シャッドを得意とするアングラーはタックルもシビアに選んでいる。 なかでもリールにこだわりをもっているのが橋本卓哉さんだ。 前回までベイトフィネスリールのメリットを解説してもらったわけだが、今回は実際の釣り場でそれがどう活きてくるのか、冬の霞ヶ浦で見せてもらおう。
12月の霞ヶ浦でアドバンテージを確認!
Basser編集部=写真と文
シャッドを得意とするアングラーはタックルもシビアに選んでいる。なかでもリールにこだわりをもっているのが橋本卓哉さんだ。
前回までベイトフィネスリールのメリットを解説してもらったわけだが、今回は実際の釣り場でそれがどう活きてくるのか、冬の霞ヶ浦で見せてもらおう。
※この記事はBasser2016年2月号に掲載された記事を再編集しています。
ロケは有効なシチュエーションの実例集に
SLPシャッドチューン搭載のベイトフィネスタックルのメリットを実演してもらうため、霞ヶ浦にボートを出したのは12月9日。うかうかしているとあっという間に陽が暮れてしまうシーズン。短い実釣時間のなかで、橋本さんがメインでねらったのは石積みや消波ブロック帯、浚渫跡、ミオ筋といったスポットだった。そして、タックルセッティングが効果を発揮したシーンを見ることができた。
●石積み、消波ブロック帯
石積みや消波ブロック帯では、バスがその隙間や周囲にこぼれた石の周辺にいることを想像して釣りをする。バスの目の前にルアーを通せるよう、石や消波ブロックの隙間をねらって、タイトにキャストを決めていく。これはキャスト精度の高いベイトタックルならでは。
リトリーブにはスタックのリスクが付きまとうが、感度の高さを生かして事前にラインテンションやアクションの変化を察知し、ロッドワークで根掛かりを回避できる。これをスピニングでやろうとすると、ラインがスプールにダイレクトに巻き取られない分、巻きでの察知が遅れ回避の動作がワンテンポ遅くなってしまうという。
バスがアグレッシブにルアーを追う季節ではないので、キャスト回数を増やしてシャッドがバスの目の前を通る確率を増やせればそれだけチャンスも増える。奥行きの深い消波ブロックの隙間など、ここぞというところには角度を変えて複数回ルアーを通した
●浚渫跡、ミオ筋
この日は水温10~11℃前後と比較的暖かかったこともあり、ブレイクの上側を重点的にねらった。ブレイクのショルダー部にバスが付いていることを想定し、等深線に対して平行に近いダウンヒル気味のコースでリトリーブ。ショルダー部をなるべく長く引くことでバイトチャンスを増やす。
ボトムにコンタクトさせながらのリトリーブで長く引くためには根掛かりを回避することが重要。スタックとバイトを正確に判断するためにここでも巻き感度の高さが生きてくる。とくにショルダーのトップから沖に向かってルアーが離れる瞬間はバイトが出やすいので、引き抵抗の変化を正確に把握したい。
この日は、橋本さんが「冬の夕マヅメは偉大」というように、午後3時を回ってから魚の反応が頻発するようになった。釣りを切り上げる4時までの残り1時間でキャストできる回数だけチャンスが増える。ベイトタックルの手返しのよさが効果を発揮する。橋本さんの感覚ではスピニングタックルに比べて1.3~1.5倍は多くキャストできるのだという。
このときねらっていたのは、東浦・柏崎と霞ヶ浦大橋の中間ほどにある消波ブロック帯。あやしい感触が伝わるたびに「今アタッたけど食ってないな、コイか何かの身体に当たったか……」「今は乗りかけた……」というふうに神経を研ぎ澄ませて、アワせられるバイトを待つ。
そして1バラシのあと、ハイカットDR-SPにて1㎏アップをキャッチ。細軸フックが薄皮一枚で1本掛かりしたドキドキモノのファイトだった。
納竿まで残り30分の夕マヅメに1㎏アップがヒット。冬の夕マヅメはビッグチャンスだ。「バスがその日の水温に慣れたタイミング。ひと踏ん張りしてエサを食べるのでは?」と橋本さん
この季節のバスはバイトして反転することはまれで、モタッと巻き抵抗が重くなるだけのアタリが多い。このバスも皮一枚の外掛かりだった。フックはトレブルRB-M(がまかつ)に交換していた。細めの軸でフックアップ率向上が期待できる
冬はアングラーにとって寒さで集中して釣り続けるのが難しい季節だ。そのなかでアングラーをサポートしてくれるリール選びにどれだけシビアになれるか。こだわり抜いてタックルを選んだ恩恵が貴重な1尾として返ってくるのだ。
「シャッドのタックルは厳寒期だけでなく11月から4月まで活躍するから、本気でシャッドをやりたい人は専用のリールを使ってみようよ!」と橋本さん。
橋本さんのタックルセッティングは霞ヶ浦以外でも活躍する。たとえば太いラインが使えるので、ウイードレイクでウイードをカットしながら巻いてくる釣りがやりやすい。また、アキュラシーが高く、手返しが増やせるという点はリザーバーでも山上湖でもバイトチャンスを増やすうえで大きなアドバンテージだ。B
●橋本卓哉さんの勝負シャッド
※潜行深度は橋本さんのセッティング(8~12Lbを使用)でのおよその値
上段左:D-シャイナー・シャロー(ダイワ/潜行深度1.2~1.3m)
浅いエリア、根掛かりが多発するエリアで扱いやすいモデル。今回の実釣ではショートキャストで水深0.5~0.8mのレンジをねらった
上段右:ハイカットSP(O.S.P/潜行深度1.5~1.8m)
スローなポンプリトリーブやドラッギング気味に引きたいときに投入する
中段左:想流シャッド52SP(ジャッカル/潜行深度1.3~1.5m)
D-シャイナー55SPとのローテーション要員で少し浅めのレンジを引きたいときに選ぶ
中段中:レアリスシャッド59MR(デュオ/潜行深度1.5~1.8m)
根掛かりが少なく、オールマイティーに使えるモデル。D-シャイナー55SPとローテーションして使う
中段右:D-シャイナー55SP(ダイワ/潜行深度1.3~1.6m)
橋本さんのシャッドローテーションの基軸となるモデル。消波ブロック帯やリップラップを投げるときには最初に選ぶ
下段:ハイカットDR-SP(O.S.P/潜行深度1.8~2.0m)
D-シャイナー55SPよりも一段深いレンジを引きたいときに使用。今回のヒットルアー
もうすぐ冬の入り口、12月。年内最後のバスを釣るためのカギは「中層」にありました。特集の冒頭では、山岡計文さんが「バスはボトムにいない。だから私はボトムを釣らない」と、自身の経験に基づく「ボトム否定論」を展開。
さらに北大祐さんはディープクランク、平川皓也さんはジャークベイト、川村光大郎さんはラバージグ、伊藤巧さんはネコリグと、4者4様の中層攻略テクニックを公開します。
台風の影響でワンデイ戦となったJBTOP50最終戦では、青木大介さんに密着取材。年間タイトルに王手をかけながらも正午までノーフィッシュ。吐き気をこらえ、苦しみ抜いた戦いの記録は必見です。そして後日のインタビューでは「驚きの展望」が語られます。
また、この霞ヶ浦戦を勝った関和学さんのパターンを追加取材を行なって詳報。ベイトフィッシュに着目した、消波ブロック帯の「中層」を釣る技は必見!! 寒い季節の一尾に繋がるヒントが盛りだくさんです。
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