この記事では、渓流釣りの装備や道具、仕掛けについて解説します。
山と山の間を流れる渓流には、イワナやヤマメといったさまざまな魚が生息しています。
当記事では、それらの渓流にすむ魚を狙った餌釣りやルアー釣りの装備や道具、仕掛けを解説。
どのような魚が釣れるのか、どんな釣り方があるのか、初心者でもわかりやすく解説していますので、参考にしていただけますと幸いです。 では、渓流釣りの装備や道具、仕掛けについて解説します。
目次
渓流釣りとは
渓流釣りとは、山と山の間の谷を流れる「渓流」で釣りをすることを指します。
渓流にはヤマメやイワナ、アマゴといったそこにしか生息していない魚がすんでおり、それらを狙った渓流釣りはさまざまな釣り人から人気を集めています。
また、餌釣りからルアー釣りまでさまざまな釣り方を楽しめることも渓流釣りの魅力。大自然の中で美しい魚達を狙う渓流釣りは、日々の生活を忘れさせてくれる、リラックスできる時間となってくれるでしょう。
もちろん、渓流釣りには渓流釣りであるが故の危険も存在しており、それらをしっかりと理解した上で楽しむことが前提となります。
渓流釣りおすすめ動画(釣り人チャンネル)
▼【手堅く釣る!】渓流釣り入門。仕掛けや道具、流し方を解説!
▼実践!渓流ミノーイング【ポイントの見方~ルアーの操作法まで】
渓流釣りで釣れる主な魚の種類
ここでは、渓流釣りで釣れる主な魚の種類と、その特徴やどんな釣り方で釣れるのかを解説します。
魚によって釣れやすい場所が異なるので、釣りに出かける前に参考にしてください。
- イワナ
- ヤマメ
- アマゴ
- ニジマス
イワナ
イワナは日本の九州以北の渓流や湖に生息している、釣り人からも人気の高い渓流釣りの対象魚です。
イワナは渓流魚の中でもたくましさを持っており、水量の非常に少ない最上流域の沢などにも生息していることが特徴。
非常に獰猛な食性をしていることから、餌釣りはもちろんルアー釣りにおいても格好のターゲットとなってくれます。
また、イワナの食味はさっぱりとした中にもしっかりとした旨味があります。
ヤマメ
ヤマメは北海道から九州までの渓流に生息している、パーマークと呼ばれる美しい模様が特徴的な魚です。
日本各地の渓流に生息していますが、太平洋側に注ぐ西日本の河川にはヤマメではなくアマゴが生息しています。
そのため、ヤマメを狙いたいのであれば日本海側に注ぐ河川、もしくは太平洋側に注ぐ東日本の河川で釣りをしましょう。
また、同じ河川であっても、イワナよりは下流域に生息していることが特徴です。
ヤマメの食味は、イワナよりも甘味があって淡泊です。そのため、ヤマメは塩焼きやムニエルなど、どのような食べ方をしても美味しい渓流魚です。
アマゴ
アマゴはヤマメの亜種にあたる魚で、太平洋側に注ぐ西日本の河川のみに生息している、赤い斑点模様を含んだパーマークが特徴的な渓流魚です。
ヤマメ同様、イワナよりも下流域に生息していますが、イワナがいない河川では最上流域にまで生息域を広げることが特徴。
餌釣りからルアー釣りまでさまざまな釣り方で狙えるため、西日本の渓流では主なターゲットとして親しまれています。
アマゴの食味は癖がなくあっさりとしており、川魚が苦手な人でも食べやすいことが特徴です。
ニジマス
ニジマスはアメリカから日本に輸入され、日本の渓流や湖の一部に住み着いた渓流魚です。また、丈夫で育てやすいことから、各地の鱒釣り場でも一般的な対象魚となっています。
イワナやヤマメ、アマゴよりも釣りやすいとされており、初心者が狙うのには格好のターゲットとなります。
また、流れの速いポイントよりもよどんだポイントを好んでおり、ヤマメやアマゴが生息していない下流域にも生息します。
食材として輸入されたこともあり、誰もが食べやすい淡泊で甘味のある食味が特徴です。
渓流釣りの時期【解禁期間をチェックしよう】
渓流釣りは日本全国の渓流で楽しむことができますが、そのほとんどの場所では解禁期間というものが設定されています。
解禁期間とは餌釣りやルアー釣りで渓流魚を釣っても良い期間のことで、その期間以外のことを禁漁期間と呼びます。
禁漁期間に釣りをすることは固く禁じられており、禁漁期間に渓流魚を釣ったことが発覚した場合は密漁として罰則の対象になります。
渓流釣りを楽しむ際には、行きたい河川の解禁期間をしっかりとチェックしておくのが必須です。
以下に各地方での解禁期間の目安をまとめましたので、参考にしてみてください。
なお、下記の解禁期間は目安であり、都道府県や河川によってバラツキがあります。 河川ごとの正しい解禁期間については、「全国内水面漁業協同組合連合会」のサイトも確認してください。
- 東北:4月〜9月(ただし3月から解禁の河川もある)
- 関東:3月~9月
- 東海:3月〜9月(一部に2月から解禁の河川もある)
- 近畿・北陸:3月〜9月
- 中国:3月〜9月
- 四国・九州:3月〜9月(一部に2月から解禁の河川もある)
渓流釣りの仕掛け・釣り方|餌釣り、ルアー釣りなど
ここからは、渓流釣りにはどんな釣り方があるのか、釣り方ごとに仕掛けや釣り方を詳しくご紹介します。
さまざまな釣り方がありますので、自分がやりたい釣りを探してみてください。
- 川虫を餌にする「餌釣り」
- ルアーを使う「ルアー釣り」
- 毛針(フライ)を使う「フライフィッシング」
- リールを使わず毛針と竿、糸で釣る「テンカラ釣り」
川虫を餌にする「餌釣り」
餌釣りは渓流魚が実際に捕食している川虫を餌にして狙う、ルアー釣りなどと比較して初心者でも挑戦しやすい釣りです。
ウキを使って魚のアタリを取る「ウキ釣り」と、ラインに取り付けられた目印でアタリを取る「ミャク釣り」の2種類が存在します。
初めて渓流釣りに挑戦される方は、アタリを確実に捉えやすいウキ釣りがおすすめ。ただし、警戒心の強いイワナやヤマメといった魚を狙うには、餌をより自然に流しやすい、ミャク釣りもぜひ挑戦したい釣りです。
どちらの場合も、 近年は渓流釣り用の仕掛けが市販されているので、初心者はそのような製品を購入して釣りへと出掛けるのが良いでしょう。
ルアーを使う「ルアー釣り」
ルアー釣りは小魚に似せられた疑似餌を用いて、小魚を捕食している渓流魚を狙う釣りです。
ルアーにもさまざまな種類がありますが、まずはミノーと呼ばれる小魚にそっくりな泳ぎをしてくれるルアーを用いるのがおすすめ。渓流魚が潜んでいそうな場所へ正確にキャストするなど、ゲーム性の高い釣りでもあります。
釣具店では渓流ルアー釣りセットなども販売されており、必要なものが全て揃ったセット品を購入すれば初心者でも安心です。
毛針(フライ)を使う「フライフィッシング」
毛鉤(フライ)という、釣り針を虫餌に似せた疑似餌を使用した釣りがフライフィッシングです。
フライフィッシングは専用の道具を使用し、ラインの重さで毛鉤を飛ばすことが特徴。この毛鉤を飛ばすという動作が難しく、渓流釣りの中では難易度の高い釣り方です。
フライフィッシングに挑戦してみたいという初心者の方は、経験者に教えてもらう、もしくは事前に毛鉤を飛ばす動作を練習してから渓流へ出掛けるのがおすすめ。
リールを使わず毛針と竿、糸で釣る「テンカラ釣り」
フライフィッシングでは専用のリールを使用しますが、リールを使わずに毛鉤の釣りを楽しむことも可能です。
テンカラ釣りはフライフィッシングの飛ばす動作が難しいと感じる方におすすめの釣りです。
延べ竿を用いて毛鉤を上流から下流へ流し、毛鉤を川虫だと思い込んだ渓流魚が口を使ってくれます。
フライフィッシングやテンカラ釣りなどの毛鉤を使う釣りは、毛鉤を自作できることも醍醐味の1つです。
渓流釣りに必要な装備や服装、道具など
渓流釣りでは、渓流釣りに適した装備や服装、道具を使う必要があります。
ここでは渓流釣りに必要な装備や服装、道具について詳しくご紹介していますので、これから渓流釣りに出掛ける方は参考にしてみてください。
- 渓流釣りに必要な装備・服装
- 渓流釣りで使う主な道具
- 渓流釣りであると便利なその他のアイテム
渓流釣りに必要な装備・服装
渓流釣りでは下流から上流へ、川の中を歩きながら釣りをすることが多くあります。そのため、ウェーダーを着用するなど濡れても良い服装をすることが大切です。
また、川の中にはコケや藻が生えていて滑りやすいため、フェルトシューズなどの滑りにくいシューズを履くことが必須。
快適で楽しい渓流釣りを満喫するためには、安全のための装備に妥協しないことが重要です。
ウェーダーの下の服装は、季節や気温に合わせながら動きやすさを重視して選んでください。
また、渓流釣り用のフィッシングベストを着用することで、仕掛け、釣り糸、毛鉤などを、必要な時にすぐに取り出せます。
ウェーダー | 川の中を歩くために着用。胸の高さまであるチェストハイタイプがおすすめ。 |
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シューズ | 川の中でも滑りにくいものが必須。ヌメリに強いフェルトソールがおすすめ。 |
帽子 | 強い日差しから身を守るために着用 |
フィッシングベスト | 仕掛けや毛鉤を収納するためのポケットが多く付いている。 |
渓流釣りで使う主な道具
渓流釣りでは竿やリールなど基本的な道具はもちろん、その他さまざまな道具を使用します。
竿やリールに関しては、できるだけ汎用性が高く、1本でさまざまなルアーや毛鉤を扱えるものを選ぶのがおすすめ。
複数本を持ち運びたい場合には、コンパクトに折り畳めるパックロッドであれば動きやすく安全と言えるでしょう。
その他にもランディングネットやビクなど、持っておきたいアイテムを以下の表でまとめましたので、確認してみてください。
リール | ルアー釣りorフライフィッシングで使用。使用する釣りに適したものを選ぶ。 |
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竿 | 汎用性の高いものを1本持っていくのがおすすめ。釣り場まで移動しやすいパックロッドがおすすめ。 |
仕掛け | ラインや釣り鉤など。もしもに備えて予備を持っておく。 |
ルアー・毛鉤 | その日の状況に合わせて持ち運ぶ。 |
ランディングネット | 釣った魚をキャッチするために使用。ランディングネットを使えばバラシの減少に。 |
ビク | 魚を持ち帰る際に使用。川から上がったあとはクーラーに移し替える。 |
渓流釣りであると便利なその他のアイテム
ここまでは必ずといっても良いくらい必要なアイテムをご紹介してきましたが、ここではあると便利なアイテムをご紹介します。
餌釣りをされる方にぜひ持っておいてほしいアイテムが、川虫捕獲用の網です。現地で餌を調達する場合、手でも捕獲することはできますが、網を持っておくことでその効率が向上します。
その他にも、渓流は街中よりも虫が多く、虫が苦手な方は虫よ除けスプレーを持っておくのがおすすめ。 特に蚊が多い夏場には、虫除けスプレーをしていないとかゆくて釣りにならないこともあるでしょう。
また、熊が出る地域では熊避除けの鈴をリュックや腰に付けておくことで熊との遭遇を防げます。
川虫捕獲用の網 | 餌釣りにおいてあれば便利。スムーズかつ効率的に餌を捕獲できる。 |
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偏光サングラス | 水中が見やすくなる。日差しから目を守れる。 |
虫除けスプレー | 渓流は虫が多いためあれば便利。特に蚊がいる夏場は必須。 |
熊除けの鈴 | 熊が生息している地域で必要。熊除けスプレーも合わせてあれば良い。 |
【解説】渓流釣り(ヤマメ・アマゴ釣り)の仕掛け・釣り方
渓流域におけるヤマメ・アマゴ釣りの仕掛け・釣り方を以下で紹介します。
- ヤマメ・アマゴ釣りの釣り竿と仕掛けの選び方
- ヤマメ・アマゴ釣りの餌は数種を用意
- ヤマメ・アマゴ釣りのポイントの見方
- ヤマメ・アマゴ釣りの仕掛けの流し方
ヤマメ・アマゴ釣りの釣り竿と仕掛けの選び方
ヤマメやイワナの生息域は水温の低い川の上流部。一般的に源流域はイワナ、やや下流の山里付近にヤマメやアマゴが多いです。渓流釣りと一口に言ってもねらう水域によって「源流釣り」、「渓流釣り」、「本流釣り」と呼び名が変わり、装備や道具立ても異なります。ここで解説するのは川幅が5~10m程度の沢登りなどの装備がいらない、いわゆる渓流域のヤマメ・アマゴ釣りです。
ヤマメ釣りの釣り竿
ヤマメ・アマゴが生息する渓流域を想定した釣り竿の全長は5.3~7.1m。仕舞寸法がコンパクトな小継ぎとやや節の長い中継ぎがあり、2段、3段と長さを換えられるモデルが多いです。最初の1本を選ぶなら6m前後の全長で仕舞寸法が50cm前後の小継ぎ竿がおすすめ。
竿は先調子と胴調子に大別され一般的に先調子のほうが操作性は高いといわれます。しかし購入の際に注意して見たいのは、調子よりも適合ハリスの表示です。対応する糸の号数に応じて竿の調子の硬軟は判断できます。たとえば「適合ハリス0.1~0.6号」とあれば柔軟な竿。「0.4~0.8号」とあればシャキッと硬く張りが強いモデルです。取り回しがよいのは適合ハリス0.2~0.6号です。
ヤマメ釣りの仕掛け
ヤマメやアマゴ釣りの仕掛けはシンプル。穂先からハリまで1本の糸を通しで使い、目印とオモリを付けても問題なし。ただし天井糸、水中糸、ハリスとパーツをいくつか分けたほうが根掛かりや頭上の木に仕掛けを引っ掛けた時に糸の無駄を少なくできます。
糸は0.2 号を基準にその前後を用意しておくとよい。根掛かりで仕掛けをロストばかりしているようなら少し太めを張ったほうがストレスなく釣れる天井糸は穂先付近に使う水中に入れない糸です。長さを調節できるように作ると便利ですが、「編み付け」という初めての人にはやや面倒な作業をしなくてはなりません。単純に水中糸よりもやや太い糸を使えばよく、たとえば0.2号の水中糸であれば0.4~0.6号の天井糸をセットします。6mの釣り竿に対して長さは2〜3mが一般的。ナイロンの視認性の高い糸がよいです。
水中糸は名のとおり水中に入れ込む糸です。細いほど水の抵抗は少なく、ヤマメやアマゴにも見破られにくい。0.2~0.3号がおすすめ。素材はナイロンとフロロカーボンどちらでもOK。なお、水中糸とは別にオモリ~ハリをセットする1mほどのハリスを結びつけてもよいでしょう。
解禁初期は手がかじかんで仕掛け作りが難しい。あらかじめ用意した仕掛けを仕掛巻に巻いて携帯しよう【目印】
渓流の餌釣りは主にミャク釣りです。ウキを使わず流れに合わせて仕掛けを送りアタリを取ります。糸の位置やアタリを確認するために目印を付けます。オレンジ、ピンク、グリーンといった色がよく用いられ、太く大きいほど風の抵抗を受けやすいです。視認できる最低限の大きさにカットして使います。
【オモリ】
オモリはガン玉の3~4Bを用意し、流速や風の強弱に応じて使い分けます。渓流魚は主に底付近の流れに泳ぎます。餌をきちんと沈めることができて、かつ流れを切らないような重さをセレクト。ガン玉の選び方は釣り方の項で後述します。
ガン玉は仕掛けを飛ばし、餌を沈める重要なアイテム。3~4Bまでを用意しておこう
【ハリ】
ヤマメと表記されたハリだけでも非常に多くのバリエーションがありメーカーによってサイズもばらばら。選ぶ基準は餌の大きさがひとつ。一例として川虫を使うなら1~4号、キヂやブドウムシなら5~7号といったぐあいに用意します。また「イクラ」、「川虫」など餌の名前が表記されたハリもあります。
ヤマメ・アマゴ釣りの餌は数種を用意
ヤマメやアマゴが常食しているのは川虫です。下流にタモを構えて川底の石を起こせば、さまざまな虫が入るでしょう。中流域ほど虫は多く、源流域ほど少ないです。流域によって食いのよい虫と悪い虫がいて、いくつか使い分けると当たり餌が分かります。
解禁初期はキンパクがよいです。ヒラタは、まだオコシムシと呼ばれる小型が多く餌持ちが悪いです。3月下旬から4月に大石の縁などで採れるヒラタ(ナデムシ)は大型で使いやすい。クロカワムシはニゴリが出た川や、中下流域で効果があります。東北・関東地方では4月以降に採れやすいピンチョロが人気です。時期によって採れる虫は異なるので前頁の図を参照してください。
市販のイクラやブドウムシ、キヂが効果的な場面もあります。しかし解禁から数日が経ち、魚がスレてくるとアタリは遠くなりがち。魚の目先を変えるためにも餌は数種用意したほうがよいでしょう。
ヒラタ(チョロムシ)も尻穴かラ刺して腹の横から出す
クロカワムシは写真のように尻の横からハリのフトコロを隠すように刺す
キヂはミミズ通しを使ってハリスまでこき上げるか、ハチマキにチョン掛け
イクラは細軸のハリを使って刺すと潰れにくい
関東や東北で人気のピンチョロ。他の川虫と同じく尻穴から刺す
ブドウムシはハリのフトコロが隠れるくらいに通し刺し
川虫は乾いたミズゴケを餌箱に入れておくと長持ちする
下流にタモを構えて足で石を転がすと、多彩な川虫が採れる。膝下くらいの瀬で採ってみよう
ヤマメ・アマゴ釣りのポイントの見方
ヤマメ・アマゴ釣りの基本は上流に釣り上がる。流れに対し魚は頭を上に向ける。釣り下れば釣り人や竿の影、物音に警戒しやすいです。
川の流れを大別すると瀬、淵、トロとなります。解禁初期のポイントは流れの緩い深みに多いです。目安にするのは膝上以上の水深で見た目に水色が濃くなっているスポット。瀬の中にもこうした深みは点在するので、流れを細かく見ていきたい。ポイントはいくつかのパターンに分類できます。
1. 流心
白泡が立ち流速が速い。初期のポイントにはなりにくいですが、大石底の川であれば話は別。流心の下にヤマメの定位しやすい流れの緩いスポットができます。石の前に魚は付きやすく底の流れにきっちりと餌が入れば釣果は有望です。
2. ヨレ(モミアワセ)
流れが揉み合うような感じにシワができた部分がヨレ。流速が緩くヤマメが定位しやすいスポットです。流れが揉み合うように見える「モミアワセ」です。石にぶつかった流れは分かれ、石裏で流れは淀みます。その下流で分かれた流れが合わさるヨレができます。英語の『Y』をイメージして流れを見ると分かりやすく、この2つの流れのモミアワセを意識して釣るとよいでしょう。
水色が濃く見える深み。目を凝らすと反転流と流心の流れのモミアワセがある3. 反転流
石裏や流心の脇には流れが逆巻く反転流が生じます。その反転流に魚が定位していることも多々あります。ここでも注目したいのはヨレです。反転流と流心の境目にも流れが揉み合うヨレが生じます。餌が流れてきやすいモミアワセスポットで魚も付きます。
4. 落ち込み
落差がある川相では落ち込む流れと、壺状の深みがあります。いかにもヤマメやアマゴが付きそうな分かりやすいポイントで堰堤や滝もそうです。大きく深い落ち込みほど複雑な流れが生じ、下流に払い出す流れもあれば落ち込み直下に戻るような流れもあります。表層の流れの押しが強いため、大きなオモリでしっかりと底付近を探ることが大切です。
5. カケアガリ(ウケ)
前述の落ち込みなど、淵および深みがあれば必ずカケアガリがあります。このカケアガリの前に魚は定位しやすく大型魚が付きやすいポイントです。カケアガリや石の前など、流れがぶつかる部分を「ウケ」と呼ぶ名手も多い。
流れの中のどんなポイントで当たるかはシーズンによっても変わる。解禁初期ならヨレに着目渓流釣りの盛んな岐阜県長良川郡上の名手は、ヤマメが捕食しやすい流れを「食い波」と呼びました。そのスポットは「ウケ」や「モミアワセ」が絡みます。図示したので参考にしてください。
ヤマメ・アマゴ釣りの仕掛けの流し方
ポイントへのアプローチは立ち位置が重要です。下流から上流に釣り上がるのですが、ポイントの正面に立てると理想的。というのもミャク釣りは流れに合わせて仕掛けを通します。穂先の真下付近を釣ったほうが流れの筋から外れにくいです。仕掛けを上流に振り込んで正面で底付近に馴染ませてアタリを出します。餌が底付近を流れているかどうかは目印を見ます。
オモリと餌が底付近の流れに馴染むと、目印が表層の流れよりもゆっくりと流れます。川の流れは表層ほど速く、底層ほどゆるやかです。目印がサーッと素早く流れてしまう場合は、底流れをとらえていません。ここでオモリ選びが重要になります。仕掛けが底に馴染むまでオモリを重くするのですが、根掛かりが頻発するオモリでは重すぎます。仕掛けの太さもまたオモリを選ぶうえで考慮したい要素です。糸が太いほど水切り抵抗が強いため重いオモリが必要です。
ヤマメは基本的に流下する餌を食べるといわれます。川底に落ちている餌を吸い込むようなことはありません。理想のアタリは目印が止まりモゾモゾと震えるような感じで出ます。これは魚の正面に餌が流れ、違和感なくくわえた証拠です。鋭くツンと引き込まれたり、スーッと横にずれるアタリは、渓魚の定位する筋から餌が外れて流れています。よって食い込みが悪くフッキングしにくいです。
餌をしっかりと食い込んでいる理想的なアタリパターン
掛かりにくい悪いアタリのパターン
大もののアタリ
ヤマメやアマゴは竿の弾力をしっかりと効かせていれば浮いてくる
アワセ方は竿を真上に抜くような感じで行ないます。使う餌によってもアワセのタイミングは違います。川虫などの小さい餌であれば即アワセ、キヂのように大きめの餌を使う場合は一拍置いてから合わせるとよいでしょう。
掛かった魚は重みや引きでサイズを測ります。魚が暴れないようにするには上流側に竿を倒して思いきり絞り込みます。抜けると判断できるならポイントを荒らさないためにもすぐさま抜き上げたほうがよいです。大型魚であれば緩い流れに導いて取ります。
多くの渓流ファンはこの艶やかな魚体に魅せられる渓流釣りに必要な入漁券の購入方法
渓流釣りを楽しむには、入漁券、遊漁承認証、鑑札、釣り券などと呼ばれるものが必要になります。以降ここでは入漁券で統一しますが、基本的には同じもの。ほとんどの釣り人は理解していると思いますが、釣り場を管轄している漁業協同組合(漁協)は魚の増殖や釣り場整備を行なっており、入漁券で得たお金はそのために使われています。釣りを末永く楽しむためにも、必ず購入しましょう。
しかし初心者は、そもそも入漁券をどこで購入すればよいのか分からないはず。ベテランでも、初めての川では苦労したことがあるでしょう。
まず頼りにしたいのは、漁協のホームページ。インターネットで「〇〇川 漁協」などと検索すると、だいたい出てきます。なかにはホームページがない漁協もありますが、それでも関係した情報は調べられます。サイトによっては入漁券を取り扱う店のリストがあるので、それを参考にするのが確実です。
漁協によってはインターネットで入漁券を購入できるところもあります。また、最近は「つりチケ」などのサイトで、いくつかの漁協の入漁券を買うこともできます。そのようなケースはまだ限られていますが、釣行前に購入できるという点では便利です。
このように事前に調べられればよいですが、たとえば釣る予定だった川が増水していて、急遽ほかの川へ行くケースもあるでしょう。そんな時は現場で捜すことになりますが、入漁券を扱う店は、のぼりが立っていることが多いです。また、近くのコンビニで購入できることもあります。
注意したいのは、その券で釣りができるエリアや魚種。券にはいくつか種類があり、たとえばアユ釣りと渓流釣りでは異なります。春はまだいいですが、アユ釣りが解禁になる初夏以降は、渓流釣りの場合は「渓流釣りの券をください」とか「ヤマメ釣りです」など、購入する際に種類を告げること。なお渓流釣りは「雑魚」に分類される漁協もあります。
エリアに関しては、券の販売所には管轄エリアのマップが置いてあることがあり、それをチェックするのが確実です。川によっては複数の漁協が管理していることがあり、その境界付近で釣りをする場合は注意が必要です。
あと、初心者にはあまり関係ないかもしれませんが、入漁券は1日だけ有効な券と、シーズン中有効な年券があります。年券の購入には写真が必要だったりすることも。何度もその川に通うと決めている人は、こちらがお得です。なお漁協によっては釣り場を漁協の方が見回り、その際に購入できることもありますが、これは販売店が見つからないなどどうしようもない場合に利用すべき。現場で購入すると、通常と比べて高額になるので、事前に購入するのがベストです。
川によっては、自動販売機で入漁券が購入できることもある。こちらは上野村漁協の券売機 入漁券を取り扱っている場所では、のぼりや看板が出ている。漁協の組合員が自宅で販売していることもあるので、ごく普通の民家で買えることもある【Q&A】渓流釣りについて多い質問
以下では、渓流釣りについて多い質問・疑問に回答します。
- 市販の渓流釣りセットに含まれるものは?
- 渓流釣りに適した天気ってあるの?
- 渓流魚が潜む狙いどころのポイントは?
Q. 市販の渓流釣りセットに含まれるものは?
市販の渓流釣りセットに含まれているものは、多くの場合、竿とリール、ライン、ルアーなどの仕掛けです。
最低限必要な道具は揃っていますが、服装などは自分で渓流釣りに合ったものを選ぶ必要があります。
市販の渓流釣りセットを購入しただけで釣りに行けるわけではなく、入漁券(遊漁券)を購入するなども忘れないようにしてください。
Q. 渓流釣りに適した天気ってあるの?
渓流釣りをするのであれば、晴れ、もしくは降水確率の低い曇りの日がおすすめです。
雨の中では釣りがしにくいだけではなく、突然の増水などの危険が伴います。
特に渓流では下流域で雨が降っていなくても、上流域で雨が降ることで急激に増水する「鉄砲水」と呼ばれる災害が発生することがあります。
渓流釣りに行く際には、自分の行く水域の天気を確認するだけではなく、その上流域の天気を確認するようにしましょう。
Q. 渓流魚が潜む狙いどころのポイントは?
渓流魚は普段は流れの緩やかな場所に潜んでおり、上流から流されてくる餌を待ち構えています。
そのため、ルアーや餌を流すのであれば、流れの緩やかなポイントへと流れ込むようになっている場所を狙うのがおすすめ。
また、ニジマスは水深が深くてよどんでいる場所を好むなど、魚種によっても多少の違いがあります。
渓流魚は上流から流れてくる餌を待っている、このように認識していれば狙いどころのポイントを探しやすいでしょう。
渓流釣りのおすすめポイント情報はコチラ
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