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編集部2024年12月19日

釣具屋店員が東京湾ビッグベイトシーバス釣行に行ってきました

シーバス-海 全国おすすめ釣り場 東京

シーバス釣りが大好きでビッグベイトの釣りも大好きな私にとって、この号が発売される頃はたまらないシーズンである。沿岸部や河川内にコノシロの群れが入ることで大型ベイトをねらうデカいシーバスたちの意識が水面付近に向くからだ。

シーバス釣りが大好きでビッグベイトの釣りも大好きな私にとって、この号が発売される頃はたまらないシーズンである。沿岸部や河川内にコノシロの群れが入ることで大型ベイトをねらうデカいシーバスたちの意識が水面付近に向くからだ。

写真◎編集部 文◎林悠一

林悠一 サンスイ渋谷店Part1 勤務。アジング・メバリングといったライトゲームからシーバス、ジギング、ビッグゲームまでソルトゲーム全般に精通。アユルアーのほかエリアトラウトなどのフレッシュウォーターの釣りも得意。

ビッグベイト私論

一年で一番盛り上がりをみせるシーバスハイシーズンが秋だ。その中でもボートシーバスという選択肢で賑わうビッグベイトゲームを紹介したい。

ビッグベイトと聞くと「何cmからビッグベイトなのか」と疑問に思うかもしれないが、「16cm以上」と言う人もいれば「20cm以上」と言う人もいて、意見はバラバラである。そこに定義はなく、使っている人が大きいと思えばそれはビッグベイトだと思う。まあ、これもバラバラの意見のひとつだが。

ビッグベイトは大きければよいわけでもなく、小さければ釣れやすいわけでもない。

私はシーバス釣りこそパターンフィッシングだと思っているので、小さなベイトフィッシュに執着して捕食しているシーバスはビッグベイトには見向きもしなかったり、逆に大きいベイトに執着していればビッグベイトが俄然有利になると考えている。

ビッグベイトルアーが有利になる条件のベイトフィッシュはおもにコノシロやボラだ。東京湾は秋シーズンに入るとコノシロが運河や河口、干潟と至る所に回遊してきて大型のシーバスがよく釣れるようになる。それがいわゆるコノシロパターンだ。

オカッパリやウエーディングゲームでも、このコノシロパターンを楽しむことはできるが、ボートなら手軽にビッグベイトを使ったコノシロパターンの釣りを楽しむことができるので、秋シーズンは各地のチャーター船が大きな盛り上がりをみせる。

シーバス

 

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ルアーは大きく2種類

ビッグベイトシーバスのルアーは大きく分けてトップウォーターとスイムベイト系の2パターン。

シーバスは1cmでも水中にルアーが潜れば極端に反応が変わる魚。ルアー自体のパワーが強いビッグベイトは、深いポジションにいるシーバスを浮かせて食わすパワーがある。そのため極端にルアーを潜らす必要はなく、トップウォーターか水面30cmくらいまでを引いてこれるルアーがあれば充分だ。

ルアーの潜航深度より動きや波動のほうが重要で、トップウォーターでペンシルベイトを使う際もスケーティング幅で釣果が変わる。

ペンシルベイトでも細かく首振りをするのが得意なモデルと、大きくスライドするロングスケーティングが得意なモデルもある。

ジョイント系のスイムベイトも細かいS字軌道のものもあれば、ワイドに動くモデルもあり、それらを使い分けることで釣果に差がつくことも多い。

同じルアーでもフックのサイズや重さを変えたり、チューニングシンカー等を使うと動きがガラッと変わったりすることから、一括りにビッグベイトといっても奥が深い釣りである。

 

メガドッグ

海面にスプラッシュを立てながら、右へ左へスライドするメガドッグ220(サンスイ120 周年オリジナルカラー)

 

ペンシル

ラインを張り過ぎず、スラックを作ってジャークすることでペンシルベイトがきれいにスライドする

 

ただ巻き、ビッグベイト

ただ巻きによるS 字軌道の途中で、ハンドルを一回転勢いよく巻いてからハンドルをピタっと止めたときにスライドする

 

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マッチするタックルとは

タックルは投げるビッグベイトのサイズにもよるが、専用の物やブラックバス用のMH〜XHパワーで6〜7ftクラスのベイトキャスティングタックルが合う。ペンシルベイトなどの操作には6ft前半のモデルが使いやすい。

ラインはPE3号以上。この釣りは細くしてもそこまでメリットがないため、4~5号が一般的だ。ベイトキャスティングリールはこの太さのPEラインが100mほど入るイト巻き量のものが理想的。ボートは基本、風にまかせたドテラ流しのため風下に向かってキャストをする。ボートが風に押されてルアーに近寄っていくのでペンシル、スイムベイトともにギア比が高いモデルのほうがルアーを動かしやすい。

スピニングリールタックルでも可能だが、ビッグベイトが背負えるロッドやイト巻き量が多いリールは、大型の物が多くなり選択肢も少なくなる。

ペンシルベイトなどの操作性を重視するトップウォータールアーはPEラインのほうが扱いやすいが、S字系などのスイムベイトがメインの場合は、よりナチュラルなリーリングジャークがしやすいのでナイロンライン25〜30Lbもオススメだ。トップウォーターとスイムベイト系をどちらも使うのであればPEラインを使うのが無難。

ルアーを交換する際の手返しやルアーの動きをよくし、リーダーの長さを保持するために使うルアースナップにもこだわりたい。通常のスナップでもいいが、ビッグベイトの釣りは着水時の衝撃が強く、着水でスナップが開いてしまいルアーをロストしてしまう可能性がある。そのため私は必ずクロスロック系の強いスナップを選ぶ。クロスロック系のスナップは衝撃への耐久性も強く開いてしまうことはほとんどない。ただ、硬く強いのでルアーチェンジの際は開閉しづらいがビッグベイトをロストするよりはマシという考えで使っている。サイズも大きすぎるとルアーの動きを鈍らせてしまうので程よいサイズ感で選びたい。

 

タックル

当日のタックル
左:ペンシルベイト用
●ロッド: シルバーストリーム60 ビッグペンシル(リップル
フィッシャー)
●リール:アンタレスDCMD XG(シマノ)
●ライン: キャスティングPE SMP 4 号(バリバス)
●ショックリーダー: オーシャンレコードショックリーダー60Lb(バリバス)
ロープロファイル型のアンタレスDCMD はリール自体の高さが低くパーミングしやすいためペンシルのような操作性が求められるルアーに向いている


右:スイムベイト用
●ロッド: ロードランナー ヴォイス ハードベイトスペシャルHB680XH(ノリーズ)
●リール: カルカッタコンクエスト 201XG(シマノ)
●ライン: キャスティングPE SMP4 号(バリバス)
●ショックリーダー: オーシャンレコードショックリーダー50Lb(バリバス)
丸型リールのカルカッタコンクエストは金属削り出しボディを採用しているので剛性があり、巻きのトルクがあるのでスイムベイトのような巻き抵抗のあるルアーに向いている

 

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厳しいなかで出した嬉しい一発

今回は私と同じサンスイ渋谷店パート1勤務の佐藤と伊藤の3人で出船。

お世話になったのは神奈川県東神奈川Dマリーナより出船の「シークロ」を利用。岡本慶一郎船長は東京湾のシーバスやクロダイを知り尽くした頼もしい船長で、私はシーバスやクロダイねらいのほかボートアジングやボートメバルでもお世話になっている。

撮影当日は10月上旬ということもあり、まだビッグベイトシーバスシーズンに入りきっていないがどうなるか。しかも佐藤と伊藤は初のビッグベイトシーバス。ベイトタックルでビッグベイトを投げるのも初めてだ。

早朝5時半に桟橋を離れ、まず目指したのはすぐ近くの鶴見川河口。船長いわく、数日前にチラホラとコノシロが入りだしたそうだが、目視と魚探で探すがコノシロの姿は見えない。それでも大型のベイトフィッシュを意識して回遊しているシーバスに期待してキャストを開始。

するとほんの数分で私のペンシルベイトにド派手なバイト。が、ルアーだけ吹っ飛ばされてフッキングには至らず。しばらくキャストをしたが、おかわりバイトは出なかったため、富津沖まで一気にポイント移動。

この頃には最初不慣れなキャストだった佐藤や伊藤もしっかりロングキャストができるようになっていた。

最初は敷居が高いように感じるベイトキャスティングリールだが、1、2時間ほど投げていれば案外慣れてしまうものだ。誰でも最初は投げられないのは一緒である。

富津沖に着いてベイト反応を探すものの、こちらもコノシロは不発。数日前まではコノシロがいたようだが、ちょうど群れが抜けてしまったタイミングだった。コノシロの群れに遭遇できれば、シーバスの群れの密度も濃く、水面はザワザワしてそれを取り囲む大型のシーバスの数釣りが楽しめる。

岡本船長はシーバスが回遊するポイントはエンジンを止めながら静かにゆっくり流していく。そして1発、2発とバイトが続き、佐藤と伊藤にもチェイスが数回あったのち、ようやく私がフックアップに成功。コノシロペンシルをフルキャストして数回ドッグウォークさせて止めた瞬間だった。遠くで水柱が上がるド派手なバイトであった。こんな渋い状況でも釣らせてくれる岡本船長はさすがである。

 

シーバス

コノシロの群れは抜けたタイミングだったが、シーバスはコノシロを意識していたのかもしれない

 

ヒラメ

残念ながらビッグベイト初挑戦でキャッチとはならなかったが、沖上がり間際に伊藤がビッグバッカーでソゲサイズながらヒラメをキャッチ。「この日初めてボトム付近を探ったらすぐ来ました(笑)」と伊藤

 

 

※このページは『つり人 2024年12月号』を再編集したものです。

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