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編集部2022年1月9日

渓流トラウトのエキスパート・飯田重祐が『ダブルクロスPE』を使い続ける理由。 第2回(全3回)

ヤマメ イワナ 魚種別釣りガイド

飯田重祐さんがラインの視認性になぜこだわるのかというと、それはキャストのフィーリングを確認するため。頭に描いているイメージと実際にルアーが飛行する軌道を擦り合わせて、キャストの正確性と再現性をより高めるのである。

見えるラインの本当のメリットを考える

文と写真=編集部(宇野章則)

 自ら使うラインの特性を知り、そのディテールを追求することができれば、1日の釣行で出会える魚の数は必ず増える。だから、ルアーでもロッドでもなく「一糸専心」、ここではラインだけにこだわってエキスパートにレベルアップのヒントを学びたい。2022シーズンにリニューアルする新スーパートラウトアドバンス・ダブルクロスPEを題材に、秋の渓谷で飯田重祐さんにライン論を聞いた。

見えるラインの本当のメリットを考える

 ところで、あらためて「ラインが見える」ことのメリットとは一体なんだろうか? そんな基礎中の基礎とも言える問いをぶつけてみたところ、飯田さんの答えはちょっと意外なものだった。

 渓流ルアーの世界で色付きのラインが主流になった背景には、よりテクニカルなミノーイングを志向するアングラーの増加が一因と言える。難しいピンスポットを射抜くのにも、はたまた激しいアクションを加えながらねらう流れの筋を正確にトレースするのにも、視認性の高いラインを使ったほうがずっと簡単に高精度な釣りが行なえるためだ。

 しかし、なんでも飯田さんの場合は「キャスト~着水~アクション」という一連の動作の中で、ラインよりもむしろルアーそのものに視野の焦点を当てているケースがほとんどらしい。にもかかわらずラインの視認性になぜこだわるのかというと、それはキャストのフィーリングを確認するため。頭に描いているイメージと実際にルアーが飛行する軌道を擦り合わせて、キャストの正確性と再現性をより高めるのである。

「仮にねらうスポットに着水させられていたとしても、なにか自分の中にシックリこないキャストが続く状況って結構あると思うんです。そんな時に、ルアーがどんな感じで飛んでいるのか?を確認するには視認性の高いラインが必要になります。ラインが見えれば飛行中にルアーが変に振動していたり、あるいは思っていたよりもスピードに乗っていないことが分かるので、つまり感覚と体との間に生じているキャストの無意識下のズレに気づけるんです」

 いまひとつキャストがノッテない、シックリこないと感じられる時は、「ラインでリリースポイントやモーションのズレを確認して、意識的に微調整するとよりスムーズなキャストが可能になる」と飯田さんは言う。また、視認性の高いラインは風の強さや風向きをその「たわみ」で映像として把握できるので、強風時のアキュラシーを高める際にも助けられることが多いそうだ。

もっとラインが見えればもっとキャストが決まる

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視認性の高いラインはねらうスポットまでの距離感を高精度で把握しやすくなるだけでなく、自身のキャストフィールのズレを確認するのにも役立つと飯田さんは言う。理想とするイメージと実際のリリースポイント、ルアーの飛行軌道や速度を擦り合わせるにはよく見えるラインが不可欠なのだ。「心と体のキャストフィールのズレが修正できると、考えなくともリズムよくアキュラシーキャストが決まるようになります」とのこと。事実、飯田さんは写真のような対岸の岩盤際、その本当のすれすれにも驚くべき手返しでミノーを撃ち込んでいた。



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ラインの視認性はポイントとの距離感を測るうえで大いに釣り人を助けてくれる要素だが、渓流での飯田さんは基本的にルアーそのものにフォーカスしていることが多いという。センチ単位のアキュラシーキャストを決めるには、よく見えるラインを補助としつつルアーを目で追う意識が欠かせないのだ。

流下速度も変わるPEラインの高比重特性

高比重PEは着水と同時に沈み始めるので、水面の流れに引っ張られず不自然なドラグがかかりにくい。ルアーを流れに同調させやすいラインだ。

 ラインの比重がミノーのトレースレンジに及ぼす影響は大きく、近年は高浮力ミノーを下層でレンジキープする目的で高比重ラインの使用が注目され始めている。その点、ダブルクロスPEはデビュー当時から高比重を特性としてきたラインであり、飯田さんもかねてより同ラインの水馴染みのよさを気に入ってきた1人だ。もちろん、リニューアル後も高比重特性はブラッシュアップされたうえで継続される。

 

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岩盤に挟まれて細くなった急流をアップストリームで誘っていたところ、ピックアップ間際のルアーにヤマメが食いついた。こうした魚を誘う距離と時間が確保できないポイントでも、水馴染みのいい高比重ラインなら充分に勝負できる。

 さて、飯田さんの場合、高比重のダブルクロスPEには特にヘビーウエイトルアーの操作にアドバンテージを感じるとのことなのだが、それに加えて「よりルアーをナチュラルに流れに同調しやすくなるライン」でもあるのだという。これは流れの水面~表層とその下層の流速には一般的にギャップがあるからで(おもに表層が速く下層が遅い)、たとえば低比重ラインを使っていてそれが水面に張り付くと、下層にあるルアーが水面を流下するラインに引っ張られて不自然なドラグが掛かりやすくなってしまうのである。

 一方、高比重のPEは着水と同時にラインが沈み始めるので、「表層の流れに引っ張られることなくルアーを流れに同調させやすいはずですよ」と飯田さん。とりわけアップクロスでアクションを加えながらドリフトさせる釣りでは、水面にラインが張り付いている状態での釣りに比べてよりゆっくりと時間をかけてルアーをトレースできるので、高比重ラインのほうが断然有利とのこと。レンジキープのしやすさだけでなく流下速度の観点からもラインの比重を意識できると、釣りの精度はますます高められるのである。

 

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しばらく雨が降っていなかったことが影響したのか全体に食いが渋く感じられたものの、ここぞというポイントでは美麗ヤマメが遊んでくれた。シビアな釣りが求められる時ほど高比重特性が活きてくる。

 

 

 


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