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編集部2022年9月10日

【ちょい投げ】飛距離を伸ばせるキャスト方法を検証! 前編

海の岸釣り シロギス 魚種別釣りガイド

秋はシロギスが接岸してくるのでチョイ投げでも釣りやすくなる。とはいえ遠くへ投げられれば気分爽快だし、波などの条件に左右されにくく釣果も期待できるはずだ。飛距離を伸ばすための工夫で一番簡単なのはタラシの長さを変えること。ベストな長さを実際の仕掛けを使って探してみた。

よく飛ばせるタラシの長さは!?

文◎高木翔太

 秋はシロギスが接岸してくるのでチョイ投げでも釣りやすくなる。とはいえ遠くへ投げられれば気分爽快だし、波などの条件に左右されにくく釣果も期待できるはずだ。飛距離を伸ばすための工夫で一番簡単なのはタラシの長さを変えること。ベストな長さを実際の仕掛けを使って探してみた。

この記事は月刊『つり人』2021年11月号に掲載したものを再編集しています

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タラシの長さで飛距離は変わる!?

シロギスは波打ち際まで接岸してくる秋は20~30mキャストできれば釣れる見込みは充分。ただ、さらに遠くへ仕掛けを投入することで効率よく釣ることができる。シロギスは群れているため、一度アタリがあったポイントと同じところに仕掛けを投入することでより多くのコンタクトが得られる。仕掛けを遠くへ飛ばし広範囲を探ることで、群れのいる場所を確かめることができる。

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大海原に思いっきりキャストするのは気分爽快!

また、波打ち際近くではピンギス、少し沖には良型のように、岸からの距離によって群れている魚の大きさが異なっていることが多い。もちろん近くに良型がいるパターンもあるだろうが、より大きな魚を釣りたいなら仕掛けを飛ばす技術は必要になってくる。

飛距離を伸ばす方法としてよく言われているのがタラシの長さを変えること。タラシは長いほどオモリに遠心力が働き飛距離が増すという。それが本当であればタラシの長さを変えるだけというお手軽な方法で飛距離アップが見込める。このことを検証するために、タラシの長さを変えて飛距離の測定を行なった。

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タラシ30cm。サオが曲げにくく飛距離もでない

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タラシ80cm。扱いやすく、サオも曲がる

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タラシ160cm。サオに対して長すぎて扱いにくく、飛距離もでなかった

測定に使用したタックルは9フィート・MLクラスのシーバスロッド。2500番のスピニングリールにラインは0.8号のPEを巻いてある。チョイ投げでよく使われる標準的な道具立てだ。飛距離はラインのカラーマーカーによって測定した。仕掛けは6号のジェットテンビンに全長1.4mの3本バリを結んだ。検証したタラシの長さは3種類。30cm、80cm、160cmでそれぞれ3回ずつオーバーヘッドキャストにより飛距離を測定した。測定時、風は海に向かって左から右、風速1~2mほどの強さで吹いていた。

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今回使用したのは6号のジェットテンビンと全長1.4mの3本バリ

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細かいパーツの多いリールには砂が天敵。ロッドホルダーやサオ立てを用意して、砂浜に直に置くことは絶対に避けよう

結果は表のようになった。タラシの長さ30cmでは平均して50m以下と最も飛距離が短く、ついで160cmの平均58m、最も飛距離が出たのは80cmで平均68mという結果になった。

 

タラシの長さ 1回目 2回目 3回目 平均
30cm 45m 46m 53m 48m
80cm 71m 64m 69m 68m
160cm 51m 60m 64m 58m

 

飛距離を出す上で重要なのはサオに負荷をかけていかに曲げるかということ。サオの反発力を最大限に活かして投げられるようになると飛距離も出やすい。タラシの長さが30cmだとサオを思ったように曲げることができず飛距離が伸びなかった。

一方、タラシ80cmだとしっかりとサオを曲げることができたため、飛距離も伸びた。普段から投げ慣れている長さだったことも最も飛距離が出た要因だろう。タラシ160cmだとサオを構えた段階で仕掛けが地面に着いている状態からのキャストとなる。この仕掛けが地面についている状態は4m程度のサオを使う投げ釣りでは一般的なスタイルだが、9フィートのサオではタメを作りきれずこのような結果となった。

タラシだけじゃない。投げ方も重要

次にタックルは同じく、ペンデュラムキャストでの計測を行なった。なおタラシ30cmだとペンデュラムキャストが難しいため今回は計測しなかった。

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ペンデュラムキャストは仕掛けを前後に振り、オモリが振り子の頂点に来たときキャストする

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ペンデュラムキャストは振り子のように前後に仕掛けを振って、後方の頂点に来たときに前方に向かってキャストする。仕掛けの重さをしっかり感じながらキャストができるため、タラシが長くても安定して飛距離を出すことができるのが特徴。

タラシ160cmで平均65mとオーバーヘッドと比べて飛距離が伸びた。一方、タラシ80cmではペンデュラムでもオーバーヘッドでも違いはほとんどなかった。

 

タラシの長さ 1回目 2回目 3回目 平均
80cm 71m 65m 69m 68m
160cm 69m 66m 60m 65m

 

結果をまとめるともっとも飛距離の出る組み合わせはタラシの長さ80cm(サオの半分の長さ)でオーバーヘッドまたはペンデュラムでのキャストであった。投げ方はどちらでもさほど違いがないため自分の慣れているほうを選ぼう。ただ、ペンデュラムのほうが少ない力でキャストできるということもあり、何度もキャストを繰り返すこの釣りではペンデュラムキャストができると疲れにくくてよいだろう。

オーバーヘッドが体の軸に対してまっすぐにサオを振り抜くのに対して、スリークォーターキャストは斜めにサオを振り抜く投法である。スリークォーターだと胸を大きく開いて投げるため腕の力に体の捻りが加わるため、より飛距離が伸ばせるとされている。しかし、体全体を使ってキャストするため慣れていないと体力の消耗が激しい。遠くに飛ばすことも釣るための大切な要素だが、さらに大切なのは投げ続けること。時合が来る前に体力を使い果たしてしまうのはもったいない。自分の慣れている投げ方で無理なく釣ることが釣果を伸ばすことにつながるのだ。

 

後編「秋はチョイ投げにオススメの季節」へ続く……


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