深瀬は攻めにくい。そこで小澤さんはいつもの背バリにオモリ0.8~1号をセットして引くのである。しかもサオを水面から45度くらいの角度にして、やや立て気味の構えで引く。いわゆる上方テンションの操作である。
ストロング・テンションの技を紹介!
写真と文◎編集部
いよいよアユ釣りも本番である。瀬の各所に強い魚がナワバリを張り巡らせ痛快なアタリを楽しませてくれる。そこで、この夏に思い切って試してほしいのがオトリを強く引ききるストロングな操作である。かつては「オトリの鼻を引いてはいけない」と言われた時代もあるが、そんなことはない。より激しい操作が新たな入れ掛かりを生み出すかもしれないのだ。
この記事は月刊『つり人』2020年9月号に掲載したものを再編集しています
◆梅雨明けに試したい鮎釣りの技「強制ボルダリング引き」篇はこちら >>深瀬・深トロの石のてっぺんを通すオモリ+背バリセットの45グリ
「強制ボルダリング引き」を試してみたい。けど、マッチする道具立てがないという釣り人もいるはず。そこでおすすめしたいのがオモリ+背バリによる「45グリ」という小澤剛さんおすすめの釣法である。特に効果的なのが深場である。
アユは深場に溜まる。淵は瀬に差すアユの補給源になり、手付かずのポイントであることも多い。特に水通しのよい深瀬、深トロは梅雨明け以降の暑さ厳しいころに連発することが結構ある。しかし深瀬は攻めにくい。押しが強くてオトリが浮きやすいからだ。そこで小澤さんはいつもの背バリにオモリ0.8~1号をセットして引くのである。しかもサオを水面から45度くらいの角度にして、やや立て気味の構えで引く。いわゆる上方テンションの操作である。
小澤さんの45グリの構え。サオを寝かせすぎず水面からのサオ角度を45度くらいにして強めのテンションでグリグリと引く。それが「45グリ」である
オモリは0.8~1号。ハナカンまでの距離は20cmほど。もちろん小澤式背バリをセットすること
目印の動きはイヤイヤと暴れるほどではなく、かといってスイスイついてくる感じでもない。テンションが乗って微妙に上下する動きで、引き上げる意識を強くもって操作する。深瀬に立ち込んでの釣りを想定すると水流が強いため足を使ってオトリを引き上げるのは難しい。ある程度のストロークをサオで引いては下り、ポイントを探っていくしかない。
イメージとしては深瀬に沈む大石のてっぺんをオトリで撫でるような感じだ。それこそオトリは時にバランスを崩し、ヒラを打つような恰好もする。オモリを使う人は分かるだろうが、強く引き上げた時にオモリ下のオトリがビラビラとヒラを打つことがある。これが誘いにもなるのだと思う。なぜならその姿は石を食む姿にも見えるからだ。
こうした強いテンションの釣りが効くのは盛期以降である。渇水よりは高水。特に水の引き始めはチャンス。強く引いている最中にガツーンと掛かるのは痛快そのもの。ぜひとも梅雨明けの川で、試していただきたい。
アユのストック量の多い深瀬を吊り上げ気味に引く。強テンションの45グリが2019シーズン小澤さんのお気に入りの釣法だった
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上田弘幸さん、小澤剛さん、瀬田匡志さん、廣岡昭典さんが出場した鮎釣り頂上対決のライブ配信をアーカイブ公開中!!