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編集部2017年12月25日

ショウサイフグ釣り/今からできるカットウ釣り入門

ショウサイフグ 船の釣り 魚種別釣りガイド

現在、フグ釣りの主流は「カットウ釣り」だ。親バリのエサでフグをおびき寄せ、下のカットウバリ(イカリ型の掛けバリ)で引っかけて釣る。シーズン真っただ中の「外房のショウサイフグ釣り」をとおして、この釣りの基本を紹介しよう。

数がねらえて入門にもぴったり外房のショウサイフグ釣り

葛島一美◎まとめ

興奮して体を膨らませるショウサイフグ

現在、フグ釣りの主流は「カットウ釣り」だ。親バリのエサでフグをおびき寄せ、下のカットウバリ(イカリ型の掛けバリ)で引っかけて釣る。シーズン真っただ中の「外房のショウサイフグ釣り」をとおして、この釣りの基本を紹介しよう。

この記事は『つり人』2017年2月号に掲載したものを再編集しています。


ショウサイフグ・カットウ釣りの概要


 東京湾に比べてフグの数が多く、型もそろうことから人気なのが外房エリアのショウサイフグ釣り。12月上旬、この釣りの乗合船を長年実施している船宿の1つ、いすみ市大原港の敷嶋丸からショウサイフグねらいに出た。レンタルタックルは無料。カットウ仕掛けも船宿で購入でき、山本幸夫船長はビギナーにも気軽にアドバイスしてくれる。

116-118-shousai-kattou_cs6 (4) 外房の船宿は早朝出船のお昼上がり。真冬用の防寒対策は万全に!

116-118-shousai-kattou_cs6 (2)_1 ツルリとした体で背中に独特の模様を持つショウサイフグ。味のよさは折り紙つき

ショウサイフグのカットウ釣りを含む船釣り人気13魚種を徹底解説!
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男女を通じて人気・実力ともにトップクラスと誰もが認める〝忍ねえさん〟の船釣りノウハウや考え方を、初めて1冊に収録しています。理論を分かりやすくする、仕掛け図や釣り方イラストも豊富に掲載。東京湾、相模湾、千葉外房、駿河湾での四季折々の掲載魚種は、タチウオ、カワハギ、ヒラメ、マダイ、アジ、イシモチ、メバル、マゴチ、アマダイ、アオリイカ、マダコ、ショウサイフグ、キンメダイの13種。ビギナーには分かりやすく、ベテランにも目からウロコの上達のヒント満載で、海釣りの楽しさを知りたい、深めたいすべての人に見逃せない1冊です。


ショウサイフグの釣り場は水深5~25mライン


 外房のショウサイフグ釣り場は、大原沖を中心に航程30~40分ほどの太東沖から一宮沖にかけての水深5~25mラインがメインになる。「ショウサイフグの釣り場は、水深5~10mの浅場と20~25mある沖合の深場に分かれますが、今シーズンは冬に入っても浅場が好調です。新年以降も水深10m以内の浅場ねらいが続きそうですね」と船長。

116-118-shousai-kattou_cs6 (19) 釣り場の1つである太東岬沖。断崖の絶景だが意識は浅い海の底からのシグナルに集中

 バラ根周りの砂底を流すことが多い深場に対して、太東沖や一宮沖の浅場は岩礁根の真上を流す。そのため根掛かりと仕掛けのロスは起きやすくなるが、予備仕掛けは船に充分なストックがあるのですぐに追加購入できる。自分で用意する場合も仕掛けは5~6組はそろえて行きたい。

カットウ釣りのタックル


 カットウ釣りの専用ロッドは、穂先の先端部だけが敏感な9:1調子の極先調子で、鋭いアワセと同時に確実なフッキングをできるように、胴全体の張りが強い全長1.5~1.8mの短ザオに仕上げてあるものが多い。大原港出船のカットウ釣りには、使用オモリ25~30号にマッチした外房エリア用のカットウザオが好適だ。専用ロッド以外には全長1.8mクラスのカワハギザオも流用可能。ただし、その際はフグ用に比べて胴の張りが弱いため、ミディアムハードかハード表示の硬めのタイプを選ぶ。

 リールはカワハギ釣りや浅場のマルイカ釣りに用いる、PEライン0.8~2号を100m以上巻いた小型両軸受けリールが好適。PE0.8~1号の細イトの場合は必ずフロロカーボンハリス4~5号のリーダー1mを接続する。もう少し太い1.5~2号を使う場合でも、ハリ絡みなどのトラブル防止のためにはリーダーはあったほうが安心できる。

カットウ釣りの仕掛けは段差式2本イカリバリが主流


 大原出船で使用されるカットウ仕掛けは、親バリ付きのオモリ25~30号を介した長短ハリスの段差式2本イカリバリが主流。集魚効果が高いことから各色の夜光やラメ入りの塗装が施されたオモリが好まれる。

116-118-shousai-kattou_cs6 (8) タックルはオモリ負荷25~30号の極先調子カットウザオとPEライン0.8~2号を巻いた小型両軸受けリールの組み合わせ。カワハギ釣りタックルでも釣れる

116-118-shousai-kattou_cs6 (9) 大原出船で常用されるカットウ仕掛けは、オモリ25~30号の段差式2本イカリバリが主力。右から敷嶋丸オリジナル(オモリ30号)、市販の完成仕掛け2組、筆者自作仕掛け。浅場ポイントの根掛かり対策には長ハリスを切り、1本バリ仕掛けにスイッチする手もある

116-118-shousai-kattou_cs6 (10) 丈夫なステンレスのハサミ、先細ペンチ、ハリ研ぎ用シャープナーも必需品

 完成仕掛けのほかに、親バリ付きオモリやハリス付きのイカリバリといった各パーツを買い求め、好みの仕掛けを作るのも楽しい。

 エサは船宿で購入できるアオヤギが定番だ。これを一度に3~4個、親バリにたっぷり付ける。セット方法は船長による実演写真を参考にしてほしい。

アオヤギの付け方
116-118-shousai-kattou_cs6 (15) 外房のショウサイフグはアオヤギのワタを食べに来る。まず黒いワタの中心にハリを刺し通し、そのまま硬いベロに通す

116-118-shousai-kattou_cs6 (16) 同じ作業を「ハリに刺せなくなるまで(ハリ軸がすっかり隠れるまで)」やる。目安は3~4個。釣っている最中にキモがかじられてなくなったら適宜追加。余ったベロは残してもよいが、ベロだけの状態はフグが寄らず釣れない

カットウ釣りの釣り方は〝アワセ釣り〟が基本


 大原出船のカットウ釣りは、定期的な空アワセを組み合わせた〝アワセ釣り〟が基本テクニック。まずは着底して素早くイトフケを巻き取った直後に空アワセを入れる。これは落下中にエサを追ってきたフグを掛ける奇襲で、活性が高い時にはヒット率も高い。

116-118-shousai-kattou_cs6 (5) 「東京湾で少し湾フグ釣りを覚えたので、本日は外房初チャレンジです」と意気込む女性ファンにまずまずの型がヒット

 根掛かりが少ない砂底の深場ポイントでは、空アワセが不発に終わった場合、ミチイトを張りつつゆっくりと仕掛けを落とし込み、再び着底を確認したらオモリを海底に這わせたまま、ミチイトを張らず緩めずのゼロテンションで数秒から数10秒間待つ。

 アタリがない場合は、底から30~40㎝仕掛けをはね上げる気持ちで再び空アワセのシャクリ操作を加えたら、再び落とし込み見せエサのアオヤギをアピールする。基本はこの繰り返しだ。

基本の操作
116-118-shousai-kattou_cs6 (12) 釣るのは船下。仕掛けを垂直に落とすと絡みやすいので軽く前方に振り込む

116-118-shousai-kattou_cs6 (13) 着底後は素早くイトフケを巻き取り、落下中にエサを追ってきたフグを想定して空アワセを入れる

116-118-shousai-kattou_cs6 (14) ミチイトを張った状態で仕掛けを落とし込んでいき、砂地底ならオモリを海底に這わせたままゼロテンションで数秒から数10秒間アタリを持つ。岩礁根の場合はそれだとすぐに根掛かりするため、底を50~100㎝切った状態でアタリを待つ。アタリがあればすぐにアワセ。しばらく待って反応がない場合は、30~40cm仕掛けをはね上げる気持ちの空アワセを繰り返す


 一方、浅場ポイントは根掛かり多発地帯のため這わせ釣りができない。そこで着底直後の空アワセと同時に、仕掛けを底から50~100㎝切って、〝宙釣り〟状態でのアワセ釣りを行なう。「浅場ポイントでは根掛かり防止対策として、段差2本バリのうちの長ハリスを切って、1本イカリバリ仕掛けに切り替える方法もありです」と山本船長。

116-118-shousai-kattou_cs6 (18) ビギナーにも優しい山本幸夫船長

116-118-shousai-kattou_cs6 (6) 「岩礁根の浅場ねらいは思い切って、1m上のタナをねらう宙釣りで根掛かりを防止するのがキーポイントです」と敷嶋丸の常連さん

 ショウサイフグのアタリ方はコツッコツコツッとサオ先を叩いたり、カツカツカツッと絞り込むので、間髪入れずに鋭く小さく仕掛けをはね上げる気持ちで合わせることが肝心。フッキングしたら心地よい抵抗を感じながら一定のスピードで巻き上げてくればよい。

 仕掛けは船上で予備を買えない場合、根掛かりのリスクを考えて多めに用意しておきたい。敷嶋丸では船内に充分なストック(1個500円)があり、帰港後に精算する方式でその場で購入できる。

116-118-shousai-kattou_cs6 (11) 暴れるフグから手でハリを外そうとすると怪我をする。ハリは先細ペンチで外すこと

釣ったフグは船宿にさばいてもらえる!


 釣ったフグは各自に配られるバケツの中で生かしておき、帰港後に船長から渡される番号札を入れて船宿に一度預ける。船宿での処理が終わりしだい、さばき終わった身欠きの状態で渡してもらえる。ショウサイフグはその日のうちからどんな食べ方をしても美味しい。刺し身、鍋、シャブシャブ、焼き物などは定番。

116-118-shousai-kattou_cs6 (1)_1 「フグは最近始めましたが今では月に3回くらい来ます(笑)」と常連さん

116-118-shousai-kattou_cs6 (7) カットウ釣りでは高級魚の外道が掛かることもある。この日一番のゲストは2.3kgの寒ビラメ

116-118-shousai-kattou_cs6 (17) 釣ったフグは帰港後にフグ処理師免許を取得している船長らがさばいてくれる


千葉県外房大原港
「敷嶋丸」(℡0470・62・1800/千葉県いすみ市大原10335-1)
ショウサイフグ乗合料金はエサ別9000円、アオヤギエサ1パック500円。午前5時集合、同5時30分出船(全員集まれば前倒し)。集合場所は船宿でなく大原港内東京湾アクアラインから圏央道に入り市原鶴舞ICを降りて右折。勝浦方面への案内に従いR297を進んで大多喜地先でR465に移りいすみ市大原に向かう。都内からでも2時間弱





2017/12/25

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