駿河湾で秋から春にかけて旬を迎え、釣り人が目の色を変えて追いかける魚がアマダイ。アマダイのタックルをそのまま使える高級魚アカムツとのリレー釣りが可能!
高級魚をねらいつつ五目釣りが楽しめる
レポート◎伊藤 巧
◆関連記事
キャストができなくてもルアーでメバルを釣る方法
港から近い三保沖でアマダイの複数釣果
最深部が2500mに達する急深で広大な駿河湾は、沖釣りにおいて魅力的な魚が多い。人気のタチウオやマダイをはじめ深海のバラムツなどターゲットはバリエーションに富んでいる。中でも秋から春にかけて旬を迎え、釣り人が目の色を変えて追いかける魚がアマダイ。このアマダイ釣りにどっぷりハマっているのがフィッシング遊静岡池田店の鈴木幹弘さん。2019年1月27日に店長の長浜伸一さんと釣り仲間の桂木貴章さんを誘って清水沖に繰り出すというのでさっそく同行した。3人は空が白み始めた清水港折戸マリーナに集合し、朝5時半に千秋丸へ乗り込んだ。船は三保半島を回り込み、すぐ沖合いに形成されていた船団に加わってスパンカーを立てた。港を出てすぐに釣りが始められるのは大きな魅力。岸が目の前に見える場所ながら、すでに水深は150mという。
アマダイの釣り方は、片テンビンの吹き流し仕掛けを用いる流し釣り。鈴木さんは自作した枝間1mの3本バリ仕掛けをセットした。エサは生オキアミとくわせオキアミ。枝スにヨリがかからないよう真っすぐハリに通す。
オモリが着底した時点でアマダイは落ちてくるエサに気づいていると考えてサオ先に集中した長浜さんが、少ないチャンスを逃さず本命を手にした
こまめに底を取り直して底際をキープすることが好釣果の鍵を握っている
アマダイ初挑戦の桂木さんも10尾近い釣果を上げていた。カワハギ釣りなど底を取る釣りを経験していれば、アマダイ釣りは難しくない
アマダイ釣りは底からあまり仕掛けを離さないことが肝要。少し仕掛けを浮かせてはアタリを待ち、なければ再び底を取り直す
この日は朝イチこそ厳しく冷え込んだものの、富士山もくっきり見える絶好の釣り日和に恵まれた。まさしく絶景である
アマダイは砂地に穴を掘ってエサを待ち構えている底べったりの魚なので、仕掛けは底ギリギリを流す。基本パターンはオモリが着底したらイトフケを取りながら1mほど浮かせ、そこから上下させながら誘いを入れる。一番下のハリが底に着いているくらいがちょうどいい。
3人がねらうのは1㎏級の良型。昨シーズンは近年にない釣れ振りで、良型まじりで1人20尾以上の釣果が上がっていたが、今冬はやや食いが渋いとのこと。それでも竿頭はツ抜けできる程度に数は釣れるというから、やはり清水沖のアマダイは濃い。
実釣は、幸先よく最初の流しで鈴木さんにアマダイがヒット。その後は食いが浅いのかエサ取りなのか、穂先に反応が出てもハリに掛からない時間が流れる。150mほどの深場だけに手間ではあるが、取れやすいオキアミを使っているだけに、まめな打ち返しが好釣果の秘訣だ。
3人は辛抱強く打ち返してポツポツながらアマダイを手にした。他にもイトヨリやオニカサゴ(イズカサゴ)、ユメカサゴ、大きなアジやサバなどが顔を出す。長浜さんがまずまずのアマダイを釣りあげたところでお昼となったが、少し延長してアカムツ釣りに転進。今日は食いが渋いといいながらも鈴木さんは9尾のアマダイをキャッチしていた。
40㎝を超える良型を求めて頻繁に場所を移動しながら探ったが、この日は30㎝強の中型止まり。3月いっぱいリベンジのチャンスはある
クレイジーオーシャン『マルチホルダー』
沖釣りで使い勝手のよい2本脚の大型クリップ。船縁やクーラーボックスのハンドルにセットしてサオを立てたり、車の吊り革やバーに固定したりロッドホルダーとして使用するなど使い方はいろいろ
沖釣りで使い勝手のよい2本脚の大型クリップ。船縁やクーラーボックスのハンドルにセットしてサオを立てたり、車の吊り革やバーに固定したりロッドホルダーとして使用するなど使い方はいろいろ
人気13魚種の基本とコツを三石忍さんが徹底解説!
国内で唯一の総合釣り雑誌、月刊『つり人』誌上にて、2016年から現在まで掲載されている、女性プロアングラー・三石忍さんの船釣りテクニック解説を単行本化。当代のアングラーの中でも、男女を通じて人気・実力ともにトップクラスと誰もが認める〝忍ねえさん〟の船釣りノウハウや考え方を、初めて1冊に収録しています。理論を分かりやすくする、仕掛け図や釣り方イラストも豊富に掲載。東京湾、相模湾、千葉外房、駿河湾での四季折々の釣りものに、関西で圧倒的な人気を誇る大阪湾のテンヤタチウオの釣りも加え、掲載魚種は、タチウオ、カワハギ、ヒラメ、マダイ、アジ、イシモチ、メバル、マゴチ、アマダイ、アオリイカ、マダコ、ショウサイフグ、キンメダイの13種。ビギナーには分かりやすく、ベテランにも目からウロコの上達のヒント満載で、海釣りの楽しさを知りたい、深めたいすべての人に見逃せない1冊です。
国内で唯一の総合釣り雑誌、月刊『つり人』誌上にて、2016年から現在まで掲載されている、女性プロアングラー・三石忍さんの船釣りテクニック解説を単行本化。当代のアングラーの中でも、男女を通じて人気・実力ともにトップクラスと誰もが認める〝忍ねえさん〟の船釣りノウハウや考え方を、初めて1冊に収録しています。理論を分かりやすくする、仕掛け図や釣り方イラストも豊富に掲載。東京湾、相模湾、千葉外房、駿河湾での四季折々の釣りものに、関西で圧倒的な人気を誇る大阪湾のテンヤタチウオの釣りも加え、掲載魚種は、タチウオ、カワハギ、ヒラメ、マダイ、アジ、イシモチ、メバル、マゴチ、アマダイ、アオリイカ、マダコ、ショウサイフグ、キンメダイの13種。ビギナーには分かりやすく、ベテランにも目からウロコの上達のヒント満載で、海釣りの楽しさを知りたい、深めたいすべての人に見逃せない1冊です。
納竿する前にアカムツへ転進
船を数分走らせて水深250~300mの深場に移動した。アカムツはノドグロの呼び名で知られる高級魚。アマダイに並ぶ駿河湾の人気ターゲットだ。仕掛けのレイアウトが若干異なるものの、アマダイのタックルをそのまま使えるのでリレー釣りが可能。鈴木さんはエサをホタルイカに切り替えた。底ベタのアマダイに対してアカムツは底から少し浮いている。オモリの着底を確認したら、仕掛け全長プラス2mほど巻き上げてアタリを待つ。アカムツは周年釣れる魚で産卵で浅場に入ってくる夏に数が望めるのだが、やはり冬が特に美味いらしい。
最初の流しで小さなアタリを捉えた鈴木さんは、ゆっくり聞き上げたところで重みを感じて慎重に仕掛けを巻き上げる。アカムツは口周りが弱くてハリ穴が広がりやすいので高速巻き上げは避けたい。それでいて最後まで抵抗するので心臓に悪い。そして垂涎のアカムツが海面に姿を現わしたところで素早く取り込んで満足の納竿とした。
今後もアマダイが釣れ続く間はアマダイ五目で出船するとのこと。ぜひ高級食材を求めて駿河湾に足を運んでいただきたい。
鈴木さんが中型ながらも価値あるアカムツをゲット。アマダイ以上に数が望めないレアな魚だけにうれしい釣果だ
アカムツ場も岸から近い。この距離で水深は300mに達する
垂涎のアカムツ。海のルビーといわれる赤い魚体には上品な脂が乗り、極上の美味とされる
千秋丸(℡090・9026・0900)は折戸マリーナに係留する乗合船。アマダイ五目はエサと氷付きで1万円。女性と小学生は1000円割引。タックルのレンタルあり。アカムツ釣りは常時受付
フィッシング遊静岡池田店
住所=静岡県静岡市駿河区池田808-1
営業時間=日~木:10~20時、金土祝前日:10~21時
問合先=℡054・655・1120
住所=静岡県静岡市駿河区池田808-1
営業時間=日~木:10~20時、金土祝前日:10~21時
問合先=℡054・655・1120
交通●東名高速道路・静岡ICを出て左折。R150を清水港方面に北上し、駒越東町交差点を右折。折戸4丁目交差点を左折して折戸マリーナへ
レポート◎伊藤 巧
昭和44年生まれ。愛知県在住。美味い魚を求めて東奔西走。クロダイのカカリ釣りとアオリイカのヤエン釣り、ビワマスのレイクトローリングが大好き。今年はサーフの尺アジ釣りに燃える予定。下手釣り集団チーム白馬車&江戸前なめろう隊所属
この記事はつり人2019年4月号でも読むことができます