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編集部2021年10月21日

クロダイ&キビレのワームフィッシング入門 その2(最終回) 解説:黒田健史さん

クロダイ-海 キビレ PICKUP 魚種別釣りガイド

 ロックフィッシュ最前線に立つ腕利きアングラーたちは、数あるルアーから何を選び、どう使っているのか?  一軍ルアー、思い入れが強烈な神ルアー、そしていざという時の最終奥義まで厳選紹介。蔵野雅章さん編です。

ワームは3インチ前後でOK!

解説◎黒田健史 
写真と文◎編集部

  

都市部の河川やベッドタウンの近くの海で釣りやすい魚がクロダイ&キビレ。ねらうべき場所の条件とリグの引き方は非常に明解。浜名湖でフィッシングガイドを営み、オカッパリのクロダイ&キビレゲームにも精通する黒田健史さんに解説をお願いした。

 

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黒田健史(くろだ・けんし)
1985 年2月6日生まれ。静岡県浜松市生まれ、在住。地元浜名湖を中心にしたクロダイ&キビレゲームに精通しており、ルアーフィッシングのガイドも営んでいる。

黒田健史の「いろはにほへと」  https://kenshikuroda.com/

 

釣り方 :「フリーじゃないフリーリグ」が基本

 

2kuroda-kurodai

  

 リグはフリーリグがメイン。シンカーストッパーでシンカーを固定しているので、私は「フリーじゃないフリーリグ」と呼んでいます。同じウエイトのテキサスリグと比べてフォールスピードが速いのが特徴です。ボトムをとりやすいのも重要な点。クロダイの場合基本的に底から5~10㎝を横移動させるので、シンカーをフリーにするメリットはありません。そのためシンカーを半固定しています。直リグでもOKなのですが、シンカーのウエイト変更やフックのサイズ変更で融通が利きにくい部分があるので僕はこのシステムを採用しています。また、フッキング率も落ちると感じています。

 

黒田さんのメインリグの構造

10kuroda-kurodai(左から)

・シンカーストッパー→  ショットロックL(シンカーとの隙間は空けずにセットする)

・オモリ→  バザーズワームシンカーTG ペアーリング7g

※7g がベースに、浅い場所や近距離ねらいでは 5g、風が強かったり遠投が必要なときは10gに ローテーション。かなりの強風時は14gを使う

・結び目保護のためのゴム→  バーサタイルキーパーL

 

 

11kuroda-kurodai根掛かりがあまりに激しい場所ではビフテキリグを使う。ただしフッキング率は下がるためできればフリーリグで押したい

 

 

13kuroda-kurodai柱や護岸などの縦ストラクチャーがある場合はどんなに深くてもねらうことがある。その場合は「水面下2m」までを釣る機会が多い

 

 

ワーム :3インチ前後であればOK

 

 ソフトベイトは3in前後のワームならばなんでも大丈夫です。私のお気に入りはテールスライダーとハリーシュリンプ3in。どちらもスローリトリーブでもよく動くパーツが付いているのがクロダイゲームに合っていると思う理由です。

9kuroda-kurodai

上/ハリーシュリンプ3in
(フックはキロフック#1)

下/テールスライダー
(キロフック#2)

ふたつの共通点はスローに引いてもパーツがよく動くこと。先発はよりアピール力の高いハリーシュリンプで、乗らないアタリが多いときは細身でフッキング率が高いテールスライダーにシフト。テールスライダーはゆっくり巻いたときにフラスカートが揺らめいてクロダイを誘う

 

 

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ちびチヌ蟹1in +マジックショットミニ1/16oz #2はフォールベイトとして使用。柱などに沿って浮いている個体をフォールでねらう

 

タックルセレクト:スピニングでもベイトでも大丈夫

 

 タックルは7ft台のソルトルアー用ロッドであればなんでもOKです。6ft台だと遠投しにくく、8ft台は長すぎて疲れます。私は7ft8inのミディアムライトパワーのスピニングと7ft6inのミディアムライトパワーのベイトをメインにしています。

 岩を乗り越える際など縦さばきすることも多いので、100g以下の軽いロッドだと扱いやすいです。ベイトのほうが手返しはいいですが、最初はバックラッシュなどのライントラブルが起きにくいスピニングがオススメです。

 ラインはPEライン一択。飛距離を出しやすく、また伸びにくく感度が高いので、常にボトムをとりながらリグを横に引くこの釣りに合っています。私は比重が高いシンキングPEの0・6号か0・8号を使っていますが、入門には通常の浮力が強いPEがオススメ。1号と太めをチョイスすればラインの浮力がある分根掛かりしにくくなりますし、根掛かりしてもハリを伸ばして回収できます。

 

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p 060-063 tackle kuroda-kurodai

 

 

アクション:「シンカーはリップ」のイメージでボトムを小突き続ける

 クロダイ&キビレをねらう場合はワームを完全に「巻き物」として扱います。ねらうレンジは常に底付近。時おりボトムタッチしながら横に引いてきます。一投のなかでまったくボトムノックしないのはNG。アタリが遠くなります。

 これはあくまでイメージで実現は極めて難しいですが、理想は「ワームは底に着いていないけど、シンカーは底に触れ続けている」状態をキープし続けること。ワームが1㎝浮いている状態を維持できれば最高にスイートです。ミノーやクランクベイトなどのプラグでボトムノックする際のリップの役割をシンカーにさせると表現するとわかりやすいかもしれません。シンカーがボトムに当たることでワームにイレギュラーな動きが生まれ、クロダイが口を使うキッカケになります。

 アタリがない場合は次々に移動するのもいいですし、1ヵ所のハードボトムで粘って回遊を待ってもOK。自分の性格に合ったほうで楽しんでください。ちなみに私はどんどんラン&ガンするタイプです。

p 060-063 image kuroda-kurodai

 

アワセ:アタリは明確!!即アワセで勝負

 

 クロダイは長距離ルアーを追ってくる魚だと感じています。そして遊泳能力が高くなく、また口が小さいためか雑には食おうとしません。エサの姿勢や場所を見極めて、完全に自分に分があると判断するまで口を使わないイメージです。シンカーが岩に当たった際のワームのヒラ打ちや、「ボトムにエサを追い詰めた」と思わせることがバイトのキッカケになります。

 シーバスなどの口の大きな魚と違い、小さな口でワームを噛むように捕食するので、アタリはガツガツと明確に出ます(シーバスは口を大きく開け水と一緒に吸い込む)。アタリが出たら即アワセしましょう。乗らないことも多いですが、それはこの釣りでは仕方がないことです。

 掛かったあとはロッドを45度の角度に保持してゆっくりリーリングして寄せてきましょう。跳ねる魚ではないので、ロッドを操作する必要はありません。

 

15kuroda-kurodai浜名湖でネガカリノタテ+ワームで釣ったキビレ。チニング用のルアーで、同じくボトム付近のただ巻きで使う 

 

 

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