編集部2020年8月3日

宮城県塩釜市~名取市・仙台湾のマアジ釣り

アジ 船の釣り 全国おすすめ釣り場 宮城

カレイの活性が下降気味になる水温上昇期にシーズンを迎える好ターゲットがマアジ。中層ねらいの面白さと味の良さで人気急上昇中。

群れによりサイズは異なるが、アベレージは30㎝前後といったところ。いい時期や群れに当たれば40㎝オーバーの良型が頻発することも珍しくない

中層が躍動する夏秋の仙台湾中南部

レポート◎道下 裕

カレイの活性が下降気味になる水温上昇期にシーズンを迎える好ターゲットがマアジ。中層ねらいの面白さと味の良さで人気急上昇中。

この記事は『つり人』2019年9月号に掲載したものを再編集しています。

カレイの海を覚醒させたマアジ

 沖釣りファンの間では、仙台湾から三陸にかけての沿海は「カレイの海」である。あえて加えるならアイナメやソイなどの根魚。それほど遊漁船も、ファンも長らくオモリで海底を叩く釣りに依存してきた。

 だが、ここ10年ほどで仙台湾の沖釣り事情は大きな変化を遂げた。「ポスト・カレイ」に位置づけられるマダラやヒラメ、マダイ、アジなどの釣りが定着したのである。

 マアジは、その急先鋒といってよい存在。先鞭をつけたのは第一海友丸(塩釜市・まがき港)である。試行錯誤の末に80号のビシを用いるスタイルを確立し、40㎝を超えるサイズのマアジが身近にいることを強烈にアピールした。

 次いで僚船の蔵王丸(名取市・閖上漁港)が「カレイ釣りのお客さんが、そのままのタックルを使って楽しめるように」と40号(仙台湾のカレイ釣りでは、40号が標準のオモリ負荷)のビシを用いたライトスタイルを提唱。その後、複数の遊漁船が釣りものとして取り入れている。今やこの釣りは夏秋のメインとして欠かせない。

tba9_ph_02_01 カレイの活性が下がる水温上昇期の「中継ぎ」だったマアジは、いまや夏秋の主力として定着。釣果が安定するに従い、遊漁船の釣り座は手狭になる

tba9_ph_02_02 仙台湾で使われるビシは、船宿により80号と40号に分けられる。前者は早潮にも対応できる強みがあり、後者はカレイ釣り感覚でエントリーできる手軽さがウリだ

 なぜマアジがファンにウケたのか? 食べる楽しみを脇に置けば、「中層の釣りならではの面白さ」があるようだ。根強い人気の黒メバルやサバも中層ねらいだが、正確なタナ取りと誘いの技術、手返しの速さが釣果に直結しやすいテクニカルな要素においてマアジは別物。

 加えてカレイの活性が下降気味になる水温上昇期にシーズンを迎えるタイミングも好材料。「中継ぎ」のエースは実績を重ね、早ければ5月下旬から年内を完投する主力として躍動している。

tba9_ph_02_03 ライト仕様(40号ビシ)のタックル。当初はカレイ釣りのタックルを流用するファンが多かったが、徐々にライトゲーム系のロッドにカウンター付きのリールが目立ち始めている

tba9_ph_02_04 寄せエサは船宿が用意する冷凍アミエビが主流。空バリ派が多いなか、付けエサとしてイカ短やアオイソメを備える人もいる

パワフルなマアジと深化する仙台湾仕様

 仙台湾と三陸沿海の沖釣りをフルサポートするというコンセプトで沖釣りファンに人気のショップ、フィッシングカンパニー(仙台市)を訪れた。「まだ、シーズンの走りなので、本格的に商品が動くのはこれからですね」とスタッフは控えめだが、すでに品揃えは臨戦態勢。なかでも注目したいのは、例年品薄になるオリジナルの限定商品だ。

 メーカー各社の商品が数多くある中で、ご当地仕様のオリジナル・アイテムに求められるのは地域特性を加味した「強度」と「食いつきのよさ」である。

 まず、仙台湾で相手となる25~40㎝超にのばされないハリ、切られにくいハリスが必要。どうしても自然な浮遊を演出する細軸軽量のハリ、いくぶん食い付きがよい細ハリスは力負けしやすい。何年か経験を重ねて落ち着いたのが、丸セイゴ系のハリと3号クラスのハリスだ。

 次に、ハリに求められるのは「食い」のよさである。仙台湾のファンは空バリ(食わせエサを付けない)を好む傾向が強いので、ハリの色(発色)に対する関心が高い。これも当初は反射効果が望める平打ちのものや赤、緑、金、銀などが試されたが、ここ何年かは白緑系の夜光色を本命に据える人が多いようだ。

 当地においては、まだまだ伸び代を残すマアジ釣り。そのポテンシャルを一度味わってほしい。

tba9_ph_02_05 2本バリに良型の重みが乗った。波のタイミングを計りながら、下バリの魚から手際よくタモ網に滑り込ませる。食いが立っている時は、隣人とのオマツリに要注意

tba9_ph_02_07 本命はマアジだが、いわゆる「金華」クラスの大サバや良型の黒メバルもゲスト参戦。近ごろではハナダイやマダイの釣果も記録されている

tba9_ph_02_09 アベレージサイズの個体。手返しの速さが釣果に影響するとあって、あえて1尾掛けで巻き上げ、タモ網を使わず抜き上げる巧者もいる

tba9_ph_02_010 お見事、良型の3尾掛け。このサイズになるとタモ入れもひと苦労。ハリスが切れたり、ハリが伸ばされたりのトラブルも頻発する。あえて2本バリ仕掛けを使う人も多い

tba9_ph_02_011 釣りあげたらエラを外して足もとのバケツに入れ、流水で血を流しておく。食い気がある群れに当たれば、沖上がりまでには40cmクラスのクーラーがいっぱいになることもある



イチオシアイテム
オリジナル・マアジ仕掛け
tba9_ph_02_kakomi01 仙台湾のマアジ釣りファンが最もこだわっているアイテムは「仕掛け」。遊漁船が試験営業を始めた当初は、市販のメーカー品を用いて「切れる、伸びる」を体験。その結果として、ここ数年はショップや船宿が企画したオリジナル仕掛けに落ち着きつつある。なかでも「仙台大アジ」「金華大アジ」は人気が高い。ご当地仕様のウリは40㎝を超える良型に負けない「強度」と食いがよい「ハリ色」。特に白緑系の夜光色のハリはマストアイテムといってよい。


ショップ
フィッシング カンパニー
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住所=宮城県仙台市若林区卸町2-12-2
営業時間=9時~18時半、日曜日・祝日定休
問合先=TEL022・239・1771

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