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編集部2021年10月3日

投げ釣りでねらうコロダイ&タマン(ハマフエフキ)釣り入門Q&A 後編

魚種別釣りガイド コロダイ ハマフエフキ

地方のコロダイ&タマンねらいで求められる条件は、まず外洋に面して潮当たりがいいこと。磯魚は差し込んでくる上げ潮に乗って接岸行動を繰り返す。エサとなる甲殻類を求めてシモリ際を回遊するため、ポイントには“シモリ”の存在が欠かせない。ただし、海底が岩礁だけではよくない。シモリ混じりの砂底や砂礫底が好条件。

力対力の真っ向勝負でねらう投げ釣り最大級ターゲット

解説=中本嗣通

 投げ釣りの中で最大級のターゲットであるコロダイとハマフエフキ(タマン、タマミとも)。強烈なアタリと引きの強さが魅力であるが、それだけにバラシも多い。いかに食わせ、いかにキャッチするかをアドバイス!

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コロダイ&タマンと一緒にねらいたい魅力的ターゲット9選 カワハギ・メイチダイ・ブダイ・ヒメジ類・カサゴほか

解説◎中本嗣通(なかもと・つぐみち)
1959 年生まれ。大阪府在住。カレイ、大ギスをメインにコロダイ、カワハギ、マダイなど旬の魚を追いかけて精力的に釣行。釣り雑誌に釣行記やエッセイを執筆し、メディアにも出演。個性的なキャラクターで人気が高い。投釣倶楽部大阪会長。

この記事は『投げ釣りパラダイス2021 秋冬号』に掲載したものをオンライン版として特別公開しています


コロダイ&タマンが釣れるポイント選びのコツは?

A.シモリ混じりの砂底で、水深は浅くてもOK

●地方のコロダイ&タマンねらいで求められる条件は、まず外洋に面して潮当たりがいいこと。磯魚は差し込んでくる上げ潮に乗って接岸行動を繰り返す。エサとなる甲殻類を求めてシモリ際を回遊するため、ポイントには“シモリ”の存在が欠かせない。ただし、海底が岩礁だけではよくない。シモリ混じりの砂底や砂礫底が好条件。一帯が岩礁帯だと根掛かりばかりで釣りにならないだけではなく、アタリも少ない。これまでの経験ではシモリと砂地の割合が5対5~7対3ぐらいのポイントで好釣果を得ている。

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岩場に囲まれたサーフやゴロタ石浜は格好のねらい場。サイズを問わなければハマフエフキも当たる

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ハマフエフキはやはり沖磯で実績が高い。60 ~ 70㎝の大型が期待できる

 コロダイは夜には水深が3~4mの超浅場にまで回遊してくる。こんな所で……と思うようなポイントでも探ってみること。ただし、地方の浅いポイントは高波による底荒れや降雨による濁りや水潮が海底に回りやすい。こうなると釣果が一気に落ちるので、数日前の天候や海況を選んで釣行すること。

 水深のある沖磯、地磯では足もと近くにあるシモリ周りや海底の変化(砂地のカケアガリなど)が好ポイントになるケースが多々ある。特に中~遠投エリアにシモリが少ない場合、コロダイ&タマンは足もとのシモリに沿って回遊してくる。アタリが遠い時は必ず近投エリアも探ること。

コロダイ&タマンに時合はある?

A.回遊パターンを見極めること

●コロダイ&タマンねらいは日没から日の出までの〝夜釣り〟が基本。その中で魚が活性を上げる時間帯、いわゆる「時合」と呼ばれるチャンスタイムもなくはない。しかし、それ以上に重要なの魚が回遊して来る時間帯だ。カレイのようにそこにいても時合にならなければ口を使わない、ということはコロダイ&タマンには少ない。回遊してくれば食って来ることが多い。

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コロダイ&タマンは暖水系の魚なので太平洋岸が釣り場となる。コロダイは意外と浅場に寄るのでサーフや防波堤でも充分にねらえる

 遊泳力の強いコロダイ&タマンは上げ潮に乗って接岸して来ることが多い。特にハマフエフキはこの傾向が強く、満潮前後の潮がよく動く時間帯に当たるパターンが圧倒的。逆に潮位が低い時間帯に当たる確率は極端に落ちるので、ハマフエフキねらいでは満潮前後の時間帯に絞り込んで出向き、しっかりと打ち返すのが得策。

 コロダイも基本的には上げ潮に乗って回遊する個体が多い。しかし、ポイントによっては潮の動きが鈍い真夜中の干潮前後に回遊して来るケースがある。これはそのポイントの特徴で、回遊する時間帯が決まっているものと思われる。同じ釣り場に何度通ってそんな特徴を掴むのもこの釣りでは大切と言える。

 潮位条件とリンクさせたいのが「潮回り」だ。一般的に魚の活性が上がるのは潮の動きが大きい大潮~中潮とされているが、コロダイ&タマンも例に漏れない。それに加えて日没直後や夜明け前などのマヅメ、さらに干満の潮止まり前後のなどに捕食スイッチが入る。これらの諸条件を重ね合わせていけば、おのずと当日の時合が予想できる。

 同じ大潮回りの日でも「魚の警戒心が薄れる闇夜がよい」とか、「月明かりでエサを捜しやすい満月がよい」といった異なる意見をよく耳にする。しかし、いずれの条件でもほぼ同じように釣っているので、さほど気にする必要はない。

コロダイ&タマンとのファイトのコツは?

A.フッキング率を高めるためドラグロックで!

●シモリ周りを探るコロダイ&タマン釣りでは仕掛けを“線”で引き動かす通常の誘いは入れづらい。下手に動かすと根掛かりを起こすからだ。そこで根掛かりの確率を下げる意味からオモリを上方向へ跳ね浮かす“点”の誘いを行なうのが基本。エサが跳ねてから落ちて来るフォールの動きが魚を刺激するのか、誘いの直後に当たることが多い。ただし、誘いは魚の活性が上向いている時間帯(時合)に行なってこそ有効で、期待の薄い時間帯に不要な誘いを連続すると根掛かりのリスクを高めるから要注意。

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魚に走られるとシモリなどに巻かれてバラシの原因となる。それを避けるためにドラグロックで待つ。シモリが少ないポイントではドラグフリーでもよい

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ドラグロックの時はサオを飛ばされないために必ず尻手ロープを付けておく。ハーケンなどに結ぶのがよいが、ゴロタ石浜などでは荷物に結ぶとよい

 根掛かりまではいかなくても海底の障害物に仕掛けが触れることが多い。ハリ先とハリスは常にチェックし、少しでも鈍りやキズがあればすぐに交換する。せっかく当たってもハリ外れやハリス切れでバラシ……では泣くに泣けない。数少ないチャンスをものにするためにも必ず実行して欲しい。

 不運にも根掛かりを引き起こした場合、力まかせに無理な対処をすれば太仕掛けが災いしてタックル類を痛めることも考えられる。そこで根掛かりに備えてイシダイ釣り用の「ラインブレイカー」を用意しておく。太いPEラインやハリスも簡単に切ることができ、手にケガを負うリスクも減らしてくれる。

 コロダイ&タマン釣りはドラグロックで待つのが基本。特にハマフエフキはエサを食うと周辺のシモリを巻くように高速で突っ走るので、ドラグフリーだとラインがシモリに擦れてバラシにつながる。ドラグロック状態でアタリを待つと必然的に魚の走りでラインが引っ張られ、極限までくればロッドが海面に持っていかれる。タックルの水没を未然に防ぐために尻手ロープは欠かせない。

 ドラグロックで当たると基本的に向こう合わせとなる。しかし、ハリ外れのリスクを減らすためにしっかりと追い合わせを入れる。

そのほかに必要なアイテム

★コロダイ&タマン釣りで重要なのが三脚。大型の強烈なアタリに備えてなるべく丈夫なタイプを使う。また、固定方法も大事。通常の水汲みバケツでは簡単に倒されてしまうので、ハーケンを使って固定する。磯の割れ目や穴に磯釣り用のハーケンを打ち込み、φ6ミリの特殊ゴムロープのリングを三脚のフックとハーケンに掛ける。特殊ゴムの強い張力によってガッチリと固定でき、激アタリが出ても三脚が飛ばされない。

 穂先ライトも重要なアイテム。「激アタリが出るから……」と穂先ライトを装着しないキャスターもいるが、本命の前アタリを察知するには穂先ライトが必須だ。また、エサ取りの動向も察知しやすい。昨年から近々発売予定のルミカ『新ぎょぎょライトLED』のテストを行なってきたが、今までにない明るさで視認性に優れ、糸絡みしにくいフォルムに仕上がっている。穂先への脱着性、防水性に関しても万全だ。

 落水などの不測の事態に備えて救命具の装着は必須だ。防波堤やゴロタ石のサーフでは膨張式救命具でよいが、地磯や沖磯、一文字といった危険が伴うハードな釣り場では耐久性に優れるフロートタイプの救命具を使用すること。

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ドラグロックの時は三脚もしっかりと固定する。磯場ではハーケンを打ち、ロープで固定する

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穂先ライトは夜釣りの必需品。今秋発売予定のルミカ・新ぎょぎょライトLED(電池タイプ)は明るく視認性に優れ、防水機能も備えている。グリーンとレッドの2種類がある(写真はプロトタイプ)



前編:コロダイ&タマンねらいのタックル、仕掛け、エサ

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