関和学さんが「ある日突然“オカッパリ・ヘビダン”が上手くなる!」方法を紹介する。 第1回は、オカッパリでの具体的な操作法などの前に、関和さんのヘビダンがウイニングパターンになった過去のトーナメントを振り返り、そのメリットを解説してもらった。
オカッパリにおけるヘビダンのメリット
関和学=文各種リグのなかでもっとも汎用性が高いのがダウンショットリグだ。 そんなリグなのに苦手というアングラーにこそ今回の内容をオススメしたい。 関和学さんが「ある日突然“オカッパリ・ヘビダン”が上手くなる!」方法を紹介する。 第2回は、なぜオカッパリでダウンショットリグの使い勝手がいいのか、そのメリットを解説してもらった。
この記事は2015年7月号に掲載された「オカッパリで行こう! 第85歩」を再編集しています。
線の釣りのなかで点の釣りができるリグ
前回、15年も前のトーナメントの話から入ったのには当然、訳がある。ヘビキャロをはじめとする「線の釣り」が有効だった時代は日本各地で下火になってすでに久しく、バスを釣るには「点の釣り」が必須になった。その状況変化がトーナメントシーンにはひと足早く訪れていたのである。
同時に「バスフィッシングで基本になるリグ」も変化した。カバーが好きなバスという魚をねらうリグとして、『バス釣り入門』的な本で基本として紹介されてきたのはテキサスだった。しかし、「点の釣り」もこなせるテキサスだが、食わせの能力が低いことは否めない。それに代わるのがダウンショットだ。
テキサスに比べて、ダウンショットは写真のような枝ぶりの細かいブッシュは苦手。だけどリーダーを短く調節することで、ある程度はカバーも撃ちやすくなる。自動ハリス止め付きのシンカーならちゃちゃっとリーダー5㎜にして撃つといい。1㎝でも5㎜でもリーダーがあると、ソフトベイトのアクションはナチュラルになる
ダウンショットは、ソフトベイトとシンカーがリーダーを介している分、立体的なカバー(とくに枝ぶりの密なブッシュなど)に対する適正はテキサスよりも低い。が、水面を薄く覆うカバー程度なら余裕で貫通できるうえに、遠投性やボトムの感知能力は極めて高い。ダウンショットシンカーが、バレットシンカーよりも制約がない(中通しでない分、細く作ることもできる)ことを考えれば、シンカーの形状を使い分けることで、テキサスやキャロよりも根掛かりを減らすこともできる。
遠距離になるとソフトベイトがボトムを這ってしまう点を除けば、ダウンショットは「線の釣り」をキャロ並みにこなし、「点の釣り」はお手のもの。汎用性と実釣能力を考えれば、これがバスフィッシングの基本リグということができる。
5inスリムヤマセンコーの5gワッキーヘビダンでキャッチ
こうしたダウンショットリグの持ち味は、オカッパリでこそ発揮される。ボートフィッシングなら、デッキに複数のタックルを用意しておいて、適材適所に持ち替えることが可能だ。けれど、オカッパリでそれをやったら機動力が著しく損なわれる。5セットも持ち歩くのは論外。2セットと1セットの差も果てしなく大きい。かといってその1セットで頻繁にルアーを結び替えるのも手間だ。
オカッパリでガチで釣ろうと思ったら、1タックル・1ルアーでさまざまなロケーションを釣っていきたいし、フィールドによってはそういう持ち駒がマストになることがある。ボートフィッシングですでにダウンショットを使い込んでいた僕だったけれど、オカッパリにおける重要性に気づいたのは遅くて、ほんの10年ほど前のこと。以来、「線の釣りのなかで点の釣りができるリグ」として非常に重宝している。
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2017/05/23