冬の終わりから春の始まりにかけては海の中が大きく変わろうとするタイミング。 産卵のため捕食のため岸寄りに集まるターゲットの数と種類が増える。 そしてこれから初夏にかけてますます身が美味しくなる魚もいる。 適度なキープで海の恵みを美味しくいただきます!
食いしん坊ルアーマンが実釣!実食!
レポート◎塩津 紀彦
こちらの記事は月刊『つり人』2021年6月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
冬の終わりから春の始まりにかけては海の中が大きく変わろうとするタイミング。 産卵のため捕食のため岸寄りに集まるターゲットの数と種類が増える。 そしてこれから初夏にかけてますます身が美味しくなる魚もいる。 適度なキープで海の恵みを美味しくいただきます!
レポート◎塩津 紀彦(しおつ・のりひこ)
茨城県在住。通称ハンター塩津と呼ばれる東北ロックフィッシュゲームのスペシャリスト。頭に巻いたタオルがトレードマーク。
目次
岩手県 大船渡沖のマダラを釣って食べる!釣る編 ◀◀◀前回の記事はコチラ
本日限りの幻の食材
マダラの身やキモを食すのならば旬と言われる真冬のシーズンよりも3月下旬以降のほうが断然オススメ。なお、マダラのキモが、「幻の食材」と呼ばれる理由は鮮度にある。キモは白子や鱈子に比べて日持ちせず、時間が経つと独特な臭みが出てしまうため市場に流通しない。まさに鮮度が命の釣り人の特権を代表する食材だ。
新鮮なマダラのキモは海のフォアグラと言われるアンコウのキモと肩を並べるほど濃厚でクリーミー。シンプルにポン酢で食べるのもアリだが、今回は最高の鮮度のマダラを使うのでさらに鮮度が重要となる刺し身にキモを乗せた握り寿司と、キモと身とアラの旨味成分をいっぱいに凝縮したスペシャル鍋を後輩の料理人に港で作ってもらった。新鮮極まりないタラ料理は空前絶後の旨さだった! なおこのタラは朝に釣った方から恵んでいただいた(感謝!)。
キモ乗せ握り
水っぽい身と鮮度が落ちやすいキモの寿司をいただけるのは釣り人だけの特権!
作り方
1.まだ小さめだが、これから夏にかけてどんどん大きくなるキモ。傷つけないように取り出す
2.ザルに乗せて血合いや汚れを洗い流し、アニサキスを殺すため沸騰したお湯で2分茹でる。氷水に浸けて粗熱を取ったらすり潰してペースト状にし、味噌を混ぜて日本酒少々を加え、アサツキを散らす
3.柵にした身の背身を刺し身に使用する。腹身はアニサキスがいることが多いので鍋に。鮮度が落ちると背身までアニサキスが移動するので注意
キモ醤油鍋
三陸の魚を三陸の醤油だけで味付け!
作り方
材料は厚めに切ったマダラの身とアラとキモ。そのほかの具材は豆腐、ネギ、ニンジン、ハクサイ、長ネギ。鍋に水を張り火にかけ、魚から出汁が出たら三陸の醤油「富士醤油」のみで味付け。出汁がしっかり効いて旨さ爆発だ!
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