ホントは隠しておきたかったけど、もう散々釣ったからいいじゃない。そんな虎の子チューンを、3名のアングラーに語っていただきました。
今だから言える秘密のチューンを公開!
この記事は『Basser』2022年3月号チューン特集号に掲載したものを再編集しています。Basserのバックナンバーは定期購読をお申し込みいただくとデジタル版バックナンバーが4年分以上読み放題! 詳しくはこちらをどうぞ!ホントは隠しておきたかったけど、もう散々釣ったからいいじゃない。そんな虎の子チューンを、3名のアングラーに語っていただきました。
この記事の内容
- スピナーベイトでいろんなことがしたい
- 時効チューン1:用意するもの
- 時効チューン1:手順
- タクミ漬けには「その先」があった
- 時効チューン2:用意するもの
- 時効チューン2:手順
- バスが見たことのない「サスペンドするワーム」
- 時効チューン3:用意するもの
山岡計文(やまおか・かずふみ)
七色貯水池の目の前に居を構え、下北山村の村会議員も務めながらJB TOP50に参戦する“戦う議員さん”。ミッドストローリングの第一人者として知られ、トップクラスのサイト超人でもある。昨年のJB TOP50では、悲願の七色戦初優勝を果たした。
バスが見たことのない「サスペンドするワーム」
「ワームをサスペンドさせる」というこれまでにないアプローチで、長く山岡さんの食わせの切り札になっていたフィンズダズラーのサスペンドチューン
ワームって、たしかにハードベイトに比べて食わせ力には長けてるんだけど、唯一ハーベイトに敵わないことがあるんですよ。それが「サスペンドにできない」ということ。そこを突き詰めていって限りなく完全なサスペンド状態に近づけたのがフィンズダズラーのチューニング。チューニングといってもワームをいじるんじゃなくて、フックとワーム、そしてラインとの浮力関係を「調整」することでサスペンドに近づけるメソッドなので、厳密にはチューンじゃないかもしれないですが、悪しからず。
これは僕がトーナメントで食わせの奥義として隠してきた釣り。サイトはもちろん、「ココはバスがいるだろう」というところに投げ込んで中層でピタッと止めてやる、サスペンドするワームなんてバスは当然見慣れてないから、食っちゃうわけですよ。とくに春先のナーバスなプリメスとかに有効。バスがルアーの動きやラインの水切りを嫌うときなんかすごい反応を見せますよ。
フィンズダズラーはもともとミドストやI字用に僕が開発したリアル系ワーム。ヘッドの左右とテールの3点メルティーヘアーの効果で、I字の安定性が半端なかった。2016年のJBTOP 50早明浦戦で、フックサイズを合わせてPEラインで使うとノーシンカーで限りなくサスペンドにできることに気づいて、それからずっとシークレット。トーナメントでこのリグで釣っても、ウソのない範囲で隠してた。「ミドスト〝とか.で釣りました」みたいな(笑)。
チューンの程度は水温によって変わるんですけど、基本的にフックの重さで超スローシンキングにして、PEラインの浮力でそれを上から引っ張って打ち消して水中でピタッと止めるイメージ。途中まで沈んでいっても、ある段階でPEの浮力(抵抗)と沈もうとする力が「=」になって止まるんですよ。より深い位置で止めたかったらフックを大きくしたりフロロのリーダーを長くとって、浅いレンジで止めたいならその逆の作業。
フィンズダズラーはすでに廃番のワームなんだけど、今年このサスペンドメソッドに特化したワームをティムコさんで開発中。それはこの釣りとともに売り出すつもりなので、もう先出ししてもいいネタかなと。そっちのワームはエラストマー素材でボディーにジョイントがついているなど、かなり根本的な改良を重ねているので、お楽しみに!
水中瀕死リグ(サスペンドチューン)により特化したフィンズダズラーの改良版がこちらのヘアリーフライ(ティムコ/プロトタイプ)。2022年発売予定だ
時効チューン3:用意するもの
●フィンズダズラー3in(PDL/廃番)そのままでの絶妙な浮力もさることながら、3点に設置したメルティーヘアーが水中で抵抗となり、よりサスペンド状態にさせやすい
フォグショット(リューギ)
●フォグショット#2~4(リューギ)
水温と「どのレンジでサスペンドさせたいか」によってフックサイズは要調整。山岡さんは自作のフックキーパーを装着PEライン+フロロリーダーPEラインはワームの浮きとして、フロロリーダーはオモリとして機能。PEは0.3~0.4号、フロロは4Lbが基準。シンクレートの調整はフロロの長さで行なって完成。長さは30㎝~1.5m