アジングへの素朴な疑問に渡邉長士さんが答えてくれた
アジングへの素朴な疑問に渡邉長士さんが答えてくれた
この記事は『つり人 2022年1月号』に掲載したものを再編集しています
目次
解説◎渡邉長士
1981年生まれ。千葉県出身・在住。生まれ育った千葉の海をこよなく愛すアジングの達人。ソルトルアー全般やバスフィッシングなどにも明るいマルチアングラー。
Q1 有名なポイントに行ってもなかなか釣れません
A1 知名度や過去の実績ではなく、自力で「その日釣れる場所」を見極めましょう。
アジングの釣果の9割は場所選びで決まります。意識すべきことはふたつ。
①そこにアジがいるかどうか
②その日その時の諸条件に合ったエリアであるか
ということ。SNSなどの情報を鵜呑みにせず、自分で釣り場を選ぶ力を付けることが鍵です。
よくあるのは下のような投稿。
ありがちなSNSの情報に踊らされないようにしよう。よく見ると「先週」「外房某所」と、鮮度も具体性もない情報なのがわかる。
釣行前に確認したいのが当日の風向きです。極細ラインで軽量なリグを扱うアジングにとって、強風は天敵。個人的には、風速が7mを越えるような日は風表(正面~左右から風を受ける)は釣りにならなくなってしまうので避けます。
とはいえ、風裏のポイントであれば、たとえ風速10 mの日でも釣りができます。地図をよく見て行動しよう
Q2 釣れるのは満潮or干潮?時間帯はナイトがおすすめ?
A2 潮位に合わせて攻める場所を変え、できれば夕マヅメから釣りをしましょう。
干潮満潮どちらがよいかは一概に言えないので、それぞれのタイミングでねらうべき場所を知りましょう。
とくに注意すべきは干潮のタイミング。全体水深が浅い港では、船道など周囲よりも一段深く掘れた場所に魚が溜まります。また意外とねらいめなのが、漁港最奥にあるスロープ。厳密には、水中に続くスロープの切れ目にできたブレイク(落ち込み)です。
Q3 自分は釣れないのに、隣のアングラーはコンスタントに釣れています。なぜ?
A3 適切なレンジを引けていない可能性があります。
隣の人が釣れているなら、群れの規模や活性はさておき、アジがいる場所に入れていることは間違いありません。
そんな状況で最も釣果を左右するのは、ルアーの「レンジ(水深)」です。
ほかの魚種と違い、アジは水中を上下に動いてルアーを追ってくれません。つまり、アジの泳層を外してしまうと釣果がガクッと落ちてしまうのです。
とはいえ、いきなり「水深5mの中層2mを正確に引け」というのも簡単ではありません。まずは表層、もしくはボトムを起点とし、カウントダウンの秒数を1投ごとに変えてレンジを刻んでいきましょう。マヅメや夜など、アジの活性が上がりやすい時間帯は表層から、日中などはボトムから攻めると当たりレンジに早くたどり着けます。
Q4 バーサタイルなロッドを買いました!これでジグ単もキャロもできますよね?
A4 器用貧乏は危険!釣法に特化したモデルを購入しましょう
アジングでは、「その釣り(ルアーやリグ)に合ったロッドを使っているか」ということが釣果に大きく関わってきます。1本で何でもこなしたいと思って購入したいわゆる「バーサタイル」なロッドはある意味中途半端。
よって、ジグ単(ジグヘッド単体用)には高感度で操作性のよい短めのロッドを、キャロやフロートには遠投性に優れた長くパワーのあるロッドと、用途に合わせたロッドを2本購入することを強くおすすめします。遠投性能が求められない防波堤の釣りがメインなら、まずはジグ単用のみでいいでしょう。
Q5 エステルラインを使っているのですが、トラブルが多発します
A5 はじめのうちはフロロがおすすめです。
近年、ジグ単用のラインはエステルが主流になりました。エステルの強みはその圧倒的な硬さと伸びの少なさゆえ、ルアーの挙動やバイトなどをより明確に感じ取ること。
ですがこのエステルライン、少なくとも初心者の方にはおすすめできません。感度の面では有利になる素材の硬さですが、反面スプールへのなじみが悪く、飛距離も出ません。そして最大のデメリットである耐摩耗性の低さから、リーダーを組むことがマストになります。そのため、ノットを組むのが苦手な人にはフロロカーボンのリーダーがおすすめです。
初心者の方にオススメなのはフロロカーボンラインの1.5Lb 前後。エステルよりは軟らかく伸びがあるため扱いやすく、飛距離も出ます。1.8 という高比重で(エステルは1.4)伸びるわりには感度もいいです。風の強い日などは、空中でなびいてしまうエステルやPE よりもむしろ高感度です。耐摩耗性に優れたフロロはリーダーを組む必要もなく、ルアーに直結できます。
次のページではジグヘッドやルアーの選び方について紹介します
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