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編集部2022年8月20日

冷蔵庫の食品をエサにハゼ釣りチャレンジ 後編

ハゼ 魚種別釣りガイド

アオイソメが手に入らない環境でハゼを釣りたくなったとき、食品エサはまさに特エサになる可能性も秘めている。9月に入って、秋の彼岸を迎えるとミニハゼたちも8cm以上に育ち、中には10~13cmの良型が混じる。そうなれば食品エサのハリ掛かり率も高まるだろう。

予想以上にアタリが出る! いちばん釣りやすかったのは!?

文・写真◎葛島一美  

 季節は夏ハゼから秋の彼岸ハゼに移ろい、陸っぱりハゼ釣りの絶好機が続く。定番エサはアオイソメだが、最近では本来はおかずやおつまみの食品類をエサに楽しむファンが増加中。小物釣り大好きな釣輪具雑魚団の旧友たちも興味津々で江戸川放水路の桟橋に集合した。顛末やいかに。

この記事は月刊『つり人』2021年9月号に掲載したものを再編集しています

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ハリへのセットに工夫は必要だが予想以上のアタリ

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大きな木製エサ箱には食品エサのフルコース。上段左からヤリイカの刺し身、むきエビ、鶏のササミ、下段左からベビーホタテ、シラス、釜揚げサクラエビ

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釣り開始早々から苦戦したが、坂本さんと松本さんは同時ヒットで士気を高める

 

 午前7時20分、食品エサの一番手として団員に配られたのは小型サイズの釜揚げサクラエビ。これは難なく釣れるだろうと思いきや1匹丸ごとの通し刺しは難しいらしく、早くも冷や汗をかいている始末。

「頭と尾羽根を切って、浅く通して振り込んだ途端に当たりましたが、一発でエサを取られました。それならばと残った頭だけを試しても全くハリに乗ってきません」(松本由紀夫さん)。

 近くの団員たちも同じく空振りの連続であっという間に30分終了。ここで意地悪な筆者は、二番手にも柔らか系のシラスを差し出した。

「シラスも釜茹でですが、身がボソボソなので通し刺しは無理です。1尾のチョン掛けの次は半分に千切った身を2つ掛けにもしましたが、フッキング率は最低です。シラス、サクラエビとも食いは悪くないですが、エサ付けに手こずりますし、せっかく振り込めても1回のアタリで一巻の終わりです」(金森健太郎さん)。

 2種類の食品エサを試した1時間後には、フッキング率が悪い理由が判明してきたようだ。

「7月後半の夏ハゼシーズンですから、時期的に小さい魚体が大半なのとミニフグというエサ盗りの仕業も大きいと思います。7~8cm級に育った早生まれのハゼならハリ掛かりしやすく、立て続けに数尾ヒットします。でも、周囲にひしめき合っている5cm未満の遅生まれのミニハゼはエサを丸ごと吸い込めないのが元凶でしょうね」(坂本和久さん)。

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「目測8cm、早生まれのこのサイズならフッキング率が高いです」と金森さん

 ここで悪い流れを変えるべく配られたのはベビーホタテ(ボイル)。すでに食品エサの一番人気として知られる実績エサを1個ずつ手渡した。ヒモと一緒にエラ、内臓を取り除いた貝柱を4分の1ほどに千切って指先で持ち、繊維を引っ掛けるように小片をハリ付けするのが基本だ。

「繊維に沿ってハリを入れるとすっぽ抜けてしまうので、ベテランの常連さんに倣って繊維に対して垂直にざっくりと引っ掛けるとうまくホールドしてくれます。また、小さくちぎり取ってから2~3回縫い刺ししたら、エサ持ちが少しよくなりました」(金森さん)。

「1投ごとにエサを付け直して集魚効果を高める、練りエサのオカメタナゴ釣りの感触に似ています。一点集中型の釣り方なので根気がいりますね」(松本さん)。

 そして、4番手は身の質感がしっかりとしたヤリイカの刺し身の出番。あまりに新鮮で匂いが弱そうだったことから、マルキユーの集魚用配合剤「ウマミパワー」のカキ味を絡めてみた。「ハリ持ちは抜群です。合わせ損ないを繰り返していると少しずつアタリの間隔が遠のいてきたのは集魚配合剤が薄まったせいでしょうかね。ハゼ用のエサとしては身が硬過ぎるかも知れません」(坂本さん)。

 続く五番手は赤みが差した透明な身とプリプリ感が美味しそうなむきエビで、サラダ用の半生製品だ。

「むきエビはハリ付けしやすく、ハリ持ちも良好。柔軟性がある身なのでハゼの吸い込みがよく、大きめのハゼが連続でヒットしました。使いやすい食品エサです。バナメイエビなど外国産の生エビも試してみたいです。甘エビだと柔らか過ぎるかも」(金森さん)。

 ラストを飾るのは食肉類を代表して、鶏のササミに登場を願う。カロリーが低い病院食でもあることから、マルキユーの集魚配合剤「アミノ酸α」でパワーアップを試みた。

「柔らかくて食い込みもいいんですが、ほぼ繊維質がないからハリにまとめにくく、見た目以上にエサ持ちが悪いです」(坂本さん)。

「集魚剤の効果が出るよりも先に、振り込むだけでエサが落ちてしまう感じです」(松本さん)。

 このように付けやすさとエサ持ちはそれぞれ一長一短があったものの、アタリの出方はどれも遜色がなく、エサの選り好みはあまり感じられなかった。

 こうして3時間におよぶ食品エサの就餌テストを終えた団員たちには30分だけ禁断のアオイソメエサをプレゼント。ほとんど干潟と化しているため、浮き桟橋先端部しか目ぼしい釣り場はなかったが、水を得た魚のように本来の入れ掛かりを楽しんだ。

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大潮回りの当日は正午の下げ潮いっぱいを待たず、午前10時には桟橋全域に干潟が広がった

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先端部の桟橋には数隻の釣り船が固定されており、ここでも釣り可能

「アオイソメの利点はハゼの大小サイズや食いの良し悪しに応じ、エサの大きさと部位を選ぶことができること。総合的にエサ持ち、食いっぷりとも申し分ありません」

 と、いつもの定番エサのありがたみをしみじみ実感。とはいえアオイソメが手に入らない環境でハゼを釣りたくなったとき、食品エサはまさに特エサになる可能性も秘めている。

 9月に入って、秋の彼岸を迎えるとミニハゼたちも8cm以上に育ち、中には10~13cmの良型が混じる。そうなれば食品エサのハリ掛かり率も高まるだろう。

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7月後半の夏ハゼ釣りシーズンで釣りやすい7~8cm級が少なく、5cm未満のミニサイズが大いに邪魔をしてきてこの結果

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食品エサはイソメが触れない女性ファンに好適だが、エサ持ちが悪く1投ごとにエサ付けを繰り返すため、チビッコには難しい。家族連れのお父さんは終日エサ付け係の覚悟が必要かも

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「思い立ったが吉日で、冷凍庫から取り出してすぐハゼ釣りに出かけられるのは食品エサのメリットですね」と坂本さん

 

各参加者の釣りやすかったエサランキング

参加者 坂本和久 金森健太郎 松本由紀夫
1位 ベビーホタテ むきエビ ベビーホタテ
2位 むきエビ ベビーホタテ むきエビ
3位 ヤリイカ刺し身 鶏のササミ 鶏のササミ
4位 釜揚げサクラエビ ヤリイカ刺し身 ヤリイカ刺し身
5位 シラス 釜揚げサクラエビ シラス
6位 鶏のササミ シラス 釜揚げサクラエビ

 

 

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マルヤ遊船問合先:江戸川放水路・行徳橋右岸/マルヤ遊船(tel.090・3514・3033)

営業時間:6~16時 定休日:火曜料金:桟橋釣りは大人1000円、子ども500円、ボートは2人乗り3000円~。貸しザオ無料、アオイソメ500円、仕掛け類など常備

交通:東西線・妙典駅から徒歩約20分。無料駐車場あり

 

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