厳寒のワカサギ釣り場といえば、本州では岩手の岩洞湖が有名だが、北海道にはそんなフィールドがいくつもある。
日本トップクラスの厳寒釣り場
レポート◎小林 亮
この記事は『つり人』2017年1月号に掲載したものを再編集しています。
よく釣れ、良型、旨い!
厳寒のワカサギ釣り場といえば、本州では岩手の岩洞湖が有名だが、北海道にはそんなフィールドがいくつもある。その最たるものは〝日本最寒の地”として知られ、かつてマイナス41.2℃を記録した幌加内町の朱鞠内湖だが、おそらく次点は今回紹介させていただく糠平湖だろう。同湖は日本で一番寒い町とPRし、1月の平均最低気温がマイナス20℃を下回る陸別町から約20㎞の場所にあり、冬は同じくらいシバれるのだ……。その証拠に、釣り場をめざして早朝に湖岸の林のなかを歩いていると、樹木内の水分が凍結して幹が裂ける「パーン」と高く乾いた音を度々聞ける。この現象は気温がマイナス25℃程度になると起こるそうだ。
ワカサギ釣り場としては、よく釣れる、型がいい、食べて旨い。3拍子そろっている。タックルはポイントの水深が15~20mと深いので、近年主流の電動リールがマッチ。手返しのメリットを強く感じられる。ミチイトはタナが深いのでPE0.2~0.4号がよい。仕掛けは市販の1.5~2.5号。オモリは1~5g。エサはサシ、ベニサシ、ラビットなどがよい。基本的に探るのは底付近。釣り方は積極的に誘い、アワセはしっかり入れたほうがよい。
なお、同湖ではサクラマスも釣れるので、釣ったワカサギをエサにムーチングでねらうのも楽しい。サオは50~80㎝、強めのワカサギ用、またはルアーロッドなど。リールは小型スピニングなど。ミチイトはナイロン2号、ハリスはナイロン1.5~2号。ハリはマス12号など。オモリは両環3号程度。サオはオマツリなどのトラブルを防ぐべく、テントの外に穴を開け、鈴を付けて雪に刺して置きザオにしておくとよい。タナは底から3~5mにしている人が多い。
ポイントは主に三の沢、五の沢。いずれも湖の東岸を走るR273の駐車帯に車を停め、林のなかを15分ほど歩く。湖面に出て、テントの設営場所に自信がもてなければ、好調なポイントを示す『ひがし大雪自然ガイドセンター』の方が立ててくれた角材の近くが無難だ。勘を頼りにポイント開拓するのが好きな方は、魚探を用意するか、ひとまず仕掛けを落として反応をみたい。テントを張ってから反応がないことが判明しても、移動が億劫になり、結局釣れないポイントで粘ることになりやすい。なので、試し釣り用にガイドの大きいサオ、手巻きリールのタックルを持参するのも手だ。
あまりの寒さに樹木内の水分が凍結し、幹が裂ける“凍裂”した木々を見ることができる
プラスアルファの楽しみ きのこ岩
湖が減水した際に立ち木が氷を突き割ってできる。きのこのように見えることからこの名前がついた。
糠平温泉湯元館(℡01564・4・2121)
源泉掛け流しの天然温泉。氷上で冷え切った身体が芯まで温まる。露天の雪見風呂が最高に気持ちいい。宿泊ももちろんOK。
●営業時間:日帰り入浴=10時~19時
●住所:北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷
2017/11/24