ワンナップシャッドの生みの親である沢村さんに影響を受けたスイムベイトを伺いました。
「追わせる」から「食わせる」に変わったスイムベイト
ワンナップシャッドの生みの親、沢村さんが影響を受けたスイムベイトとは!?
この記事は「俺たちのヘビロテBASSルアー大全」を再編集しています
沢村幸弘(さわむら・ゆきひろ)
1960年生まれ。キャリラバ、ワンナップシャッドなど多くの革新的なルアーを開発し、ベイトフィネスを生み出したことでも知られる。豊富な経験と柔軟な思考を持ち合わせたプロフェッショナル。キャリル代表
キャリルオンラインWEBショップ http://www.karil.co.jp/sawamura/
こちらの記事は 「俺たちのヘビロテBASSルアー大全」に掲載されています。バスプロ、ルアービルダー、釣具店の方々が自信を持っておすすめするヘビロテルアーを忖度なしで大掲載!!!本当に釣れるルアー教えます↓↓↓
目次
よりゆっくり巻けるスイムベイトをもとめて
スイムベイトブームが日本に到来したのは2000年前後。リアルなソフトマテリアルは各地のフィールドで話題をさらった。キャスティークトラウト、オスプレイ、オプティマムベイツなどなど、とりわけスイムベイト・ゲームが盛んなアメリカ西海岸のブランドがメジャーだった。トーナメントアングラーである沢村でさえも、その威力をスルーすることはできなかったという。
「僕がよく使っていたのはキャスティークと頭が丸いやつ。オプティマムだっけ。早明浦ダムとか池原ダムのようなクリアウォーター・リザーバーで、ティンバーの横を通すとでかいバスがワラワラ湧いてきた。なかなかバイトまでは持ち込めないけれど、サーチベイトとしてよく使ってたよ。もちろんしっかりバイトしてくればキャッチできることもあった」
オプティマムベイツ/フルーク
本来はノーズからベリーにラインを通すタイプだが、ツートレブルフックにチューンずみ。沢村の本気ぐあいがうかがえる
キャスティークベイツ/ハードヘッドトラウト
樹脂ヘッドにソフトボディーをまとったリアルスイムベイト。リップに装着されたネイルシンカーは沢村がバランスとスピードを調整した痕跡
バスを探し出す能力には目を見張るものがあるが、キャッチまでは至らない、追わせるだけのストレスを払拭すべく開発したのがワンナップシャッドだ。
ワンナップシャッドの開発
「プリセットタイプのスイムベイトはゆっくり引けないっていう弱点があった。ティンバーすれすれに通すと高確率でスタックする」
よりスローに引くことができて、かつスナッグレス性能を求めて図面を引いたのが2004年。最初のプロトはリトリーブするとクルクル回転してしまったそうだ。確実にテールを動かせるしなやかさと丈夫さを両立するのは困難を極めた。何度も試作を繰り返し、ようやく完成した最終プロトを持って臨んだ実釣取材で鮮烈なデビューを果たした。
「たしか4月だったと思う。4月の西湖で水温は5℃くらいしかなかったんじゃないかな。溶岩帯から釣りを始めてすぐにバイトがあったんだよ。1/16ozのテキサスリグで、うっすらルアーが見えるくらいのレンジまで沈めて巻くだけなんだけど、バイトだけでいったら150回くらい(笑)。キャッチしたのは44本! みんなブリッブリのコンディションのいいバスだった。あれは強烈な経験だったなぁ」
サワムラ/ワンナップシャッド
2004年に鮮烈のデビューを果たし、一時は日本最重量バスの記録も樹立した、オフセットフック仕様のスイムベイト。サイズラインナップは2、3、4、5、6inの5種。5inのオリジナルのみ、若干ボディー形状が異なる。写真は開発当時のプロトタイプ
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