基本は白泡の切れ目や落ち込みの脇に毛バリを打つ。魚のいる流速に合わせて流すのだが、そのために毛バリを引っ張らない軽いラインを使用する。毛バリは沈めて使うので、正確な位置は見えていない。ラインの位置から大雑把にとらえている。アタリは毛バリがあるだろうエリアで魚影が走ったり、ギラリと反転したりする。またはラインが不自然に引かれる。
遺伝子レベルで刺激するイワナ毛バリの探究者
写真・文◎編集部
テンカラ釣りは身軽だ。スリルに満ち、シンプルだからこそ奥も深い。「源流のイワナはどんな毛バリだって食う」そう言うファンも中にはいるが、より精度の高い釣果を出すべく突き詰めたこだわりを持つ人も当然多い。ここでは新潟県中津川水系をホームにするテンカラ歴40年のこだわり派を紹介。
この記事は月刊『つり人』2017年9月号に掲載したものを再編集しています
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目次
毛バリを引っ張らない軽いラインを使う
ラインはフロロカーボン2.5号。重いラインは毛バリを飛ばしやすいのだが、イトの重さで毛バリが手前に引かれてしまう。毛バリが引っ張られない、最適な重さがこのラインだと話す。ハリスはフロロカーボンの0.8号1m。仕掛けの手尻はサオ尻から1.5mほど出している。ラインとハリスの結び目付近に小粒の化繊目印を2つセットしているのも特徴的。毛バリを深く沈めてアプローチする場合に、どれだけ沈んでいるのかを判断するアイテムだ。
ヒラキの中に落とし込んだ毛バリが2 秒もしないうちに食い込まれた
軽いラインを利用するためサオの反発を最大限活かして飛ばす
「毛バリをしっかり食わせるには、流す位置が重要です。それには立ち位置が問題で、魚にどこまで近付けるのかを考えます。基本は下流から上流を釣る。そのほうが警戒されにくいですし、流れに毛バリを乗せやすい」
基本は白泡の切れ目や落ち込みの脇に毛バリを打つ。魚のいる流速に合わせて流すのだが、そのために毛バリを引っ張らない軽いラインを使用する。毛バリは沈めて使うので、正確な位置は見えていない。ラインの位置から大雑把にとらえている。アタリは毛バリがあるだろうエリアで魚影が走ったり、ギラリと反転したりする。またはラインが不自然に引かれる。これらの変化を合わせていくのだ。
この日は中津川水系のとある支流に入川したが、毛バリを結んで3投で橙色の鮮やかなイワナが水面を破る。その後も次々に現われる釜で多くのイワナを手にしたが、ヒットポイントのほとんどが落ち込みから続くカケアガリ。そして喉の奥深くまで毛バリを飲みこんでいるイワナも多かった。
アプローチは下から上が基本である。木漏れ日の中での釣りは格別に気持ちよい
次から次にヒットする熟練の技
お腹が橙色の野性味の強いイワナ。中津川の水系にはこんな天然種が棲む谷がまだ残る
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