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編集部2023年1月13日

新春! 編集部内「ラトリンログうんちく王」選手権

ブラックバス Basser バス釣り

「ラトリンログ」シリーズは、外見からタックル・操作法まで語りたくなる要素がいっぱい。Basser編集部内で「ラトリンログうんちく王」選手権が勃発。なぜ釣りで勝負しないのか……。

釣りではなくうんちくで勝負……。なぜ……?

まとめ◎Basser偏執部

 1950年代のデビューから現在まで、あまたのバスとアングラーを魅了し続けるジャークベイトの雄、スミスウィック「ラトリンログ」シリーズ。

 多くのトーナメントでウイニングルアーになっている実力もさることながら、外見からタックル・操作法まで語りたくなる要素がいっぱいなところも愛される理由のひとつ。

 というわけで、Basser編集部内で「ラトリンログうんちく王」選手権が勃発。ルールは簡単、ログについてのうんちくをいちばん多く語れた部員の勝ち!

 なぜ釣りで勝負しないのか……。ログならだれでも釣れちゃうからね……。

 

◆関連記事

バス釣り用ルアー使い方&タックル解説 ジャークベイト編 適したタックルは? 使い方は? >>

ラトリンログについて

  それではこの後、Basser編集部員たちが一人ずつラトリンログについて語っていきますが、彼らの語りが読んでくださる皆様のお役に立つかどうかわからないので、まずはラトリンログについての基礎情報と、Basserのバックナンバーに登場したログ使いたちのタックルをまとめて紹介します。

ラトリンログ

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 現在は米プラドコ傘下のルアーブランドになっているスミスウィック社から発売されているジャークベイトシリーズ。初登場は1950年代。日本ではスミスが輸入販売を手掛けている。詳しくはスミスのカタログページにてスミスウィック社の歴史とともに紹介されているのでそちらを参照してください。

 ここではラトリンログシリーズの主なラインナップを紹介します。

フローティング ラトリンログ(ARB1200):ハイフロートで短いリップを備えた代表的モデル。11cmサイズ。潜行深度は0-2ft。

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ディープランニング フローティング ラトリンログ(ADRB1200):上記と同じボディーサイズで、少し長いリップのフローティングモデル。11cmサイズ。潜行深度は0-4ft。

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サスペンディング ラトリンログ(ASDRB1200):上記ADRB1200と同じボディーとリップを備え、サスペンド化したモデル。サスペンドと言いつつ、実際はスローフローティング。冬の霞ヶ浦でよく使わるのはこれ。11cmサイズ。潜行深度は0-6ft。

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エリート8ログ(ADR4):11cmサイズのサスペンドタイプで、長いリップによって8ftまで潜行可能にしたモデル。がまかつのフックが標準装備なのがうれしい。

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パーフェクト10ログ(ADR5):13cmのボディーの通称「デカログ」サイズのボディーでサスペンド。長いリップを備え10ft以上潜行するモデル。

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サスペンディング ラトリンログ(ASDRC1200)が限定復刻

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 デカログサイズのサスペンディングタイプ。2023年1月、スミスリミテッドカラーで限定復刻!!

 カラーは定番のクラウンのほか、視認性抜群のピンクやチャートのストライプ、ナチュラル系のワカサギなど全6色。

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スミス

 

 

ログ使いたちのタックル例(Basserバックナンバーより)

2021年6月号より、横井丈史さんのラトリンログ(主にASDRB1200)用、冬の霞ヶ浦メインタックル

※石積にコンタクトさせながらジャーク&ポーズ

ロッド:自作の6ft3in、Mパワー(ジャストエースGLI671Mをカット)

リール:09アルデバランMg7(ギア比7:1、シマノ)

ライン:アプロードGT-Rウルトラ20Lb(ナイロン、サンヨーナイロン)

 

2021年6月号より、玉置証さんのディープサスペンディングラトリンログ(ASSRB1200)用、津風呂湖タックル

※プリスポーンのメスがサスペンドする春先に、リップにオモリを貼ってスローシンキング化したロングビルタイプのディープサスペンディングラトリンログをボトムでシェイクする

ロッド:ホーネットスティンガープラスHSPC-671MH MGS(6ft7in、アブ・ガルシア)

リール:レボSX(ギア比6.6:1、アブ・ガルシア)

ライン:バニッシュレボリューション14Lbまたはトライリーン(フロロ、バークレイ)

 

2018年1月号より、平川皓也さんのサスペンディングラトリンログ(ASDRB1200)用、低水温期のタックル

※ラインスラックをツンツンと張るだけの弱いロッド操作で、ログ特有の下方向の水押しを出して中層へ食い上げさせる

ロッド:エアエッジ661M/MLB・E(6ft6in、ダイワ)

リール:ジリオンSVTW1016SV(ギア比5.5:1、ダイワ)

ライン:ジャストロン5号(20Lb,ナイロン)、ダム湖などで深く潜らせたいときはフロロカーボンのモンスターブレイブZ14Lb(どちらもダイワ)

 

2017年7月号より、川口直人さんのラトリンログを含むジャークベイト全般用タックル

ロッド:スティーズ・スペクターSTZ651MMHRB(6ft5in、ダイワ)

リール:スティーズSVTW1016SV-H(ギア比6.3:1、ダイワ)

ライン:スティーズフロロTypeモンスター12Lb(フロロ、ダイワ)

 

2017年7月号より、櫻井亮さんのデカログ(ARC1200)用タックル

※H-1グランプリ新利根川戦のウイニングタックル。詳細はササキのうんちくへ

ロッド:オーバーハングP-55(5ft5in、テーパーデザイン)

リール:09アルデバランMg7(ギア比7:1、シマノ)

ライン:シューター・デファイアー・アルミーロ22Lb(ナイロン、サンライン)

 

2017年7月号より、丸林尚徳(まるりん)さんのラトリンログ(主にARB1200)用タックル

ロッド:グラフェックスGXC561M(5ft6in、クァンタム)

リール:SS SV103SH(ギア比7.1:1、ダイワ)

ライン:シルバースレッド アンブッシュ20Lb(ナイロン、ユニチカ)

 

 それではここからラトリンログうんちく合戦が始まります。ご笑覧ください。

 

こちらの書籍も要チェック!


イカレた挑戦者を紹介するぜ

エントリーNo.1 クロハ

トークテーマ:「ジャーキングの世界にようこそ」

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黒羽宗俊/1989年生まれ。10年付き合った彼女との別れ、11年夢を追い続けたバンドの解散、コロナ禍の自暴自棄をバスフィッシングに救われて2021年につり人社の門を叩く。アメリカンルアーとコロラドブレードをこよなく愛する。

◆クロハの関連コラム:ウッド製トップウォーターの虜になった日/ノリーズ・ベジテーションシリーズ >>

 

エントリーNo.2 ササキ

トークテーマ:下方向に強く水を押す「サッカー選手のヘディング」

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佐々木徹/1984年生まれ。『Basser』編集長。他社ライバル誌のバックナンバーも全て自腹購入して所持しているだけでなく、Basserも毎月自分で買っている。どの号にどの記事が載っているかをすべて記憶している変態リビングライブラリであるため、バス釣りのうんちく語りには圧倒的アドバンテージ。

◆ササキの関連コラム:僕とドロイドの旅路。~銀河系の真理(T.D.ハイパークランク)にたどり着くまで~ >>

 

エントリーNo.3 タニガワ

トークテーマ:ログを投げる奴らは「ログで釣ったゼ」と言いたいだけ

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谷川駿介/1990年生まれ。伊藤巧さんの地元の後輩という立場を利用して2016年に鳴り物入りでつり人社に入社。その風貌とカバー撃ちを愛するスタイルからストロング系求道者か? と思いきや意外にもバイト中毒者であり、近年は野尻湖のキャロシャッドと渓流ルアーにハマっている。ロマンと釣果なら迷わず釣果を選ぶ、部内ではある意味最も現実主義者か?

◆タニガワの関連コラム:全バスアングラーに捧ぐ。 ベイトフィネスタックルで渓流ルアーにチャレンジだ! >>

 

エントリーNo.4 アライ

トークテーマ:水中で3つに分身させる「ジャコビニ流星ジャーク」

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新井健/1988年生まれ。つり人社インターネット係。年末はコミケに参加しているオタクであるため、何事も評論家気取りで見てしまいがち。そのうえ思い込みが激しめのため、妄想が加速しっぱなしでブレーキが利かない。ラトリンログは目がかわいいので大好きだというが、読者のためになるうんちくを語ることができるのか……?

◆アライの関連コラム:農薬を使わずにお米を作るのはどのくらい現実的なのか? >>

エントリーNo.01 クロハ 「ジャーキングの世界にようこそ」

 ラトリンログを初めて知ったのは10年くらい前。アメリカンルアーに興味を持ちはじめたタイミングです。ネットを必死こいて巡ってたどり着いたブログには「ラトリンログは5フィート6インチ〜6フィートのショートロッドでナイロン20Lbを使う」「ジャーキングして動かすことで下方向に水を押してアピールする」「ログを生かすも殺すもアングラー次第」ということが書いてあったように記憶しています。そのなかでも印象に残っているのが「ジャーキングの世界にようこそ」という言葉です。そんな世界があるだなんて……。

審査員コメント

タニガワ:そんな昔からカブレてたんかい

ササキ:わかる! オレもめっちゃ参考にしてた!

アライ:なぜだか脳内にかわいいゴールデンレトリバーが浮かんできたぞ……。

 

 当時(今もですが)、スピナーベイトやバズベイトのような巻いて動かすルアーが好きだった私にとって、ロッドワークで動かして釣るラトリンログはハードルが高いルアーのように思えました。と同時に、いつかラトリンログで釣ってみたい、ラトリンログで釣ったらイケてる。という憧れを抱くようになりました。そして試しに購入したラトリンログは「いつか釣るぞ枠」としてボックスの中で眠り続けていました。

審査員コメント

アライ:この状態の釣り人多そう。

タニガワ:同じく。

ササキ:オレも1尾釣る前に30個買ったよ。

 

 時は経ち2022年の7月、三島湖で初めて釣りをした日のこと。夏の雨。これはトップウォーター日和! と意気込みますが、水面には期待していたほどの気配はありませんでした。バズベイトやハネモノ、ビッグバドなどのコンフィデンスを持っていたルアー達が不発。スピナーベイトでレンジを下げてみてもノーバイト。

 もしかしてデコるのかな……と不安になっていたところ、同船していたBasser編集長の佐々木さんがブルシューターでバイトを出しました。「ギル型ルアーにはバイトが出るのか、でも持っていないぞどうしよう……」と投げるルアーを悩んでいると、

「魚が沈んでいるみたいだから、ジャークベイトとかいいんじゃない?」

とアドバイスをもらいました。言われるがまま、ボックスに入っていたラトリンログを引っ張り出して投げてみます。

 これは果たしてジャーキングと言えるのか? リズムや回数、ポーズの間など、何が正解なのかよく分からずに困惑。とりあえず何か基準となるリズムが欲しくて、頭の中でピクシーズの『Debaser』を流しながらロッドを動かしました。

 思い返せば、ピクシーズは10年付き合って別れた元カノが好きだったアメリカのロックバンドです。初場所で初めてのルアー、釣れないことによる不安と焦りが、思い出巡りを生み出していたのでしょう。

審査員コメント

ササキ:ゴメン、思い出させちゃって……。

アライ:ログにはピクシーズ……新情報だ……。

タニガワ:ボクの初恋の相手はポルノグラフィティ好きでした!

 

 ロッドを動かしてアクションさせると、ラトリンログが水中でギラギラとフラッシングするのが見えます。投げ続けること1時間。ロープ横の崩落に向かってラトリンログを投げ、水中の枝にルアーが差し掛かろうかというタイミングで、ギラギラが不自然な方向へと拐われました。

「こ、これは……!?」

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 小さな1尾でしたが、自分にとって新たな扉を開いたような気持ちがしました。そして、10年前に見ていたブログのことを思い出しました。

「ジャーキングの世界にようこそ」

審査員コメント

アライ:広がるログ信者の輪……。

タニガワ:まだたった1尾か……。(←釣ったことない)

ササキ:Welcome to Jungle.

 

クロハの成績:

1152文字

エントリーNo.02 ササキ 下方向に強く水を押す「サッカー選手のヘディング」

 ラトリンログ。少なくとも10年前は「やたらカッコいいレジェンド」的な存在だったように思います。田辺哲男さんがB.A.S.S.で外国人としてはじめて優勝したときのウイニングルアーが13cmのログでしたし、ケビン・バンダムがスピニングでフローティングのログを操り2005年のバスマスタークラシックを勝ったのも有名な話。けれど、ワンテンやビーフリーズなどの名品が出そろっている今、ログじゃなくてもいいのではないか……(飛ばないのに……)。そう勝手に思っていました。

審査員コメント

アライ:やはりログの逸話と言えば田辺さんとKVD。

タニガワ:“デカログ”は口ずさみたいルアー名筆頭。

クロハ:ログで勝つって格好良すぎです!

 

 その勘違いが覆されたのは2015年ごろ。真冬の霞ヶ浦でラトリンログによる釣果が相次いだのがキッカケでした。僕も何度も12月の霞ヶ浦に出撃し、同船者がログでビッグフィッシュを釣る衝撃のシーンに何度も出くわします。

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※同船者による釣果

 なぜログがよく釣れるのか? 研究の日々が幕を明けます。目指せ国際A級ログ使い!

 過去の文献を読んだりすると、キレのあるダートとかフラッシングが……という話がよく出てきましたが、「ログでなければならない理由」としてはあまりピンときませんでした。

 ジャーク時に左右に飛ぶようなキレキレのアクションを見せてくれるジャークベイトはほかにもたくさんありますし、当時の僕の目にはログのダートは「へにゃん!へにゃん!」っていう感じに映ってました。

審査員コメント

タニガワ:ここしばらく冬の霞ヶ浦で土浦出船のレンタルボートのログゲームが風物詩になってますね。横井さんとかめっちゃ釣ってる。

アライ:真冬のカスミならASDRB1200のほうだから、ARBのアクションとは違うからね……。

クロハ:ログゲームにチャレンジしたい!

 

 モヤモヤが晴れたのは2017年のことでした。プリスポーンのタイミングで開催されたH-1グランプリ初戦(@新利根川)に出場していた僕は、ソウルシャッドで朝から快調にバスをキャッチ。1890gで準優勝できました。いきなり自慢がはじまったと思ったあなた、違います。

 なんとこのときの優勝スコアは3780g。ダブルスコアやんけ! ウイナーの櫻井亮(MPBルアーズのビルダー)さんのメインルアーはラトリンログARC(全長13cmの通称デカログ)。この試合後、櫻井さんに「なぜログだったのか」とぶつけたところ衝撃のパンチラインが返ってきました。

「左右に跳ぶジャークベイトは人ごみをかきわけるサラリーマンの手刀。ログはサッカー選手のヘディング。僕のなかではそれくらい違うんですよ」

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※2017年7月号より

審査員コメント

クロハ:ログってヘディングだったんですね……。

アライ:この記事は50回くらい読み返した。

タニガワ:いや、この準優勝自慢、会社で100回はされてますけどwww

 

 どういうことか説明してもらいました。櫻井さんはデカログに板オモリを貼っていましたが、若干にとどめ、サスペンドではなくフローティングであることにこだわっていました。ヘッドアップ姿勢で浮くログをジャークすると、下方向に強く水を押し、バスをコールアップしてくれるからです。

 頭を上から振り下ろすようすを「ヘディング」と表現したのです。ヘディングするフローティングジャークとして、櫻井さんにとってログは唯一無二の存在だったのです。

 不思議なことに、この話を聞いてからログで急に釣れるようになりました。板オモリの貼り方や投げる場所は変わったからでしょう。それまで「へにゃん!へにゃん!」に見えていたアクションも、今はもうラーションのヘディングにしか見えなくなりました。そんな僕の今年の冬の目標はただひとつ。「デカログで50アップ」。これです。

審査員コメント

アライ:デカログと言えばスミスからASDRC(サスペンディングのほう)が出るみたい。

クロハ:日本で言うところのトゥーリオ? 秋田豊?

タニガワ:締め切りから逃避するように釣りに行くのはヤメてくださいね。

 

ササキの成績:

1208文字

エントリーNo.3 タニガワ ログを投げる奴らは「ログで釣ったゼ」と言いたいだけ

 タニガワです。僕がラトリンログと出会ったのはたしか15~16歳(2006年)くらいのころ。地元の先輩だった伊藤巧さんと近所の川で釣りをしていた時のことでした。

「これで田辺さんがッ! KVDがッッ!」的なことを口走りながら、キラキラした目でログをジャークしていたような気がします。

審査員コメント

アライ:いきなりタクイトーと仲良し自慢から始まったぞ……。

クロハ:10代のころからログに出会っていたなんて、おませさん!

ササキ:それをどんな目で見ていたの??

 

 ただ、今のように軽量ルアーのキャストがしやすいリールがなかった当時、とても進んで投げようと思うルアーではありませんでした。

 個人的にそれからしばらくは95~130㎜クラスのジャークベイトには縁がなく、これまでも数えるほどしかこの手のルアーでバスを釣ったことはありません(小型ミノーは大好き)。そんでもって、ログで釣ったバスはいまだゼロ。

 ログとのセカンドコンタクトは僕が編集部に入った2016年。ログというか、敬虔な“ログ教”の信者である先輩方との出会いでした。

審査員コメント

アライ:いるいる、ログ信者。誰の事だろ……?

クロハ:ログ信者って誰ですか? 私が気づいていないだけ?

ササキ:バカにしているの?

 

「ログはバスよりも人を狂わせるのか!?」

 そう感じたのを覚えています。先輩方にあてられて僕もログを何個も買いましたが、いまだにボックスの肥やしのまま。入信には程遠い状況です。取材や誌面を通して散々うんちくもインプットされたものの、アウトプット(結果)が伴っていない僕がログの何たるかを語ることはできません。

審査員コメント

アライ:いや、君の思い出語りはいいから、そのインプットを語ろうよ。

クロハ:そのログください!

ササキ:ログが人を狂わせるのではなく、狂った人をログがあぶり出すのである。

 

 そんな僕が素人なりにログを観察してみると、あれですよね。もうなんか、カッコいい。これに尽きると思います。

 “ラトリンログ”という口にしたくなる語呂のよさ、アメリカンなデザインと愛くるしいペイントアイ、飛ばしづらさ(今はむしろそれがいい)、実績に彩られた信頼感、そして技術を伴ったマニュアル操作が必要なジャークベイトというジャンル……。個人的に、釣れた時の満足感、ドヤれ具合が半端ないルアーだと感じています。なにより、「このルアーで釣りたい」という感情は、バスフィッシングにおいて最も尊いもののひとつだと思っています。

 もちろんログが釣具として釣れるのは間違いないのでしょうが、皆さんその理由は後付けで、「ログで釣りたい。というか、『ログで釣ったゼ』と言いたい」そんな気持ちでログを投げてませんか(違ってたらスミマセン)? 少なくとも僕がログを投げるのはそんな気分のとき。あ、そんなんだから釣れないのか。

審査員コメント

アライ:何もわかってねェな……。

クロハ:アライさんこわ……。

ササキ:おっと誰か来たようだ……。

 

タニガワの成績: 

904文字

エントリーNo.04 アライ 水中で3つに分身させる「ジャコビニ流星ジャーク」(?)

 ラトリンログシリーズでぱっと目を引くのが目のデザインですよね。まずかわいい。目尻にむけて流された黒い縁取りはアニメの美少女キャラのまつ毛の表現と同じなんです。なので、一部界隈では「ログたそ~」と呼ばれています。まあ、同じスミスウィックのデビルズホースなんかでも共通のデザインなんですけども。

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※画像生成AIが出力したアニメ系キャラクターの目

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※ログたその目

◆関連?記事

ゼノンLTX vs インターネットバス釣りお嬢様(お嬢様風インプレ) >>

審査員コメント

タニガワ:いきなり香ばしい話だな……。

クロハ:アライさんこわい……。

ササキ:あれは涙なんだよ……。

 スミスウィックからログの原型が発売されたのは1950年代ということです。e-Bayなどで検索するとヴィンテージの同社ルアーの目はもう少し丸みを帯びたデザインのようですね。ともかくログの発売以来、多くのアングラーに釣果をもたらし続けているわけです。

 1993年のB.A.S.S.ケンタッキーインビテーショナルで田辺哲男さんのウイニングルアーになったり、2005年の夏開催のバスマスタークラシックでKVDのウイニングルアーになったり、トーナメント界でも実績を残し、今日の日本でも根強い愛用者が多くいます。

審査員コメント

タニガワ:愛用者というか信心というか……。

クロハ:私も愛用できるくらい使いこみたいな。

ササキ:でも個人的には田辺さんと言えば反射板入りオレンジベリーのロングAだったなぁ……。これを利根川の乱杭で(以下略)

 

 なぜログが釣れるのか。多くの人の意見を総合すると、軽量な低慣性ボディーによるキレのあるダートとダート時に発生する激しいロールがログを唯一無二のルアーにしているというのが共通意見のようです。

 キャストのしやすさを代償として、ジャークに対する動き出しが速く、水の抵抗でピタっと止まる。それでいて停止時もロールの余韻でバスを誘う。ロールでは背中と腹のカラーによる明滅効果だけでなく、姿勢の変化に応じてウロコ模様のエッジが順番に光を反射していきバスを飽きさせない。釣れないわけがないでしょうこんな。

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審査員コメント

タニガワ:釣れないんですけど(怒)

クロハ:アライさんのとこだけコメントする箇所多くないですか……?(汗)

ササキ:主語デカいな

 現行のログシリーズのなかでキレのあるダートが最も得意なのはショートリップのフローティングモデル・ARB1200でしょう。

 シュパッ! シュパッ! っと、移動経路を目視で追えないほどの高速転移と静止の繰り返しで、うまく操作できたときには水中で3つに分身しますので、私はこれを「ジャコビニ流星ジャーク」と呼んでいます。田辺さんとKVDを英霊召喚すると発動できる宝具なんだと思います。

 この宝具を釣り場でいきなり発動するのは難しい。私が試した感じで言うと、なるべく瞬間的に引っ張り力を加え、水中のログが動き出す前にロッドティップを戻すジャークを連続でできたときにうまくいくようです。

審査員コメント

ササキ:おクスリいる?

タニガワ:じゃこ……? ダメだワカラン

クロハ:なんだか目がシュパシュパしてきましたよ

 

 ARB1200をうまく動かすためのタックルセッティングは謎に包まれています。なるべく瞬間的に力を加えるためのロッドのテーパーデザイン、スラックの出汁加減が重要なのだと思うのですが、ラインの伸び方、個々人のジャークの仕方、ロッドのパワーと長さ、キャストの距離によっても条件が変わってくるようです。

 ナイロン20Lbを合わせる流派がある一方で、KVDがクラシックを優勝したときはスピニングタックルに8Lbラインのセッティングで激しくジャークを加え、中層から表層にかけてのレンジでリアクションバイトをとっていました。8Lbといっても米国のポンドテスト規格のものなので、日本の12Lbと同じくらいでしょうか。

審査員コメント

タニガワ:アメリカ人と日本人では筋力も身長も違いますしね。

クロハ:みんなのタックルセッティングが知りたいです!

ササキ:今冬はナイロン20でやってみるる。

 

 私の場合、短いロッドのほうがテクニカルな操作には向いていると聞き、5ft5inクラスのロッドも試しましたが、短すぎるとストロークのなかで瞬間的な力を加えるためのスイートスポットが狭いことからラインスラックの出汁加減の調節がシビアになりすぎる感じがありました。

 いろいろ試した結果、ラインはフロロ14Lb、リールのギア比は6.3:1、ロッドは6ft2inのMLパワーでレギュラー寄りのファストテーパーのものを組み合わせるセッティングで落ち着いています。

審査員コメント

タニガワ:ボクはホビットなので6ft未満じゃないとシンドイ。

クロハ:短すぎるのは玄人寄りのセッティングなのですね……?……?

ササキ:出汁加減って表現、オシャレだな。いや、誤字か?

 

 とまぁ、いろいろ語ってしまいましたが、私がログで釣ったときって「あれ? ジャークの仕方ってこんなでいいんだっけ? ちゃんとアクションしてる??」という状態で釣れたケースが9割なので、たぶんログならなんでも釣れるんだと思います。あまり難しく考えるのもよくないですね。

 最後にお役立ち情報として、フロントのフックアイにスプリットリングを追加して使うと、フックの可動域が狭くなってジャーク時にラインを拾ってしまうトラブルが少なくなるので、お試しください。

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審査員コメント

タニガワ:いやだから釣れないんですけど(怒)!

クロハ:スプリットリング追加してみます!

ササキ:全部読んで思ったけど、オレ、このコンテスト勝ちたくないわ……。

 

アライの成績:

1570文字

まとめ ただのうんちくは役に立たない

 

いかがでしたか?

 

 思い出語り、Basserバックナンバーの焼き直し、思い出語り、ただの妄想と、ここまで読んでいただいた皆様に申し上げるのもたいへん恐縮ですが、釣りの参考にするにはかなり難易度の高い情報ばかりでしたね。

 勝負としては文字数が最多だったアライの勝利ですが、編集部員の釣りの技術は一般の皆さんと変わらないので、ドヤ顔でアドバイスできるお役立ち情報はなかなか出てこないのが正直なところ。

 ただ、ラトリンログネタ一本でこれだけ語れるあたり、Basser編集部員のバス釣り愛の深さだけでも感じていただけたら幸い。実際に釣り場で結果を残しているアングラーたちを、こんなスタッフが深掘りしている雑誌が『Basser』です。2023年もよろしくお願いいたします。

 

 

 


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