ニジマスパターンに沸いた3月の亀山湖で、ひとつのルアーにビッグバスがダブルヒットするという珍事が起こっていました。釣り人はローカルトーナメントのプラクティスに出ていた古谷翔平さん。
超メジャースポット『段々畑』のブレイクで
文◎大場未知 写真提供◎古谷翔平さん 取材協力◎のむらボートハウス
ニジマスパターンに沸いた3月の亀山湖で、ひとつのルアーにビッグバスがダブルヒットするという珍事が起こっていました。釣り人はローカルトーナメントのプラクティスに出ていた古谷翔平さん。
亀山湖に精通するフィッシングライターの大場未知さんがその模様をレポート!
■古谷さんのジャークベイトタックル
ロッド:エクスプライド1610M(シマノ)
リール:メタニウムHG(シマノ)
ライン:エクスレッド12Lb(東レ)
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レイダウンミノー110JPに55cm&47cmの同時ヒット!?
それは3月14日の昼過ぎに起こった。翌日のトーナメント出場にあたりプラクティスに出ていた古谷翔平さん。亀山湖の超メジャースポット『段々畑』に入りなおした1投目、レイダウンミノー110JP(ノリーズ)を1~2回ジャークすると同時に、ドスンと鈍いアタリ。白っぽくうっすら見えた魚体とあまりの重さにコイのスレ掛かりを疑ったという。寄せてみると、なんと巨大なバスが2本掛かっていた。
古谷「この日は別のボート屋さんで大会をやっていて、少し離れたところに参加者の方2名が浮いていました。自分はフラットの浅い側、水深で1.5mくらいのところにポジショニングして沖のブレイク側にキャストしました。風上に投げる形だったのでルアーはそこまで飛んでなかったと思います」
午前中は東側のエリアをチェックして昼前に本湖に入った古谷さん。押切沢に入る前に立ち寄った際は無反応だった。適度な風が吹き始め気温も上がり始めた正午過ぎ。
古谷「それまではゴールド系カラーを投げていたんですけど、本湖のほうが水も少しクリアだったので、お昼ご飯を食べてからなんとなくゴースト系のカラーにチェンジしたんです。その1投目でした。岬側の急深なブレイクとなだらかなブレイクの真ん中くらいに投げたと思います。着水してワンジャーク、ツージャークで食ってきましたね。1本掛かってファイト中にチェイスしてくる感じではなく、すぐに重くなったのでほぼ同時に2匹が食ったんじゃないですかね」
スリートレブルの前2本のフックに55cm、テールフックには47cmが掛かっていた。ネットを持っていない古谷さんはバスを寄せ、しっかりフッキングしているのを確認するとまずは55cmの口をつかみロッド置いてから47cmをつかんだ。
古谷「ダブルヒットはもちろん初めてです。あたふたしながらも意外と冷静に47cmから計測しました。2kgバカリしか持っていないので正確にはわかりませんがメモリは振り切っていました」
普通であればこのタイミングで撮影をするところではあるが、さらに大きいほうが控えている。
古谷「55cmもバタバタしていてかわいそうだったので、47cmは写真も撮ることなくすぐにリリースしました」
大きいほうのバスをいったん水につけて計測する。もちろんこちらも余裕の2㎏オーバー。写真から推測するに3kgは優にありそうだ。ところで、この日は亀山湖でニジマスの放流があったようだが、それとの因果関係はどうだろうか。
古谷「ニジマス放流のことは下船してから知りました。ダブルヒットの前にも月毛沢の沖でニジマスがフラフラ泳いでるのも見てたんです。『あ~、それで奪い合うようにして食ってくれたのかな』と思ってました」
じつは前々週に亀山を訪れた際にも44cmをレイダウンミノー110ミッドでキャッチしている古谷さん。ニジマスに合わせたスイムベイトが旬の亀山ではあるが、ジャークベイトを選んだのにはこんな理由がある。
古谷「以前は自分もビッグベイトとか投げてましたけど、最近はトーナメントに出るようになってしっかり魚をキャッチできる方を選ぶ傾向が強くなりました。前々週の44cmもそうでしたけど、風や暖かくなるタイミングを意識しながら釣りをするようになりましたね。レイダウンミノーシリーズは秋の水温が下がり始めるタイミングと冬から春の水温が上がり始めるタイミングでよく使います。アベレージサイズはちょいちょい釣ってますけど、ここまでデカいを釣ったのは初めてです。あ、ダブルヒットの直後にも水産センターの近くでタダマキ112にまあまあのがピックアップで食い損ねました。きっとあれが時合いだったんでしょうね」
翌日の大会は2本リミットで優勝ウェイトは2kgにも届かなかった。練習で特大打を記録した古谷さんの試合本番はというと、残念ながら翔平フィーバーはなく終わってしまったようだ。