巻き物を得意とするアングラーは例外なくキャストが上手い。
今日ではダブルハンドでキャストする人が大勢を占めているが、
頑なにシングルハンドキャストを貫く人もいる。
彼らはなぜ片手で投げ続けるのか、
その疑問を解決するため霞ヶ浦湖畔に吉田幸二さんを訪ねた。
クランクベイトの名手はシングルハンドキャストを貫いている
Basser編集部=写真と文
巻き物を得意とするアングラーは例外なくキャストが上手い。今日ではダブルハンドでキャストする人が大勢を占めているが、
頑なにシングルハンドキャストを貫く人もいる。
彼らはなぜ片手で投げ続けるのか、
その疑問を解決するため霞ヶ浦湖畔に吉田幸二さんを訪ねた。
この記事はBasser2014年7月号に掲載されたものを再編集しています。
解説=吉田幸二(よしだ・こうじ)
吉田幸二さんのブログ「熱血! 幸運児」
1951年3月16日生まれ。日本で最初にバスプロ宣言をしたアングラー。昔ながらのシングルハンドキャストを貫く。日本のバスフィッシング黎明期から培った圧巻のクランキングで1998年のオールスタークラシック優勝を筆頭に、数々のトーナメントで輝かしい成績を収める。NPO水辺基盤協会代表
キャストの基本はシングルハンド
巻き物で釣果を伸ばすうえで重要なことは引きたいコースに正確にルアーを通すことだ。
リトリーブコースがプロダクティブゾーンからずれてしまえば、バスはルアーに気づかなかったり、追うのを諦めたりしてしまい、バイトのチャンスを失ってしまう。
ねらったコースをリトリーブするためにまずクリアしなければならないのはキャストだ。
ねらったスポットにルアーを着水させ、イメージどおりのコースをリトリーブするために、あなたはどんなフォームでキャストしているだろうか?
おそらく利き手の人差し指をロッドのトリガーにかけてグリップし、もう一方の手でリアグリップをつかむダブルハンドスタイルが多数派だろう。
しかし、シビアなコース取りが必要となる巻き物をシングルハンドでキャストし続けている人がいる。その代表格が吉田幸二さんだ。
吉田さんといえば日本のバスフィッシングを黎明期から開拓し、国内で初めてバスプロとなったクランキングの名手。
「キャストの基本はシングルハンドだよ。俺もダブルハンドがカッコいいなぁなんて思ってビュンビュン投げてたときもあったんだけどさ、アキュラシーと手返しのよさを考えたらやっぱりシングルハンドキャストがいいな」
吉田さんは利き手(右手)のヒジと手首だけを使って、多くの場合オーバーヘッドでキャストしている。
アングラーの正面にまっすぐリトリーブコースを作るために、リリースタイミングが多少ずれても正面方向へルアーを飛ばせるオーバーヘッドでキャストするのは納得できる。
しかし、なぜ片手でキャストすることで、アキュラシーと手返しがよいというメリットが得られるのだろう。
百聞は一見に如かず。シングルハンドキャストのメリットをこの目で確かめ、キャストの基本を教えてもらおうと、吉田さんに実演と解説をお願いした。
吉田幸二さんのクランキングタックル
※取材当時のタックルですクランクベイトの名手として知られる吉田さんは、クランクベイトの大きさにあわせて3種類のタックルを用意していた。
注目すべきなのはルアーのウエイトに対してかなり軟らかめなロッドを選択していたこと。
テイクバックでロッドをしっかりと曲げられる組み合わせだ。
写真を見ると4.5gの小型クランクから15.75gのフルサイズのクランクまで同じようにロッドにウエイトが乗っているのがわかる。
「筋力に自信のない人でもワンランク軟らかいロッドを使えば同じようにキャストできるよ」と吉田さん。
ちなみにリールのブレーキ設定は、スプールがカタカタ動かなくなるまでメカニカルブレーキを締め込み、状況に応じてマグネットブレーキを調節すればOK。
吉田さんはブレーキ目盛を6~8の強めに設定することが多い。
- 小型クランク用
- ロッド:テクナGP TF-GP61CL J(ライトパワー、ティムコ)
- リール:スティーズSV6.3R(ダイワ)
- ライン:ナイロン12Lb
- ルアー:レズリー・クランク(4.5g、ウッドリーム)
- 中型クランク用
- ロッド:テクナGP TF-GP62CML J(ミディアムライトパワー、ティムコ)
- リール:リベルトピクシー(ダイワ)
- ライン:ナイロン16Lb
- ルアー:ウォーリーSR(14g、ウッドリーム)
- 大型クランク用
- ロッド:テクナGP TAV-GP60CML J(ミディアムライトパワー、ティムコ)
- リール:TDジリオン4.9 100P(ダイワ)
- ライン:ナイロン16Lb
- ルアー:ノーネイム・クランク#2/0(15.75g、ウッドリーム)
明日使えるテクニックから
国内外のトーナメント情報まで
2016/06/11