ロックフィッシュ最前線に立つ腕利きアングラーたちは、数あるルアーから何を選び、どう使っているのか? 一軍ルアー、思い入れが強烈な神ルアー、そしていざという時の最終奥義まで厳選紹介。蔵野雅章さん編です。
ねらいめは水深2mより浅い岩場ボトムスレスレを横の動きで!
解説◎黒田健史
写真と文◎編集部
都市部の河川やベッドタウンの近くの海で釣りやすい魚がクロダイ&キビレ。ねらうべき場所の条件とリグの引き方は非常に明解。浜名湖でフィッシングガイドを営み、オカッパリのクロダイ&キビレゲームにも精通する黒田健史さんに解説をお願いした。
黒田健史(くろだ・けんし)
1985 年2月6日生まれ。静岡県浜松市生まれ、在住。地元浜名湖を中心にしたクロダイ&キビレゲームに精通しており、ルアーフィッシングのガイドも営んでいる。
黒田健史の「いろはにほへと」 https://kenshikuroda.com/
目次
ねらうべき場所:水深2mまでのハードボトムで流れがあれば最高
ねらうべき場所の絶対条件はとにかくハードボトムであること。岩やカキ殻、護岸の基礎、ゴロタ、テトラなど、とにかく硬いものの近くが釣れやすいです。砂地にもクロダイはいますが、捕食するのはハードボトムの周りが多いためルアーを追いやすいんです。
そして私の場合、ねらう水深はマックスで5mまで。基本的には2m以内の場所を探ることがほとんどです。「浅いハードボトムであればクロダイ&キビレはどこにでもいる」というのが私の実感です。水深は30㎝でもまったく問題ない、というかむしろ浅ければ浅いほどオイシイです。 さらにもうひとつ条件を付け加えると「流れ」。水門から流れが出ているところや、川のアウトサイドで流れが強いところ、さらに潮が利いているところはチャンス大。クロダイもキビレも自分から長距離を泳ぐ魚ではないんで、流れがある場所はエサが運ばれてきやすく好都合なんだと思います。流れが当たる場所は得てして深いのですが、テトラが入っていたり、大きな岩があったりして浅場が形成されていればその上にクロダイはいます。絶対に見逃さないでください。
これから入門する人にオススメしたいのは幅50mまでの小規模河川の河口域。手っ取り早く広範囲を探れるので、「浅いハードボトム」がすぐに見つかると思います。「ドブ」と呼ばれるような規模でもOKです。
付け加えると、ハードボトム探しは大潮の干潮時がオススメ。干上がった状態で岩などの有無を確認しておきましょう。「干上がる=浅い」ということですから、好ポイントが確定します。
ひと口にハードボトムといってもさまざまな種類がある。テトラや護岸の基礎、ゴロタやカキ殻が代表例
クロダイ&キビレのシーズンと性格:365日OK!
オカッパリのワームフィッシングではクロダイもキビレも一年中ねらうことができます。両種とも高水温が好きなので水温15℃以上が望ましいですが、私は浜名湖で水温7℃でも釣ったことがあります。水温が下がっても一気に深場に落ちたりはしないイメージですね。ちなみにクロダイの産卵期は5月ごろで、キビレは10月(いずれも大潮で産む)。産卵前は非常に釣りやすいですが、産卵後は口を使いにくくなることは知っておいて損はないと思います。ただ、産卵期がクロダイとキビレでズレているので、どちらかはねらいやすいんです。
クロダイとキビレは性格も若干違います。クロダイは障害物につく傾向が強く、キビレより大きく育ちますが臆病です。対してキビレはクロダイよりも障害物を離れて回遊しやすく、群れで行動することも多いです。気性が荒く好奇心も旺盛。雑食性が強く、時にはゴミを口にすることもあります。アタリの出方も激しいです。釣り方はどちらも同じで大丈夫です。
クロダイ。60cm を超える個体もいる
クロダイよりも回遊性が高く獰猛なのがキビレの特徴。最大で50cm を超える
次回はクロダイ&キビレの釣り方について解説します!
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