<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=170559842213036&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
編集部2024年12月18日

秋の利根川を釣るコツ16選│ポジドライブガレージ 代表に話をきいた

シーバス-川 全国おすすめ釣り場 茨城

全国でも屈指の川幅で汽水域が広がる利根川下流部。高活性な大型シーバスが釣れ盛るハイシーズンに向けて「RED」こと中村祐介さんが攻略法を教えてくれた。

全国でも屈指の川幅で汽水域が広がる利根川下流部。高活性な大型シーバスが釣れ盛るハイシーズンに向けて「RED」こと中村祐介さんが攻略法を教えてくれた。

写真と文◎編集部

利根川攻略の16項目

シーバス

1朝・夕マヅメの時合

ベイトが豊富な利根川下流部は朝夕のマヅメ時にシーバスのエサとなるベイトフィッシュの移動が見られる。マヅメ時は気配のなかったエリアでも急激にシーバスの活性が高まり捕食モードになることが多々ある。もしマヅメの時間帯だけ釣りをするなら下げ潮が重なる潮回りをおすすめしたい。秋の利根川では小潮など小さな潮回りのほうがマヅメに下げ潮が絡むタイミングが多い。また水門が開いていれば流れが利いてボイルも多発しやすくなる。

 

2逆水門が開くタイミング

干満差の大きな大潮や後中潮は下げ五分くらいの時間帯に水門運転の放送が流れる。利根川本流の利根川河口堰(通称:逆水門)は女性の声でアナウンスされ、少し離れた下流部でも微かに水門開閉の放送が聞こえるはずだ。男性か女性の声か耳をすまして聞いて欲しい。

 

3河口堰の開く位置に注目

利根川河口堰(逆水門)は9枚と船舶用の閘門1枚で構成されている。水門の開いた時間帯は流れも強くシーバスの活性も上がりやすい。問題は開く位置で千葉側では1~2番、2~3番の水門が開いている時がチャンス。ルアーの届く距離で強い流れや反転流が発生する。茨城側は8~9番、9~10番の水門が開いている時がチャンス。ど真ん中の5~6番の水門が開いてもルアーは流れまで届かない。こういう場合は堰から離れた下流のほうがよい場面が多くなる。

 

4常陸川水門の放水も注目

利根川本流のすぐ北側を流れる常陸川は霞ヶ浦や北浦につながる。常陸川水門は日中にいつも閉まっているので動向を読みにくいと思っているアングラーは多いが、この数年はゲリラ豪雨等で雨量が増え水門を開閉することが多くなった印象。それもあってか、北浦や霞ヶ浦でのシーバス釣果もかなりの増加傾向にある。水門開閉時間は霞ヶ浦河川事務所のホームページを参照されたし。

 

5雨が降るとベイトは下流へ

まとまった雨が降り水位が上がると放水が始まる。流れ始めのタイミングでは水門から近いエリアでよく釣れるが長引くとベイトがしだいに下流に流されエリアが変わる。長雨の時は銚子市街地の付近や対岸の波崎港周辺で釣れやすい。

 

6単発ボイルをねらい撃て

深夜に同じ位置で出る単発ボイルは同じ位置に定位するシーバスが流れてくるベイトをねらっている。つまりルアーに反応しやすいボイルである。私はスウィングウォブラーやテーブルターンをするようなペンシルをよく使う。コツはアップストリームで投げること。居食いで流れてくるものを捕食するので下流から上流へダウンでリトリーブしてもよい反応は得られず、トップをゆっくりとアプローチしたい。

 

7ボイル連発でも食わない時は?

大量のベイトにバカバカと湧き上がるボイル祭り。テンションMAXと言いたいが、そうは問屋が卸さない。大量のベイトに対するボイルは前述の1尾をねらって捕食するバイトと違う。口を開けてベイトの濃い場所に突っ込むような捕食をするため、ルアーだけをねらって食うことはしない。少し下目のレンジでリアクションバイトを誘発させるのが効果的だ。具体的には10~20gのバイブレーションを速めのリトリーブかデジ巻きする。またはベイトサイズに近いワームの速巻きを試す。

 

8イナッコは表層系ルアークルメサヨリはペンシル系

通年河川内に多いのがイナッコ。秋は15cm前後のサイズがメインでルアーのサイズも合わせやすい。イナッコがメインベイトならルアーは表層系のルアーをチョイス。トップならモンスタースライダーやスウィングウォブラー125S、ウエイク系ならクロスウェイク、オーバージョー、スパンクウォーカーを使用。また、秋によく見かけるのがクルメサヨリ。スウィングウォブラーやバチパターンで使う120~130㎜のシンキングペンシルも実績が高い。

 

9イナッコの出勤と退勤場所

イナッコは薄暗くなると岸寄りに大群で押し寄せる。明るくなると沖に集団で移動し、この時間に合わせてシーバスが捕食するケースが毎日のように繰り返される。中でもイナッコが集まりやすいスポットを3つ挙げておく。

1つ目は農業用水や小さな河川。2つ目はドックと言われる規模の小さい舟溜まり。3つ目はアシ際。農業用水や小さな河川、ドック内は夜間にかなりの高密度でイナッコが密集し、シーバスのボイルも見られる。ただ、あまりに高密度ゆえルアーで釣るのは難しい。チャンスは夕マヅメ時のイナッコが入る時間帯と朝マヅメのイナッコが出ていく時間だ。なおドッグ内は釣りが禁止されている場所もあるので気を付けたい。アシ際は夜間にウエーディングでねらうとよい。

 

10イナッコが流されていく向きを読む

朝夕マヅメのイナッコが移動するタイミングでドックや小河川の出口で時合待ちをする場合は上げ下げの流れの向きに注意すること。たいていの場合イナッコの群れは流されながらシーバスに追われる。下げ潮ならば下流側に立ち位置を構えたほうが有利で上げ潮なら逆。そして潮止まりは本流の沖まで真っ直ぐにイナッコが出ていくこともある。

 

右岸左岸でパターンが変わる

利根川下流の川幅は日本有数の大きさである。橋の明暗を撃つ際もベイトの種類が位置によって変わり捕食レンジやスピードも変わる。だから全く違うポイントになると考えてもよい。ウエーディング時に手前のベイトがイナッコでも、潮が引いてより沖まで立ち込むと流心のベイトがサヨリに変わっていることはよくある。岸際と沖でベイトが異なれば当然ルアーのチョイスも変わってくる。

 

12風を味方につける

利根川の下流付近は太平洋へ少し突き出したような地形で、茨城側はあまり遮蔽物がなく北~北西の風はもろに当たる。風車が大量に設置されていることからも分かるように基本は風の強いエリアである。ベタ凪の日もあるが水面が鏡のような日はルアーも見切られやすい。ましてや満月でベタ凪の日は特に食いが渋くなる。やり辛くとも向かい風のほうがベイトもシャローに寄って釣れやすくなる。極端な向かい風であれば対岸のポイントを探すとよい。

 

13トップウォータールアーはゆっくりと操作

利根川では初夏から晩秋あたりまでトップウォーターを使う場面が多々ある。誤爆(食い損ね)の多いルアーではあるもののシーバスの反応がよく見える。誤爆を防ぐためには極力ゆっくり操作を行なう。早いとルアーの出す引き波にバイトしてしまう。また早アワセは禁物。シーバスがバイトしたと感じたらラインスラックを回収し、シーバスの重さを感じてからフッキングしよう。

 

14ミノーやシンペンは食う間を作る

ナイトゲームではルアーの棒引きが基本だ。食い気が立って高活性なシーバスは棒引きでも釣れるが、低活性な時間帯はルアーを追ってもUターンして戻ってしまう魚も少なくない。そこで試して欲しいのがルアーがターンするタイミングで一瞬だけリトリーブ速度を緩めるかストップを入れる。明暗撃ちの際も暗部に入る瞬間にスピード変化を付ける、リトリーブを止めてレンジ変化をさせるのもバイトを誘うテクニックである。

 

15ルアーの音を意識する

過去にNHK特集で放送された四万十川の番組をご存じだろうか?群れなしたシーバスの水中での捕食映像が流れるのだが、シーバスが口を開けてベイトを捕食するたびに「コンッ」と独特な音が水中に響き渡る。この音でシーバスの捕食スイッチがオンになると仮定すると面白い。ラトルのようにガラガラとひたすら音を出すのではなく、この捕食音に近い音の出るルアーがあればと思う。それはさておき音の出るルアーは濁りが強い時や波の高い日、雨が水面を打ち付けるような日に効果がある。ラトル入りルアーも使い分けをすれば釣果に差が出るので試して欲しい。

 

16ドリフトとスウィング

ルアーへの追いが悪い日はシーバスが1ヵ所に定位して流れてくるものだけ居食いしている可能性がある。こういう時に有効なのがドリフトとスウィングである。ドリフトはアップでキャスト後イトフケを取る程度でリーリング。流れにルアーを乗せて同調させるように操作する。上流から下流へレーンを外さないよう真っ直ぐに流すのがコツ。一方でスウィングは自分の正面へミドルキャストし、手早くイトフケを巻き取り、張った状態でリーリングせずにそのままダウンを扇状に探る。この時に軽くトゥイッチを入れるのも有効である。

 

 

ボイル

朝マヅメの名物であるイナッコの出勤。夜の間はドック内に入っていた魚が明るくなると同時に沖に出ていき、それを待ち構えていたかのような盛大なボイルが起きる。しかしこのような大量ボイルがあってもルアーには見向きもしない状況が多々ある

 

ルアー

中村さんの秋の主力ルアーはトップ系が「モアザンモンスタースライダー」、「スウィングウォブラー125S」、シャローランナーの「オーバージョー」、ウエイクベイトの「モアザンクロスウェイク」、シンペンは「ジグザグベイト100 S」、「パンチライン95」など

 

ADVERTISEMENT

「アンサーキャスティングPE ×16」 のメリットとデメリット 

釣具

ルアーは果てしない量があり選択肢もさまざま。マッチザベイト、捕食レンジに合わせるなどのパターンに合わせた指針みたいなモノがある。一方ラインはどうだろうか? おそらく目的や性能を理解したうえでチョイスしている人は少ない。スペックだけを見て選んではいないか?

現在メインラインとして一般的に使用されるPE は原糸を編み組み作製される。この編み組む機械を持つメーカーは数社しかない。この糸を自社で編み組む技術があるからこそ、私はGOSEN のラインを愛用している。

普段の釣りでは「ROOTS PE」の8本組みがメインだが、今回は「アンサーキャスティングPE×16」を使用した。16 本組みというなんだかえらく力の入った意欲作である。細い原糸を採用してギュウギュウの高密度で組み上げられたPE。どうもこの高密度で編み組むのが16 本組みのキモのようだ。

みなさんは高切れを経験したことがあるだろう。そう、キャストやアワセを入れた瞬間にいきなりラインが切れてしまう現象だ。その原因のほとんどはメインラインに入った傷である。橋脚や岩などにラインが当たって傷んでいる。それとは別に箱出しの新品でブツブツと高切れしてしまうような製品は編み組みが緩く作られているのが原因のひとつといわれる。16 本組みは時間とコストが掛かる高密度の編み組みをあえて採用することで、強度の弱い所から切断する高切れを防いでくれる。さらに高密度で組み上げるメリットは次の3つがある。

 


●表面が滑らかになることで飛距離が向上
●アタリ感度が鋭い
● 1 号の太さでも8 本組みの1.2 号に近い引張強度が出る

 

たとえば利根川や筑後川のような大河で流心を攻めたい場合には飛距離の勝負となるが、16 本組みの1 号(8 本組みの1.2号に近い強さ)を使用することにより、明らかに着水点が伸びて有利な展開になる。また感度が高いためラインスラックを出しながらのドリフト時のバイト、着水すぐのバイトでも手元までしっかりと伝わる。
一方デメリットもある。高密度に編み組むことで高切れは減少するが使用しているうちにラインが撚れてしまう。私の使用している限りではこのイト撚れによる強度低下やライントラブルは思ったほど起きていない。ただし軽いルアーよりは重いルアーのほうが相性はよいと感じる。特に大河川での遠投を中心とした釣りや磯でのヒラスズキゲームは非常に使いやすく信頼できる性能を発揮する。一方バチ抜けやアミパターン等の軽量ルアーを使用する時期は「ROOTS PE」の8 本組みを使うというぐあいにシーンに応じて2種のPE を使い分けると、より釣果アップが期待できると思う。

 

釣り

中村さんは「アンサーキャスティングPE ×16」の1号200 m巻きに「ROOTSFC LEADER」20 ポンドを組み合わせる

 

ADVERTISEMENT

残暑厳しい利根川で

私のホームである利根川下流部は初夏と秋が深まる頃に最盛期を迎える。概ね秋の盛期は9月末から10月初旬にスタートして12月中旬くらいまで続く。だが実際のところ今シーズンは夏を長く引きずっており、本稿を執筆するために利根川へ通ったものの釣果は酷い有様だった。

お盆以降はフレッシュなシーバスの群れが入らず、ちょくちょくロッドを振ってはいたが毎回同じ個体を相手にしているようでとにかく口を使わない。朝夕のベイトの移動時にボイルは出るものの、スレっからしのシーバスからバイトを取るのはかなり難しい。流れ込みの河口部やドックの出入口をメインに攻めるも、かするようなバイトがあるのみ。ボイルから推察されるサイズは40~60cmである。

連日叩きに叩かれたシーバスはもはやエリアトラウト状態。おまけに9月下旬は利根川水系上流部の宇都宮、桐生エリアで毎日のようにゲリラ豪雨が降って酷い濁りとゴミにも悩まされた。群れが入れ替わらないのであれば居着いたシーバスを釣らなければならない。そこで視点を変えて他のアングラーが叩かない場所をあえて叩く戦法に変えた。足もとから水没ブロックが張り出している護岸、捨て石が多く入った場所、蛇篭(玉ねぎネット=網の中に石が入った簡易ブロック)が敷き詰められたエリア、捨て杭が大量にあるエリアなど、大抵のアングラーが根掛かりを嫌って避けるポイントだ。かく言う私も根掛かりは避けたいので、ルアーはトップとウエイク系のシャローランナーを使用。

 

釣り場

取材日は中秋の名月となる9 月下旬の大潮回り。風もなくベタ凪というタフコンディションではあったがボイルが起きるスポットは点在していた

 

結果から言うと捨て杭が入ったエリアのマヅメ時にペンシルでうまくバイトを拾うことはできたものの、やはりサイズはフッコクラス。誰もルアーを投げようとしない場所の居着きは多少なりとも口を使うようである。当然ながら同じルアーを投げ続けるとスレてしまうようで、4~5投に1回は違うタイプのペンシルにチェンジして1尾をひねり出した。ペンシルの出方はあまりよくはなく、浅いバイトだったのだが、高感度な16本組PEを使用しているせいかアワセはしっかり入れることができた。

この記事が掲載される10月末には気温水温とも下がり、イナッコのほかサヨリも増えて複合ベイトのパターンになる。ルアーへのストライクゾーンも広くなり、フレッシュな群れも入っているはず。難しいことをしなくてもシーバスが釣れるようになる。80cmを超えるランカーもおそらくチラホラ上がっている頃。そんな最盛期に向けて時合の読み方からルアーセレクト、操作法まで16の攻略法を紹介した。

魚

取材のタイミングは気温が35℃まで上がった残暑厳しい9 月下旬。魚も入れ替わっていない川に何度か通ってキャッチした1尾

 

※このページは『つり人 2024年12月号』を再編集したものです。

おすすめ記事

記事検索

  • 検索フィールドが空なので、候補はありません。

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。