11~1月、冬の霞ヶ浦オカッパリ。ビッグベイトがもっとも輝くのはキツい冷え込みの初日だと佐々木勝也さんは言い切った。なぜか?
チャンスは冷え込みの初日!?
写真と文=編集部
この記事は『Basser』2022年1月ビッグベイト特集号に掲載したものを再編集しています。Basserのバックナンバーは定期購読をお申し込みいただくとデジタル版バックナンバーが4年分以上読み放題! 詳しくはこちらをどうぞ!11~1月、冬の霞ヶ浦オカッパリ。ビッグベイトがもっとも輝くのはキツい冷え込みの初日だと佐々木勝也さんは言い切った。なぜか?
佐々木勝也(ささき・かつや)
1988年生まれ、岩手県出身。2018年から霞ヶ浦周辺に移住し、わずかな時間でもオカッパリに繰り出す日々を送っている。常に45cm超のビッグフィッシュを求めている。もっとも好きな釣りはビッグベイティング。
◆関連動画:今江克隆選手のビッグベイトに水面バイト!霞ヶ浦のビッグベイトが1番釣れるのは『冷え込みの初日』
イナッコが溜まる水深30cmでバンクフラッターに出した48cm。2020年11月18日の釣果
2020年の11月23日に北利根川で釣った45cm。ルアーはタイニークラッシュ。水深30cmほどの階段状の垂直護岸にイナッコが溜まっていたため通すとヒット
「雨が温かいなぁ……。残念」
11月9日の朝、佐々木勝也さんは意外な言葉をつぶやいた。晴れの日が続いており、この日は久々のローライト。しかも水温が下がらない温かい雨はビッグベイティングに最高だと思ったのだが……。
「霞ヶ浦のオカッパリでビッグベイトが1番釣れるのは『冷え込みの初日』。もしくは『冷え込み2日目の朝イチまで』。これは間違いないと思います。2、3月の早春と11月後半~1月上旬に寒波の予報が出ると本当に嬉しいですね」
この言葉をひとつずつ整理していこう。まず、霞ヶ浦のオカッパリでビッグベイティングが成立する時期について、佐々木さんは1年中OKだと考えている(1月中旬から2月中旬はバイト数が極端に減るが、これはどの釣りをしても同じ)。そのうえで、45cm超のビッグフィッシュが1日で3~5尾出る可能性すらあるのが早春と晩秋~冬の低水温期だ。
「水温が10℃を割るころになると、甲殻類が活動しなくなり、バスの捕食対象がワカサギとイナッコに集中してビッグベイトへの反応がよくなる。小魚をドシャローで捕食する魚がビッグベイトのメインターゲットです。ビッグベイトを投げてエビが逃げるシーンを見なくなると『始まったな』と思いますね」
佐々木さんがビッグベイトでねらう相手のイメージは明解。「風でシャローに押し寄せられたイナッコやワカサギをねらうシャローカバーのバス」である。だからサギやカイツブリなどの魚食性の鳥はエリア選択の目安にしている
では、低水温期にさらに寒波を心待ちにする理由は?
「1番の理由は、霞ヶ浦のビッグフィッシュが冷え込みの初日にフィーディングモードに入るからです。『今日食わないと明日は身体が動かないかも』と思うのかもしれないですね。寒波の初日に荒食いして、長くて2日目の朝まで活発な状態が続きます。そしてそのあとは一気に食わなくなる」
天候に関しては、荒れたほうがバイトが出やすい。冷たい雨に風が絡めば最高だという。濁りも歓迎。ただし、風が強すぎて底荒れが入るようだとバイトは一気に減る傾向がある。「底荒れが入らないレベルの風」がベストだ。
もちろん、この釣りが大好きな佐々木さんは最高とは言えない条件の日もビッグベイトを投げ続けてきた。霞ヶ浦に引っ越してきて4シーズンで見えてたのは、気温が安定した状況で釣れるのは35~45cmのビッグベイトにしては小ぶりなバスが多いということだ。そして、40cmまでの中型が釣れる日はビッグフィッシュが混ざる可能性が非常に低いと感じている。