが、そのエリアまではエツも遡上しているという。「有明海は干満差が大きくて、海から20kmあるエリアでも干満の増減が4m ほどあります。上げ潮の時間帯だと、川でも逆流するように流れます。それくらい潮が大きい。この潮の大きさもあって、エツが筑後大堰周辺まで遡ってくるのだと思います。また、ある程度規模が大きく長い川にエツの群れは多く遡上するそうです」

 

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ベストシーズンは夏

初夏~梅雨明けが最もアツい!

「これまでの経験では、梅雨~梅雨明けに始まり7月いっぱいがベストシーズン。8月になると渇水になってくるので、その場合は雨後ですかね。僕は例年、梅雨明けのタイミングをねらって、7月15日前後の遠征が多いです。ただ、温暖化の影響か、時期が早くなったとも言われていています。それで今年は5月後半にも行ってきました」

 

デイゲームで釣る!

日中の満潮からの下げがベスト

このエツパターンの時合だが、これは完全にデイゲーム。それも昼すぎの時間帯が最もアツいという。「この釣りはデイゲームなんですよ。それも満潮からの下げがよくて、潮を選べるなら大潮から後中潮の干満差の大きい時が、流れも強く出て好条件。すると、満潮が真っ昼間なんです」。早起きする必要がないのがメリットだと言うが、梅雨明け後の、この時間帯を想像してみてほしい。気温は35℃を越えることも珍しくないタイミングだ。「体力的には熱中症を含めてヤバいですが、この時間帯が時合。午後5~ 6 時にはだいたい釣りを終えて宿に戻っていますね」。まさに暑い時間帯のアツい釣りというわけだ。

シーバス写真

 

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雨後はチャンス大

水が増えてから収まるタイミングがねらい

夏の釣りといえば、天候的には雨がキーになるケースは多い。このエツパターンでも雨は好転するタイミングとなる。好条件なのは、雨で少し水が増えてから、それが収まるタイミングだという。「一旦、川の水が増えてから、それが引いて平水に戻るようなタイミングだとかなりいいですね。逆に炎天下が何日も続くと、ルアーへの反応が悪くなる傾向です」。また、梅雨明けのタイミングはベストであるものの、九州地方は梅雨明け直前にドカ雨が降る傾向がある。「豪雨が降ってしまうとエツの群れも下がってしまい活性が落ちてしまいます。なので増水中はダメ。一度増えた水位が戻ったタイミングが一番のチャンスです」

シーバス写真

 

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ねらっているのは有明海のシーバス

タイリク系に近いと言われる大型個体

このエツパターンでねらうのは、あくまでもランカークラス。ベイトとなるエツも大きいだけに、ターゲットであるシーバスも大きい。「エツパターンで釣るシーバスは、エツを追って筑後川に入ってきた有明海のシーバスなんですね。この有明海のシーバスと言うのが独特で詳細はわからないですが、タイリクスズキに近い遺伝子を持っているとも言われています。そのため大きくても背中に黒点が残っていたりする場合もあります。一説によるとタイリクスズキとも一般のマルスズキとも交配するらしいです。そして、有明海のシーバスは、メートルに絡むサイズもいます」。それが、エツパターンでねらう有明海のシーバスだ。

シーバス写真

 

 

 

 

※このページは『SEABASS Life 2023年 7月号』を再編集したものです。

 

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