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編集部2023年3月28日

「BOXに入れてるけど釣ったことがないクランク」をいちばん熱く語ったやつが勝ち選手権!

ブラックバス Basser バス釣り

どんなアングラーのBOXにも、まだ釣ったことのないルアーが入っています。釣ったことが無くても「良いものは良い!」と堂々と語っていいのです!そんな勇気をお届けするために、4人の編集部員が立ち上がった!

【クランク特集連動】ポンコツ編集部シリーズ

まとめ◎Basser偏執部

 どんなアングラーのBOXにも、まだ釣ったことのないルアーが入っています。いま私(ウェブ担当アライ)のBOXを見たところ、入っていたクランクは43製品56個。うち34製品はまだ釣ったことがないルアーでした。

 そんなルアーについて語るとき、人はなぜだか遠慮がちになってしまうもの。

「こんな状況で効くはずなんだけど……」

「まだ育成枠でさ……」

「俺より詳しい人がいるから……」

 ですが私は言いたい。たとえまだバスを反応させられていなくても「良いものは良い!」と堂々と語っていいのです!!

 そんな勇気をお届けするために、4人の編集部員が立ち上がった!

 

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今回の語り部たち

エントリーNo.1 タニガワ/チッパワRB(ニシネルアーワークス)

トークテーマ:西根さんに褒められたい

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谷川駿介/1990年生まれ。千葉県在住。ホームは利根川水系。琵琶湖と桧原湖がアナザースカイの32歳。クランク、スピナベ、テキサス、ヘビキャロなど「オーソドックスな中間の釣り」が好み。釣り以外の趣味はカメラ、アメ車、筋トレ。

 

エントリーNo.2 クロハ/ティンバータイガー(ワーデンス)

トークテーマ:ティンバータイガーで釣りたい!

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黒羽宗俊/1989年茨城県生まれ、東京都在住。これまでクランクで釣ったバスのうち9割近くはディープタイニーNによるもの。リック・クランに会うのが人生の目標。

 

 

エントリーNo.3 アライ/KHS(ジョージャッカールアーズ)

トークテーマ:甘美なシミーフロート

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新井健/1988年生まれ。つり人社インターネット係。クランクを購入した後は、必ず「つや消しクリア」のタミヤカラースプレーでマットフィニッシュするのがルーティン。理由は水に馴染んで生命感が出るからだが「釣れる気になれる」以上の効果は実感できていない。

 

 

エントリーNo.4 ササキ/シャロースモーキンシャッド(スタンフォードルアーズ)

トークテーマ:すれ違い続けたシャロースモーキンシャッド

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佐々木徹/Basser編集長。1984年生まれ、広島県出身。一番好きなクランクベイトはビッグバド。2022年はスピナーベイトに捧げたので2023年はクランクに費やす予定。

 

エントリーNo.1 タニガワ/チッパワRB

トークテーマ:西根さんに褒められたい

chippawa

チッパワRB(ニシネルアーワークス)

 タニガワです。Basserの最新号を無事校了し、編集部軟禁生活からシャバに出られるぞ!と思った矢先、LINEグループに1件のメッセージが。送り主はオンライン担当のアライ先輩でした。

「釣ったことのないクランクについて語られよ」

 またワケワカランことを……。

 ということで、僕にとって「釣ったことないけどこれで釣りたい」的なクランクの筆頭はチッパワRB(ニシネルアーワークス)。ご存じ、ゴッドハンドこと西根博司さんが手がけたマスプロのクランクベイトです。

 チッパワの魅力はいくつもあるのですが、まずは投げやすいこと。ウエイトが15gあり、風が吹いてる状況でもバビュンと飛びます。で、この「飛ぶ」という性能は、飛距離だけではなくコントロール面で役に立つんです。

審査員コメント

ササキ:本当にソッチがシャバなのか?

アライ:チッパワはねぇ、ちょっと大きめのボディーで動きは大人しいのが個性なんだよ

 僕がそれを痛感したのが2018年のクランク特集号(2号連続でやったやつです)。H-1グランプリで活躍する萩野光康さんと横井丈史さんによる新利根川での実釣取材でした。

 松屋ボートから下流に流した横井さんはそのまま洲の野原へ。そして同エリアの一級ポイントである真珠棚へ入ります。ここで手に取ったのがチッパワでした。

 真珠棚を釣ったことがある人ならわかっていただけると思うのですが、風が吹いてる中で杭の側面に沿って正確にクランクをロングキャストするのってめちゃ難しいんです。

 軽いクランクだと流されて杭に巻き付いてしまったり、逆に離れすぎてしまったり……。そんなとき、チッパワなら狙ったところに正確に落とせて、理想のコースを引けるわけです。

 このチョイスが見事ハマり、横井さんは1200gのナイスサイズをキャッチ。取材後、秒速でチッパワを購入したことは言うまでもありません。

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Basser2018年12月号より。この記事はムック『H-1グランプリ完全読本』でも読むことができます

審査員コメント

アライ:納得!!

ササキ:オカッパリの護岸平行引きでも実感!

クロハ:僕も追加購入します!

 次にチッパワの実力を見せつけられたのは2021年。2月の津久井湖にて行われた「編集部クランクベイト縛り釣行」でした。

 2月にリザーバーでクランクオンリーという常軌を逸した企画だったわけですが、ハンタハンターの“制約と誓約”よろしく、あるいは呪術廻戦の“縛り”のように、厳しい条件を突き付けられたことで我々の釣りは研ぎ澄まされ、6人中3人がバスをキャッチするという神回となりました。

 その時に優勝したのが、この原稿を振ってきたアライさんでした。ルアーはチッパワDDブレード(ブレード付きのディープダイビングモデル)。

 バンク近くの2mレンジにワカサギの群れがみられることに着目したアライさんは、このレンジに入り、かつブレードによるベイトフィッシュちっくなアピールができると踏んだチッパワDDブレードをキャスト。

 1800gクラスをキャッチし、Mr.コールドウォーター・クランキングの名をほしいままにしたのです。

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Basser2021年5月号より

 ちなみにタニガワもキロアップのバスをキャッチしましたが、タイニーブリッツMRのキャロをボトムドラッギングという、ルールのぎりぎりを突いた釣りで無事ヒンシュクを買うことに成功しました。

審査員コメント

ササキ:ぎりぎりでルールの範囲内ではあったが、ヒトとしてはぎりぎりはみ出していた

アライ:あの時はそれほどロングキャストせずに、しかも巻き始めちょっとだから2mも潜ってなかったような? 

クロハ:クランクのキャロ、今度教えてほしいです! 

 で、チッパワの何がすごいかって、実はオリジナルのRB(シャローモデル)とDDのボディーが共通なんですよ。リップが違うものになっても、なんならブレードを付けてしまっても、しっかり泳ぐ。

 それだけチッパワのボディーそのものの設計が優れているということなんです。

 ここまでうんたらかんたら言いましたが、今僕がチッパワを投げるモチベーションは「西根さんに褒められたい」から。ユーザーとのコミュニケーションを大切にしている西根さんは、ツイッターに釣果を投稿すると必ず反応したり、コメントをくれたりするんです。

 開発者本人が目に見える形で釣果を喜び、祝ってくれる。これってメーカーとしてある意味究極のアフターサービスだと思うんです。ということで、今年はチッパワ童貞卒業を目指してクランク道に邁進します。

審査員コメント

ササキ:わかる!!

アライ:俺がニシネナマズで釣ったときもイイネ!してくれた!

クロハ:僕もほめられたい!

 

■参考:タニガワのクランキンタックル
ロッド:Basserロッド(2017年に限定発売した6ft4inのグラスコンポジット)
リール:17タトゥーラSV TW(ダイワ)
ライン:フロロ14Lb

■参考:タニガワのクランクBOX

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エントリーNo.02 クロハ/ティンバータイガー

トークテーマ:ティンバータイガーで釣りたい!

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ティンバータイガー(ワーデンス) 

 皆さんはティンバータイガーというクランクベイトを知っていますか?

 私が知ったのはつい最近で、Basserのクランク特集号のバックナンバー(201812月号)をめくっているときに、伊藤巧さんが紹介している記事で出会いました。

 ティンバータイガーはワーデンスというアメリカのメーカーから出ていたルアーで、リップの形と左右にせり出したボディーが特徴です。この形が、立木やレイダウンをスムーズに引っ掛からずかわしてくれます。しかし、バスのバイトもかわしてしまうんだとか……。

「何それ!可愛い!」と思ったのが購入に至った経緯です。

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審査員コメント

タニガワ:名前がもう優勝してるね

ササキ:名前が優勝だわ 

 ティンバータイガーについて調べてみると、ルアーデザインはスピードトラップ(ルーハージェンセン)を作ったトム・スィーワードによるものだということがわかりました。

 スピードトラップは「空力ボディー」と呼ばれる菱形ボディーが採用されていることで知られています。これは、飛行中は風を切り裂きよく飛んで、スイミング時は水の抵抗を受け流して軽い巻き心地で巻けるというもの。

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好評発売中のBasser2023年5月号p066、TheTackleBox店長の今井泰則さんにインタビューした「スピードトラップ最後の語り部(文=塚田智)」より

 塚本謙太郎さんや川村光大郎さん、桐山孝太郎さん、伊豫部健さんなど数多くのプロアングラーから支持されているルアーです。そんなルアーを生み出したトム・スィーワードが作ったティンバータイガー。きっと魚を釣るための魔力が潜んでいるに違いないと期待せずにはいられません。

審査員コメント

タニガワ:あれだな。釣ってないだけあって何も出てこないな。魔力とか言い始めちゃった(笑) 

アライ:あまりメディアに出てこないけど、使い込んでいる人は多いと見た! かわいいし

 ティンバータイガーにはDC1からDC16まで潜行深度ごとに全8モデルがラインナップされています。ちなみにDCとはdepth control(デプスコントロール)の略です。私が見つけて買ったのは(おそらく)DC-3というモデルで3/8oz、約3ft(90cm)潜るタイプ。

 亀山湖の猪川筋で使ってみたいなあとか、新利根川のシャローフラットで使ってみたいなあとか、印旛沼のアシやガマで使ってみたいなあとか、妄想ばかりが膨らんでおります。

 私はまだまだ発展途上のアングラーです。今年は、ティンバータイガーというクランクベイトを知る1年にしたいと思っています。

審査員コメント

タニガワ:極めて日本人ウケしなさそうな見た目がイイネ。PTクルーザー(クライスラー)みたい 

ササキ:ってことはDC1は30cm? 気になる!!

 

■参考:クロハのクランキンタックル
ロッド:ロードランナーハードベイトスペシャル630L(ノリーズ)
リール:SLX(シマノ)
ライン:フロロ12Lb

■参考:クロハのクランクBOX

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エントリーNo.3 アライ/KHS

トークテーマ:甘美なシミーフロート

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KHS(ジョージャッカールアーズ)  

 これねジョージャッカールアーズの「KHS」というフラットサイドクランクです。

 ジョージャッカールアーズは米国のルアービルダーのロブ・コクラン(Rob Cochran)が製作するハンドメイドクランクのブランド。

「リトルPT」など知る人ぞ知るテネシー州のローカルベイトを手がけていたソニー・マクファーランドの弟子、と紹介されることが多いロブ・コクランの名前は、バスマスターのウェブサイトにバーニー・シュルツが寄稿した「The crankbait culture」と題するコラム記事にも登場します。

 バーニーは「オンライン上にはハンドメイドクランクのファンによるフォーラムが数多く存在するが、どのフォーラムでも優れたビルダーとして言及される人物」のひとりとしてロブの名前を挙げています。

審査員コメント

タニガワ:いきなりウンチク濃度高め!

 さてこの「KHS」。フラットサイドに似合わず引き抵抗が意外と大きく、しっかりと水を押しているのがわかります。肉厚で浮力が強く、ウォブルもしっかり入る性格で、LC1.5ほどではないにしろそれに近い巻き感があります。

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 しかも、リトリーブを止めるとやや後方へスライドしながらボディーを揺らして浮き上がるシミーフロートアクションが出せるのです。

審査員コメント

ササキ:キックバックする…ってコト!?

 シミーフロート……なんて甘美な響き……。あれはいつのことだったか……。

 ある日、私はいつものように牛久沼でテキサスをフリップしていたのですが、その日は一向にバイトを得られず。意気消沈しながら桟橋に戻ると、衝撃的な釣果を聞かされることになりました。

 私が20cm刻みで撃ったアシのストレッチ。たまやボートのとある常連さんは、クランクベイトをアシ際にキャストしてからのウキウキパターンで釣ったというのです。

 私は自分の未熟さを思い知り……、クランクベイトのウキウキパターンを覚えようと決心したのでした。


 そこでKHSのシミーフロートですよ。

 アフターの時期、バスは縦ストラクチャーに寄り添って浮くと言いますが、牛久沼ではアシの沖側にパラパラとまばらに生えているガマがそれにあたります。

 牛久沼でアフターのバスがこういったポジションに浮くのは決まって晴天無風の状況下ですから、ワームを撃とうと不用意にエレキで接近すると速攻で逃げてしまう難易度の高さ。

 彼らに口を使わせるため、遠めからKHSをガマの横までゆっくり巻いてきて、ゆらゆら~っと浮き上がらせる。

 釣れないわけがないでしょうこんな。

審査員コメント

クロハ:釣れて…ないんですよね?

タニガワ:釣り人が最も得意なのは釣りじゃなくて妄想

 これだけ言っておいてアレですが、まだ釣れていないのには理由がありまして汗。

 実際に投げてみると、想像よりも潜行深度が深めに入り、牛久沼のバンク際だとボトムのゴミをリップで拾ってしまうことが多かったり。

 ガマってだいたい左右に葉っぱが広がって生えているのでクランクをタイトに通すのが難しかったり。

 簡単に買えないルアーなので、レンギョや捨て網スタックが怖くなってしまったり……。そんな理由が重なってあんまり投げなくなってしまったのです。

審査員コメント

タニガワ:ナイロン20Lbとかで潜行深度浅くしましょ

 ところで先日、この原稿を書くためにたまやオープン終了後の牛久沼で改めてスイムチェックをしていたところ、H-1グランプリに出場しているAさんとYさんが食いついてきました。ふたりは誰もが認めるクランクベイト手練れです。

 彼らはシミーフロートよりも浮上時に後方にスライドするキックバック能力に注目していました。

 ふたりの話を総合すると……。

・バンクを流す釣り方よりも、オダなどの沈みモノねらいで使いたい
・沈みモノにコンタクトしたら、リトリーブを止めてある程度浮上させてから巻くと、同じスポットをもう一度通すことができる
・浮上時はラインを張らず弛めずのテンションで送り出していくときれいに後ろ向きにスライドする
・関東のクランクベイト手練れたちは江戸物の「坊」で同じ釣りをしている

 釣れないわけがないでしょうこんな。

 牛久沼は8月後半から減水して冬水位となり、ちょい沖の杭やオダをねらう釣りが優勢になります。私は今からKHSのフックを交換して、秋のちょい沖攻勢に備えているところです。

※関連記事:エキスパートが選ぶ冬の巻き物/江戸物・石名智祐さんのタイニーフラットサイドクランク「坊」

審査員コメント

クロハ:釣れないわけがないでしょうこんな。がクセになります

ササキ:新利根川行けば今この釣りできるんでは……?

 

■参考:アライのクランキンタックル
ロッド:グラスコンポジット6ft8in ML(自作/ブランクはノースフォークコンポジットのHS2 CB703-1)
リール:21ジリオンSV TW1000P(ダイワ)+RCSB SV BOOST 1000Sスプール(SLPワークス)
ライン:フロロマイスター14~16Lb(シーガー)

■参考:アライのクランクBOX

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エントリーNo.04 ササキ/シャロースモーキンシャッド

トークテーマ:すれ違い続けたシャロースモーキンシャッド

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シャロースモーキンシャッド(スタンフォードルアーズ)  

 え!? シャロースモーキンシャッドで釣ったことないの?

 ビックリさせてごめんなさい。話を聞いてください。

 あれは僕が編集部に入ってから間もない2007年のころでした。当時バスフィッシングの知識が乏しかった僕はBasserのバックナンバーを読み漁る毎日を送っていました。

 そのなかで胸に残ったのが2003年のオールスタークラシック。深江真一さんがテネシィータフィーで勝ち(アイチューンを崩して係留船の下にクランクを入れ込むテクを駆使)、清水盛三さんがシャロースモーキンシャッドで4位入賞したあの試合です。

審査員コメント

アライ:佐原の水路でテネシータフィー!

 ウッドのフラットサイド、なんかかっこいい……。そう思った僕はギル神田店でシャロースモーキンシャッドを購入。リップに「SCS」とマジックで書いてありました。しかも印旛沼で投げるとすぐ釣れたんですよ。

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「釣ったことがない」がテーマなのにすぐ釣れとるやんけ! と思ったあなた。違うんです。後日、スモーキンで釣れましたよと会社で先輩に報告したときのことです。

「これはシャロースモーキンじゃない!」

「ルアーの名前を間違えるなんてとんでもない」というつり人社式指導・鞭撻をいただき(ガチで怒られました)、このルアーが「シャローシダーシャッド」であることが判明。冷静に考えるとシャロースモーキンなら「SSS」ですよね……。

審査員コメント

タニガワ:ベビシャ持ってなかったボクに「この仕事辞めるか今すぐ買うか選べ」と恫喝したアナタも相当ですよね?

 そんな経緯でしたが、このシャローシダーシャッドはこのあと15年以上にわたり大活躍することになります。

 スタンフォード社のクランクは比重の大きいシダーウッドで作られていて、バルサ製のクランクより大幅にキャストしやすいんです。そしてこのシャローシダーシャッド、アクションがかなりタイト&ハイピッチで、ほかのクランクだと釣れにくいクリアアップしたときによく釣れます。

 リザーバーや桧原湖の中層高速引きでかなりいい思いをしてきました。真夏の水温31℃の三島ダムではこのクランクばかりにバイトが集中した麗しき思い出も。気付けば間違えて買ったシャローシダーシャッドに愛がつのっていました。オレのなかでスタンフォードといえば君だからな……。

 仕事柄、「名品」と言われているクランクは必ず購入してきた僕ですが、SSSだけはSCSに悪い気がして手を出しませんでした。ということで、シャロースモーキンシャッドは15年前にすれ違った、もしかしたら恋人になっていたかもしれないクランクとして、頭の片隅で気になりつつも隣にはいない、そんな存在だったのです。

審査員コメント

タニガワ:単に手に入らなかっただけでは…

アライ:なんだろう、「釣ったことないルアー」の紹介でこんなロマンチック名文生み出すのやめてもらっていいですか?

 しかし2023年に転機が訪れます。

 あまりに長くなるので詳細は省略しますが、僕は今年「スローリトリーブへの回帰」をテーマに釣りをしています。そんななか、2023年3月末発売のBasser(クランク特集)で、伊藤巧さんに「シャロースモーキンシャッドのデッドスロー引きが必殺技」というテーマで取材させてもらったことがきっかけで、やはりシャロースモーキンを持っていないのはマズイという脳内会議の結論が出ました。

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好評発売中のBasser2023年5月号p060「伊藤巧の必殺技 フラットサイドクランクのデッドスロー引き」より

 タイトなシャローシダーシャッドに対し、シャロースモーキンシャッドはバタバタ系。デッドスローでしっかり動いてくれるんです(詳細はBasserを読んでいただければ幸いです)。

 合わせるリールはとっておきのカルカッタコンクエスト50。きっと、おそらく、いや、絶対、今年僕はシャロースモーキンシャッドで釣りまくってしまうでしょう……。

 どうなる愛の行方。顛末は追ってお伝えしたいと思います……。

審査員コメント

クロハ:愛の行方を見守ろうと思います。

アライ:気になりすぎる……とりまBasser読みますわ……

タニガワ:浮気してもロクなことならんすよ

 

■参考:ササキのクランキンタックル
ロッド:エッジEVC-602(パームス)
リール:カルカッタコンクエストBFS(シマノ)
ライン:フロロ12Lb

■参考:ササキのクランク他いろいろBOX

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まとめ 

 

いかがでしたか?

 

 編集部内の投票の結果、「BOXに入れてるけど釣ったことがないクランクをいちばん熱く語ったやつが勝ち選手権」は編集長のササキが優勝となりました。

 釣ったことのないルアーをこれほど堂々と語れるあたり、Basser編集部員口先だけ疑惑が流布されてしまうのも覚悟しなければいけませんね。

 しかし、編集部がルアーやテクニックを取材するのは、もちろん実際に釣り込んでいる手練れたちです。好評発売中のクランクベイト特集号もそうしてつくられた一冊。ぜひ信頼のおけるクランクマスターたちの言葉を読んでください。

 


 

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