関和学さんが「ある日突然“オカッパリ・ヘビダン”が上手くなる!」方法を紹介する3回目です。今回は、具体的な操作法の解説を教えていただきます。
オカッパリの基本形はショートリーダーのヘビダン
Basser編集部=写真と文各種リグのなかでもっとも汎用性が高いのがダウンショットリグだ。 そんなリグなのに苦手というアングラーにこそ今回の内容をオススメしたい。 関和学さんが「ある日突然“オカッパリ・ヘビダン”が上手くなる!」方法を紹介する。 第3回は、具体的な操作法の解説だ。
この記事は2015年7月号に掲載された「オカッパリで行こう! 第85歩」を再編集しています。
コツは「ワームを動かそう動かそうとしない」こと
僕がオカッパリで使用するのは、シンカーが3.5~7g(基本は5g)、リーダーの長さは「そのとき使用するフックの全長×2~3」のショートリーダー・へビダンだ。オカッパリで1m近いロングリーダーを組むことはない。シャローで近距離メインの釣りをするので、ボトムから1mも上にバスが浮いているなら、ノーシンカーなどで対応する。慣れないうちは「シンカーウエイト>ソフトベイトの重さ・水の抵抗」でシンカーの感度がぼやけないようにしよう
(右)オカッパリ・ヘビダンの基本の型は、オフセットフックに3.5~7gシンカー。ただし、7gを使うとキャストの飛距離が稼げてしまうので、遠距離でガッチリアワせるにはロッドも見直す必要が出てくる。7gは波風が強いとき、もしくは重くて水の抵抗が大きいソフトベイトを使うとき用と思ったほうがいい
(中)フィネスセッティング。ストレートワームでもワッキー掛けすると水の抵抗が増してシンカーの感度がぼやけることがあるので、そういうときはシンカーを重くして対処しよう
(左)スルーダウンショットリーダー、ゴブリンバットクイックチェンジャー、フッキングマスターリングオフセットの3つのパーツから成るスルーダウンショット。張りのあるリーダーで障害物を回避する。とくに横に枝が残った立ち木群の中を引いてきたりするときに効果がありそう
ショートリーダーのへビダンはできることの多いリグだが、おもな用途は「ズル引きでボトムの変化を探し(線の釣り)、凹凸やハードボトムを探し当てたらそこで誘う(点の釣り)」というもの。
ここで、とくにダウンショットが苦手という人に絶対に覚えてほしいのが、「ソフトベイトを動かそう動かそうとしない」ことだ。
ズル引くときは、「シンカーをボトムから離れないように移動させること」だけに集中する。どんなボトムマテリアルでも、シンカーをズル引いているとき、ソフトベイトはアングラーが意図しても出せない魅力的なアクションをしている。常にボトムがとれていれば、シンカーが下り傾斜に差し掛かって転がり落ちているときも、トリッキーなアクションでバスを誘ってくれる。
ズル引いていて、明確なボトムの変化を感じたら、シンカーの移動を止めてそこで誘う。そのときもソフトベイトを動かそうとしてはいけない。ダウンショットは、支点(シンカーの位置)が決まっていて、作用点はそのときのティップから出ているラインとリーダーのすべてだ。その作用点(作用線か?)のなかにソフトベイトがセットされているので、「動かす」意識でロッドワークを加えてしまうと、ソフトベイトは大きく派手に動きすぎてしまう。
シンカーの移動に集中する「線の釣り(ズル引き)」から「点の釣り(食わせのための誘い)」に切り替えたら、集中するポイントも「リーダー」にシフトする。ほんの10㎝ほどのリーダーを張ったりゆるめたりすることでドラマを起こすのがヘビダンだ。
基本的な使い方は以上。とにかく操作に集中するのは「シンカーの移動」と「リーダーのスラック」、この2点だ。NGはソフトベイトそのものにアクションをつけようとすること。これらを念頭に置いて釣り場に立てば、今からの時期は絶対に釣れるッ! と断言したい。「まァ、釣り場やその日の状況にもよりますけど……」なんて一文、ホントは付け加えたくないなァ(笑)。
取材時に使ったロッドはヘラクレス・マニピュレーター(HCSC-64M)。清水盛三さん監修のジャークベイトロッドなんだけど、近距離で使うには感度も充分だし、シンカーをスタックさせたときにベリーからほどよく曲がってくれる(シンカーがボトム変化を弾かない)アクションが気に入っている
取材時は思いのほかバイトが遠いので、すぐにフックをオフセットからマスバリタイプへ、ワームの掛け方を通常のセットからワッキーへ変更した
リグと同時にロッドもヘラクレス・ファクト(HFAC-67MHST)へ。ハードボトムの張り出しにいるはずのバスをねらうため、「リーダーのたるみ」をより操作しやすいロッドに変更した
オカッパリ・ヘビダンに合わせるワーム例
入門には「オフセットフック+ストレートワーム」がお薦め!理由はズル引いたときのアクションを見ればわかるから試してみて!
①H3(ウォーカー・ウォーカー)
手前味噌だけど、ヘビダンに使うホッグ・クロウ系で使用頻度が1番高いのがコレ。「ヘビダン専用」を意識してH2をダウンサイジングしたモデルなんだからしょうがない
C-4シュリンプ(エバーグリーン)
上が②2.5in、下が③3.5in
福島健くんデザインのエビ系で、ステイや繊細な操作でとくに効果を発揮する
④キッカーバグ3.5in(エバーグリーン)
テキサス、キャロ、ジグトレーラーと何にでも使える万能系のホッグ系。ヘビダンとも好相性
(上)⑤3inヤマセンコー
(中)⑥4inカットテールワーム
(下)⑦5inスリムヤマセンコー (ゲーリーインターナショナル)
3inと5inスリムのヤマセンコーふたつはワッキー掛けがおもな用途で、4inカットテールワームはオフセットフックと組み合わせて使う。ヘビダンというとホッグ・クロウ系を使う人が多いけれど、こうしたストレートワームは、ボトムの凹凸を利用すると、とんでもなく釣れるアクションをする。入門者にもお薦め!
(上)⑧4inグラブ
(下)⑨6inジャンボグラブ(ゲーリーインターナショナル)
ヘビダンでハードボトムをゴゴゴゴゴッとズル引くと釣れる! まさに「ボトムから一定の距離を保って引けるクランクベイト」。ちなみに甥っ子に教えてもらった釣り方です。ヘビダンにグラブとか渋い、渋すぎる!
⑩ビビッドテール(エバーグリーン)
小さなテールがピロピロ動くタイプで、引いてもリーダーのたるみをシェイクしてもよく釣れる
⑪スカルピン3.5in(エバーグリーン)
扁平なハゼ系で、ハードボトムをズル引いたときのダートアクションが凄い!
「適正フック早見表」
●フッキングマスターヘビークラス
#3/0……⑨
#2/0……③⑪
#1/0……④⑧⑩
#1……①②⑥
●モスキートヘビーガード
#0 or 1……⑤⑦
※ヘビダンで使うマスバリタイプは基本的に大きいほう(#0)をメインにして、根掛かりが頻発するようなときにだけ小さいほう(#1)も使うという感じ
●フッキングマスターヘビークラス
#3/0……⑨
#2/0……③⑪
#1/0……④⑧⑩
#1……①②⑥
●モスキートヘビーガード
#0 or 1……⑤⑦
※ヘビダンで使うマスバリタイプは基本的に大きいほう(#0)をメインにして、根掛かりが頻発するようなときにだけ小さいほう(#1)も使うという感じ
ヘビダン用のタックル
●通常セッティング
ロッド:HCSC-64M ヘラクレス・マニピュレーター(エバーグリーン)
リール:Z RRIDE(シマノ・メタニウム×ZPI”)
ライン:デッド・オア・アライブプレミアムベイトフィネス10Lb(グラン・ノガレス)
●フィネスセッティング
ロッド:HFAC-67MHST ヘラクレス・ファクト(エバーグリーン)
リール:Z RRIDE(シマノ・メタニウム×ZPI”)
ライン:デッド・オア・アライブプレミアムベイトフィネス8Lb(グラン・ノガレス)
2017年5月26日発売のBasser7月号では、初夏から梅雨にかけてとくに有効になるフローティングジャークベイトを特集しています。沖田護さん、川口直人さん、山木一人さん、泉和摩さん、北大祐さんらの解説のほか、このルアーを使いこなすためのタックルセッティングやウエイトチューンの方法、フックセレクトなど細かいコンテンツも満載。第2特集で取りあげるスイムジグとチャターベイトタイプも見逃せない内容です!
ダウンショットリグを得意とする
ふたりのアングラーが使用法を徹底解説!
クランキング・テクニックの基本から応用まで
関和学さんが丁寧に解説!
2017/5/24