愛知県犬山市に農業用水灌漑池として、400年前に作られた入鹿池。池としては、日本で2番目の広さを誇る。
中部一のワカサギフィールド
レポート◎丸山剛
この記事は『つり人』2017年1月号に掲載したものを再編集しています。
宙層をねらって釣果アップ
愛知県犬山市に農業用水灌漑池として、400年前に作られた入鹿池。池としては、日本で2番目の広さを誇る。周囲16㎞、水位によって変動するが、水深は最深部で16mほどになる。湖畔には、中部の観光地として有名な「博物館明治村」があり、湖からその施設やレトロな電車が走るのが見える。 入鹿池のワカサギ釣りは、レンタルボートによる釣りになる。水を堰き止めている堰堤には8軒のレンタルボート店兼、茶屋が立ち並ぶ。もともと茶屋は桜のシーズンに賑わっていたそうだが、今では、ワカサギ釣りにも欠かせない店となっている。
ワカサギ釣りのシーズンは、10月中旬から3月末頃までになるが、この池は入鹿用水土地改良区の管理のために漁業権が設定されていない。そのため例年釣れる時期がシーズンとなっている。漁業権がないので、遊漁料もない。入鹿池のワカサギは天然繁殖とボート組合による卵、稚魚放流によって確保されている。例年魚の数は多く、当歳魚では平均サイズが7~10㎝で、年によっては、大型の2、3年魚が多く釣れる。ただし生育状態がよくない年は小型魚ばかりが釣れることもある。
入鹿池のワカサギ釣りタックルは、電動リールが便利。ハイシーズンでは水深10m以上の深場をねらうので、手返しの速さと、アタリの取りやすさで電動リールタックルに分がある。ラインはPE0.2号、穂先はボート釣りのため先調子で硬めが使いやすい。仕掛けは好みによるが、ハリは袖の1.5号で5~7本バリがベスト。オモリは手返しや穂先の硬さに合わせて、5~6gといった重めのものがよいだろう。オモリの下に下バリを付けるのも効果的だ。
エサは、ベニサシをメインに、シロサシを状況に応じて使い分けするのがよい。エサはハリ掛けしたのち半分にカットする。
釣り方は、底釣りがメインになる。タナは下バリが底切りになるようにオモリ位置を決める。誘いは穂先を上下に数回動かすように誘って、止めるを繰り返す。アタリがあまり出ないようなら、底からゆっくりと誘い上げるようにするとアタリが出ることがある。ボート釣りでは魚探があると釣果が伸びる。特に入鹿池では中層に群れが入ることがあり、その群れの層にタナを合わせることで釣果アップが期待できる。そのためには、底釣り用のタックルと、すぐに中層に持って行けるタックルの2刀流でねらうのがおすすめだ。
ボート釣りでは、アンカー打ちが基本となるが、隣のボートに接触しないようにアンカーを打つことと、他のボートのアンカーロープに仕掛けを引っ掛けないように注意したい。ライフジャケットを着用して、安全で楽しい入鹿池のボートワカサギを楽しんでほしい。
当歳魚が多いが、年によっては2~3年魚も混じる
プラスアルファの楽しみ 見晴らし茶屋(℡0568・67・0705)
入鹿池に来たらお昼は見晴らし茶屋で「菜めしでんがく定食」をいただくのがおすすめ。でんがくは犬山名物だ。そのほかご当地グルメ、名古屋メシといったら、エビフライ、手羽先、味噌カツにひつまぶしである。レンタルボートの茶屋でも食べられる。
●住所:愛知県犬山市堤下60
●交通:中央自動車道・小牧東ICを下りて信号を右折。
郷中新橋南交差点を左折して入鹿池沿いを走り、堰堤に入って奥に進むと見晴らし茶屋
●問合先:見晴茶屋(℡0568・67・0705)
2017/11/24