こんにちは。入社してそろそろ1年が経とうとしている新人編集部員Kです。今回はBasserで出会った名作ルアー「DTN」をご紹介します!
クランクの神様が愛したルアー
写真と文◎つり人オンライン
こんにちは。入社してそろそろ1年が経とうとしている新人編集部員クロハです。今回はBasserで出会った名作ルアー「DTN」をご紹介します!
クラコンの日々とDTNとの出会い
みなさま初めまして。編集部員クロハです。昨年までサイケデリックロックンローラーとしてフジロックを目指してバンド活動に打ち込んできましたがコロナ禍を機にバンドが解散。その後自暴自棄になりましたがバスフィッシングに人生を救われ、気付けば2021年秋からつり人社でBasserの編集に関わってきました。
ここで仕事をする日々で、自分の偏った性癖を自覚しました。たとえばスピナーベイト。私はコロラドブレードのブルブルした振動が大好きで、しかもバイブレーションがデカければデカいほど落ち着いてしまうというサガ。冷静に自分のボックスを見ると、あらゆるスピナーベイトのウイローブレードがコロラドに変装されている・・・・・・ 気付けばヒルデブランドの#4.5コロラドに重課金していました。
コロラド・スピナーベイトへの偏愛は、同時にクランクベイトへのコンフィデンス消失をもたらしました。正直言っていいですか?クランクでバスが釣れるなんて信じられない。けれど一方で、クランクベイトはすごくかっこいいルアーだという思いもあり、日々「クランクベイトに対するコンプレックス(クラコン)」が肥大化していました。
クラコンを打ち破りたいと編集長に相談すると
「とにかくクランクで釣ってみたいならDTNを使ってみたら」とひとこと。
ーーーーDDT?プロレス技でしょうか?
クランクの神様が愛したDTN
DTNとは「ディープタイニーN」のことで、ビルノーマン社から発売されている全長38mm、重さ3.5gのスモールクランクベイトです。潜行深度はタックルにもよりますが1.2~1.8m。もともとはクラッピー(北米に生息するサンフィッシュ科の魚で、見た目はブルーギルにややにている)用に作られたルアーでしたが、1999年にリック・クランが「シャローカバー攻略の切り札としてディープタイニーNを使っている」と長年のシークレットを公表したことから、バス釣りの定番ルアーとして広がっていきました。
〝クランクの神様〟とも呼ばれているリック・クランは75歳(2022年現在)となった今も現役で活躍しているアメリカのバスプロで、72歳でバスマスターエリート優勝という「最年長優勝記録保持者」でもあります。
そんな生けるレジェンド、リック・クランが愛したルアー「DTN」を店頭で見つけたときの私の感想は
「え、ちっさ・・・・・・」
疑いが自信に変わった瞬間
ということで、DTNでバスを釣ろう!という趣旨の取材が決まり、2022年4月1日、茨城県・新利根川に向かいました。1度しか行ったことのない場所でしたが、岸沿いはアシや浮草などの植物が豊富で、沖には杭やブレイクがあり水色はステイン~マッディ。「スモールクランクを巻くために存在しているフィールド」と編集長からお墨付きをもらいました。
が、しかし。出船から4時間ノーバイト。「ほんとうに釣れるのかこれ?」「もういい。スピナーベイトを巻きたい」「でっかいコロラドだ」いろんな思いで心が折れそうになります。次第に風が強く吹きはじめ、岸際にボートが打ち寄せられてしまいました。デコの予感。このままではクラコンが肥大化してしまう。
そんなとき「タフなときはクランクを沖からブレイクに向かって引いて、カドに当てることでリアクションバイトを誘うとよい」という伊藤巧さんの記事(Basser2018年12月号)を思い出し、岸際からアップヒルでルアーを巻いてみることにしました。
参考記事→伊藤巧さんから学ぶ、クランクベイトをモノに当てて釣る方法
岬状に張り出したアシの10mほど沖にルアーを投げて巻き、潜ったルアーが底を叩きはじめたのを感じていると、5mほど先で「ググン」という重みが……!
岸際から沖に向かってキャストして、ボトムを感じながらアップヒル気味に引いて食わせた1尾
初のDTNフィッシュは45cm級の腹パンフィッシュ。コンプレックスがコンフィデンスに変わった瞬間でした。
この1尾を皮切りに、風の当たっているストレッチの張り出しを中心にねらっていくとバイトラッシュ。船中6尾と、春の新利根川クランキンを大満喫することができました。以来、DTNは私のタックルボックスには欠かせないルアーです。
自分のしている釣りがどうにもはまっていないときや、シャローのバスが沈んでいるかも、口を使わないなというときに、ルアーサイズが小さいからこそ自信を持ってバスの口元に届けられる。
初めてDTNを見て「え、ちっさ・・・・・・」と感じた私に「え、せまっ・・・・・・」と物申したい気持ちです。ありがとうDTN!ありがとうリック・クラン!
初めて出たバス釣り大会「エレクカップ」(亀山ダム)でも窮地をDTNに救われました
取材からわかったこと①~バスにルアーを届けるイメージで使う~
ここからは取材を通して分かったことを僭越ながら書かせていただきます。使い方は投げて巻くだけですが、小ぶりなのでルアー自体のアピール力は大きくありません。ルアーパワーでバスを遠くから引っ張るというよりも、バスの目の前にルアーを届けて反射的に口を使わせるようなイメージで使います。釣り場の水深にもよりますが、新利根川では
①浅場用にナイロン16lb(ベイト)
②ブレイクまでレンジが入れられるようにフロロ12lb(ベイト)
③ブレイク沿いを引けるようにフロロ8lb(スピニング)
を用意しました。
私は②のフロロ12lbを巻いたベイトタックルを使うことが多いです。ロッドは6フィート3インチLパワークラスの低弾性カーボンロッドを使っています。
取材から分かったこと②~フックチューンで投げやすく~
リアフックの番手を上げると強風下でも投げやすいです。ただしフック同士が絡みやすくなるのでこまめにチェックしましょう。ちなみにクロハはフロントにRCカマキリ(イチカワフィッシング)#8、リアフックにRCカマキリ#5で使っています
元々は前後#6のトレブルフックが付いているDTNですが、リック・クランのようにリアフック(後ろのフック)のサイズを大きくすると、ベイトタックルでも投げやすくなります(リック・クランは#4にしていました)。風が強く吹いている状況ではその効果を顕著に感じます。リッククランがハリを大きくする理由はほかにもあって、フッキングをよくするため、ウォブリングを大きくするためだといいます。
発売されてから数十年が経つルアーですが、私はまだ出会ったばかり。これからも末長くよろしくお願いいたします!皆さんもぜひ使ってみてください。
新利根川・牛久沼大明解MAPもよろしくです!