霞ヶ浦で年間300日以上釣りをする生活をここ数年続けている北田朋也さん。その膨大な経験値から知った冬に釣れる条件と、ビッグレイクを相手にバスを探す具体的な立ち回り方を教えてもらった。
冬の霞でバスをねらうキモとは!?
文と写真◎編集部
霞ヶ浦で年間300日以上釣りをする生活をここ数年続けている北田朋也さん。その膨大な経験値から知った冬に釣れる条件と、ビッグレイクを相手にバスを探す具体的な立ち回り方を教えてもらった。
北田朋也(きただ・ともや)
1989年生まれ。千葉県香取市出身・在住。
テンポの速い釣りでアグレッシブなバスを探すのが得意。O.S.Pプロスタッフとして、霞ヶ浦を中心に活躍している。
目次
日中はシェードを釣る
では、朝夕のチャンスタイムを逃してしまうと釣果は望めなくなってしまうのだろうか。
北田「たしかに朝夕が圧倒的に釣れるので、そこだけねらって釣りをするのは効率的です。が、日中にチャンスがないわけではありません。以下のふたつの要素を考えてみます。
①風
②シェード
まずは『風』です。冬の爆風はバスの活性を下げると説明しましたが、そよ風など適度な風は大歓迎です。なぜならベイトが岸に寄せられるから。そう、夜中のようなフィーディングが、風次第では日中も起きるということです。なので当日だけでなく、釣行の前日までどのエリアに風が当たっていたのかを考えて入る場所を決めることは大事ですね。
冬の爆風は魚の活性を下げるが、適度な風は岸際にベイトを寄せてくれる
次に『シェード』。これはめっちゃ大事です。日中は絶対的にシェードです。冬でも、というか冬だからです。
利根川の支流の黒部川にかかる橋の下に有名なハードボトム帯があり、昔は冬によくそこで釣りをしていました。橋の下で順調に釣れていたのですが、パタっとバイトが止まった。よく見たら、太陽が傾いてシェードが横に移動していたんです。で、シェード側に投げたらまた釣れ始めるという(笑)。『あ、こいつらは冬でも日陰にいたいんだな』と思いました。
日中であれば、必ずシェードを釣る北田さん。アシの根が作ったエグレのなかやテトラの穴にスモラバなどを落としていく
冬にシェードで釣れるのは、低水温期に水がクリアアップするのも一因だと思っています。太陽光が当たっている場所の澄んだ水中では、ルアーが丸見えで騙せない。だからバスの視界の利きにくいシェードを使ってやるわけです。
僕が霞ヶ浦水系を回るときは、風という要素が絡まない限り、必ず『日陰になっている岸』を釣るようにしています。太陽は東から登って西に沈むので、朝は東岸、午後は西岸方面がシェードになりやすいことを覚えておきましょう。
とにかく冬はできるだけ薄暗いマヅメの時間帯、そして日中ならやはり暗くなっているシェードを釣ってください。まさに冬は『闇のゲーム』です」
「日陰になっているところは……」とつぶやきながら移動。午後に回ったのは、写真のようにすべて太陽を背負い、水面が暗くなっているスポットだった
プロテクトエリアの越冬バス
ここまでの話を振り返ると、「フィーディング」「風表」といった、冬っぽくないワードが頻出していることに気づく。
北田「実は、さきほどまで解説していたのは基本的に『冬でもエサを追える個体』の話です。
多くのアングラーの方が冬にねらっているのはこのバスではなく、閉鎖水域などでジッとしている越冬系のバスです。越冬系のバスをねらう場合は、釣り方もエリアもまったく変わってきます。それはあとで説明するとして、なぜこういったバスを僕がねらわないのか。
それは、昔と違って情報が拡散し、越冬系のバスは誰もがねらえる魚になったからです。越冬場所はわかりやすくて、どんどんバスが抜かれていってます。しかもこういったスポットのバスはサイズが期待できず、釣りも僕が苦手なスローな展開になりがちです。
代表的な越冬場は前川や横利根川、野田奈川、鰐側に加え、北利根・常陸利根川のテトラなどですね。また、各流入河川やホソで、河口部の水深が浅いところも魚が抜けにくいです。
◆関連動画
「北田朋也のカロリーセッシュでフィッシュ!! 冬の霞水系おかっぱり編」
対して僕が追っているフィーディング系のバスは、正解のエリアが決まっていないので追いかけるのは難しいですが(風やベイト、太陽の向きに左右されるから)、ジャークベイトやシャッドに食ってきてくれるアグレッシブな個体が多く、サイズもいいです。絶対数は越冬系バスのほうが多いですが、近年の霞ヶ浦では暖冬の影響もあって、冬でもフィーディング系のバスを追ったほうがいい釣りができることが増えてきました。」
◆次回!北田さんおすすめの冬のルアーをご紹介します!
冬の霞ヶ浦 オカッパリでバスを釣るためのねらいドコロ その3