用意するノベザオは3.6~5.3m。引き味を楽しみたいならハエザオのような軟調子もよし、手返しを重視するなら張りの強い硬調がよいだろう。ミチイト1号を手もとまで張ってウキは丸型やナツメ型を数珠状に使うもよし、小型の立ちウキでもよい。ウキの浮力に合わせたガン玉を噛ませ、ハリス止メ付きのサルカンを介す。その下にハリス0.8号の袖4~5号をセットする。
ノベザオでOKのウミタナゴ釣り
まとめ◎編集部
水温が低くアタリの乏しい春の海でも、にぎやかにウキを動かすウミタナゴは、老若男女が楽しめる。ノベザオで掛ければ小気味よい躍動が癖になる。
この記事は月刊『つり人』2020年5月号に掲載のものを再編集しています。目次
- ウミタナゴ編:ウミタナゴ釣りはノベザオでOK
- ウミタナゴ編:ウミタナゴのポイントは藻場の周り
- クロダイ前編:春のキーワードは「乗っ込み」
- クロダイ前編:小バリも用意!
- クロダイ前編:深場に続く溝がポイント
- クロダイ後編:ウキ下の決め方
- クロダイ後編:エサ取り対策
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ウミタナゴ釣りはノベザオでOK
ウミタナゴは愛らしい。オチョボ口につぶらな目。体高のある魚体にきめ細かな鱗。生息域は北海道中部以南の日本各地である。魚体の赤い個体と白い個体がいて、ウミタナゴ、アカタナゴ、マタナゴの3種に分類される。産卵ではなく胎生という特徴があり、晩春から初夏には20~30尾の胎児を産む。春は命のゆりかごとなる藻場周りで多くのエサを取る盛期である。水温が上がるほど釣れにくくなり夏場はぱったりと釣れなくなるといわれる。体長はアベレージが15~20cm。ごくまれに30cmクラスの超大型がヒットすることもある。
子どもでも楽々キャッチ!
用意するノベザオは3.6~5.3m。引き味を楽しみたいならハエザオのような軟調子もよし、手返しを重視するなら張りの強い硬調がよいだろう。ミチイト1号を手もとまで張ってウキは丸型やナツメ型を数珠状に使うもよし、小型の立ちウキでもよい。ウキの浮力に合わせたガン玉を噛ませ、ハリス止メ付きのサルカンを介す。その下にハリス0.8号の袖4~5号をセットする。ハリはサオ尻から20cm程度上になるように仕掛け全長を決めるとよい。
付けエサはオキアミもしくはジャリメ。寄せエサはアミやオキアミと配合エサを混ぜて作る。
ウキの大きさを変えて数珠状に付けるとアタリが分かりやすい
ハリは袖バリの4~5号。金バリは集魚効果も高い
こんなタイプの立ちウキでもOK
ノベザオをキュンキュンと引き込む
オキアミは頭を取ってコンパクトに刺す
寄せエサは配合エサ1袋にオキアミ2㎏程度でよい
ジャリメはエサの交換も少なくてすむ
ウミタナゴのポイントは藻場の周り
ウミタナゴに限らず、春の小磯のポイント選びで重要なのは藻場の有無である。春の磯にはホンダワラやカジメなどの海藻が繁茂する。こうした藻場の上や切れ目にエサを効かせて魚を寄せる。水深は2mもあればよく、エサを撒けばウミタナゴだけでなくコッパメジナやスズメダイなども集まるはずだ。
海藻があればウミタナゴは潜む
東京近郊で具体的なポイントを例に挙げると三浦半島の磯では、城ヶ島の各磯や、諸磯周辺、江奈の高磯、毘沙門などの人気磯の周辺なら、必ずといってよいくらいウミタナゴは釣れるはず。一級磯の本命場に立てなくとも手前でよい。
ウキ下は水深の半分が目安である。高活性な魚ほど水面付近まで浮いてくる。アタリはウキが勢いよく消し込まれる。基本的にそのタイミングで合わせればよいが、場合によっては微妙な変化で合わせると入れ掛かりになることもある。こうしたアワセ時を見極めるのも楽しみのひとつといえる。
誰でも簡単に釣れそうだが、アタリを出すにはちょっとしたコツがある。第一にウキ下をたるませない。ウキからハリまでがたるんでいると魚がエサをくわえてもウキに反応は出にくい。潮下にエサ、潮上にウキがくるように振り込み、仕掛け着水後はウキを潮上に軽く引っ張る。もちろん仕掛けやエサの流れ方を観察しないと、こうした操作もできないだろう。
手返しよく釣るのであれば、付けエサはオキアミよりもジャリメがよい。エサが残りやすく同じエサで釣れ続くのがメリットだ。
ファミリーフィッシングにも最適なウミタナゴ
手のひらサイズはアベレージ
穏やかな海域で小磯巡り