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編集部2016年10月13日

大津清彰×秋の利根川 確信のマッチ・ザ・ベイト :第1回(全4回)

Basser バス釣り

マッチ・ザ・ベイトを実践するためバスの「食」を調べて釣果を伸ばしている大津清彰さん。そんな大津さんに「バスとベイトと釣り」に関連する諸説の真実と、深まる秋の釣りの楽しみ方について訊きました。

バスの”食”から有効なルアーとアクションが見えてくる

Basser編集部=写真と文

大津清彰さんに10月の利根川で釣りをしながら解説をお願いした。当日の状況は第3回「″時合″は存在するか」で詳しく紹介する

ベイトの種類を踏まえてルアーをセレクトするマッチ・ザ・ベイトはバスフィッシングにおいて重要な考え方だ。
しかし、当然ながら、実際にバスが何を食べているのかを知らなければマッチ・ザ・ベイトは実践できない。
大津清彰さんは「じゃあ、調べてみよう」という シンプルな発想でバスの”食”を調べ始め、得られた情報を釣りに反映して釣果を伸ばしている。
そんな大津さんに「バスとベイトと釣り」に関連する諸説の真実と、深まる秋の釣りの楽しみ方について訊いた。


※この記事は2009年12月号に掲載されたものを再編集しています

ootsu003◎解説=大津清彰(おおつ・きよあき)

1979年東京都生まれのO型。株式会社ティムコに勤務しながらTBCに参戦。2009年に年間総合成績2位。2010年第2戦、2012年第3戦で優勝。2016年の年間成績は3位。バス釣りだけでなくインドアな趣味ももつ。

ブログ「うなぎいぬにっき┌(‘ω’┐)┐利根川のバス釣りとか、いろいろ」やTwitterでさまざまな情報を発信している



まずは”隊長”のご紹介


 大津清彰さんは現在、株式会社ティムコに勤務するサラリーマンであり、サンデーアングラーである。釣行は月に2、3回。ホームは利根川で、2009年のTBCトーナメントでは年間2位に入った。野尻湖や八郎潟へ遠征することもあり、高滝湖や霞ヶ浦を釣り込んでいたこともある。

 遡れば、並木敏成さんを輩出した東京水産大学(現・東京海洋大学)釣り研究同好会に籍を置き、会長を務めた経歴をもつ。ちなみに卒業論文のテーマは、並木さんから引き継いだ「精進湖におけるブラックバスの釣獲調査」。当時の大津さんは「自分は魚が好きなのか、釣りが好きなのかわからなかった」という。

 大学卒業後は鮮魚店に就職。魚好きにはたまらない職場だったが、あまりの就労時間の長さに釣りがまったくできなくなり、「自分は釣りのほうが好きなんだ」と悟る。ややあって「ここなら釣りができそう」と選んだ再就職先が現在の職場であるあたり、釣り雑誌の編集部員としては親近感を覚えずにはいられない(不純な志望動機とか)。

 そして2008年11月号(No.203)の「ストマック調査隊が行く!」という記事に隊長として登場。フライフィッシングに倣い、バスの胃の内容物を調べて感じたことのサワリをさらりと書いていただいた(これも機会があればsiteBで紹介したい)。

ストマックチェック


 ストマックチェックとは、おもにシビアなマッチ・ザ・ハッチが求められるフライフィッシングで行なわれる魚の胃の内容物調査のことで、マス類の場合は専用のストマックポンプという器具を用いる。ただし、バスの場合はこの器具で調べることができないため、大津さんは「内径約2cmの肉薄で透明なアクリル製の筒」を用い、これをバスの口腔から差し入れてストマックチェックを行なっている。

 適切かつ速やかに行なえばバスへのダメージはほとんどない(お腹は減るだろうけれど)。昨年の「ストマック調査隊が行く!」もこの手法で取材し、チェック後のバスをライブウエルにキープしてたしかめたが、弱ることはなかった。

 大津さんがバスの胃の内容物を調べるようになって6年(※取材時)。バスの食事情は、本当のところどうなっているのか。

メインベイトにルアーのサイズを合わせると……


 ワカサギが放流されているフィールドや、極端に閉鎖的な水域(溜め池など)を除けば、全国的にバスのメインベイトになっているのは小型のエビやゴリ(以下、エビ・ゴリ系)だ。いずれも障害物に張り付くようにして暮らし、数が多いのが特徴。この「数が多い」というのが重要で、バスは基本的に簡単に獲れるベイトを食べている。エビ・ゴリ系よりも簡単に獲れるベイトがいる釣り場、たとえばワカサギが放流されているフィールドのバスのメインベイトは、時期にもよるがワカサギ(以下、魚類系)である。

 「平均的な大きさのバス(25~35cm)をたくさん釣る」なら、エビ・ゴリ系フィールドでは縦の釣りが、魚類系フィールドでは横の釣りを主体に釣りを組み立てるといい。ちなみに、魚類系フィールドのバスのほうがルアーに対する反応はアグレッシブだそうだ。

 その際、とくにエビ・ゴリ系フィールドで大津さんが感じているのが、「一般に用いられているルアーは、バスが実際に食べているベイトに比べて大きすぎる」ということ。誤解がないように繰り返すが、この項では「平均的な大きさのバス(25~35cm)をたくさん釣る」ことに絞って話を進める。テキサスリグに用いるホッグ系を例にすると、4inは大きすぎ。ルアーとしての扱いやすさも兼ねて3inがお薦めとのこと。このサイズのテキサスリグでエビ・ゴリ系がいそうな消波ブロック帯やカバー周りを探れば、手堅く釣果を得ることができる。

 大津さんがTBCで年間2位に入ったのは、この理論に基づいてフリッピングを極めたからである。ただし、「利根川でテトラを撃ったら、釣れるのはよくても1kgまでの魚です。安定感はありますが、勝てない釣りです(苦笑)」。

ootsu004 フリッピングで消波ブロック帯をスピーディーに流す、エビ・ゴリ系パターンの釣り。この釣りでキャッチできたのが、ページ冒頭の1尾。サイズが小さいのは想定内で「安定感はありますが、(TBCでは)勝てない釣り」だという


ootsu0081尾目のバスからはこの時期には浅場にいないはずのテナガエビ(約6cm※ヒゲを除く)が出てきた。ディープとシャローを行き来しているバスなのか、それともこのエビが変わり者なのか……。殻に透明感があることから捕食されて間もないことがわかる

エビ・ゴリパターン用のルアー 216_ootu-06
フラッピンホッグJr. (ティムコ×ゲーリーヤマモト)+5gバレットシンカー+キロハイパー#1(デコイ)

 大津さんが、おもに消波ブロック帯でのエビ・ゴリパターンに用いるリグで、マッチ・ザ・ベイトの観点からは「サイズ」にこだわりがある。また、ルアーとしての機能面では、コンパクトサイズながら高比重のゲーリーマテリアル製でウエイトがあることが挙げられる。5gという比較的軽量なシンカーと組み合わせてもルアーに自重があるため、プレゼンテーション(フリッピング)がしやすいからだ。

 なお、サイズはベイトに合わせているが、動きは必ずしもそうではない。消波ブロック帯という、バスにとって死角が多いエリアの特徴を活かし、フォール中に見え隠れするルアーをバスに反射的に追わせて口を使わせるイメージで使用する。そのため、フリップしてリグが着底したらシェイクなどの誘いは行なわない。速やかにピックアップして次のプレゼンテーションへ移行し、手数を重視してフォール中と着底後のリアクションバイトだけをねらっていく。なお、フォールスピードを上げるために、水の抵抗を受けやすいカールしたパーツをカットしている。



ベイトフィネスジグ3.5g+フラッピンホッグJr. (ティムコ)

 それほど込み入っていないブッシュの中やゴロタエリアに立つ杭の周辺など、比較的バスの視界が利きやすいエリアで用いる。これもエビ・ゴリパターン用のルアーだが、リアクションバイトねらいのテキサスリグに対して、こちらはバスに見せて誘って食わせるためのもの。

 スプリットリングでヘッドとオフセットフックが連結されている構造のベイトフィネスジグを使う理由はおもにふたつ。ひとつは、好みのヘビーワイヤー製フックをセットできるので、太いラインとベイトタックルに組み合わせて障害物の内外を探れるから。もうひとつは、トレーラーの動きの自由度が高く、よく釣れるから。また、ヘッドとフックが固定されていないので、バスのヘッドシェイクなどによるバラシが少ないことも魅力だという。


スモラバはエビ・ゴリ系フィールドで使いたいルアーのひとつ。Basser2016年11月号では名手と呼ばれる人たちがいかにしてこのルアーを使いこなしているのかを特集しています!

↓表紙クリックでBasser2016年11月号の試し読みができます basser11

  

2016/10/13

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