編集部2019年7月2日

ヤマメ・アマゴ釣り/初めの一歩・渓流釣りスタートガイド

ヤマメ アマゴ 河川・湖の釣り 魚種別釣りガイド

谷の妖精とも称されるヤマメ・アマゴ。繊細で難易度の高い魚と思う人もいるが、釣り方はいたってシンプル。流れに合わせてエサをトレースするだけ。ここでは渓流で初めての1尾を手にするためのプロセスをご案内!

透き通る流れから浮上する宝石のような魚
 

道具とエサの選び方、ポイント選びから仕掛けの流し方まで徹底解説

まとめ◎つり人編集部


谷の妖精とも称されるヤマメ・アマゴ。繊細で難易度の高い魚と思う人もいるが、釣り方はいたってシンプル。流れに合わせてエサをトレースするだけ。ここでは渓流で初めての1尾を手にするためのプロセスをご案内!

この記事は『つり人』2017年4月号に掲載したものを再編集しています。



サオと仕掛けの選び方


 ヤマメやイワナの生息域は水温の低い川の上流部である。一般的に源流域はイワナ、やや下流の山里付近にヤマメやアマゴは多い。渓流釣りと一口に言ってもねらう水域によって「源流釣り」、「渓流釣り」、「本流釣り」と呼び名が変わり、装備や道具立ても異なる。ここで解説するのは川幅が5~10m程度の沢登りなどの装備がいらない、いわゆる渓流域のヤマメ・アマゴ釣りである。

【サオ】
 渓流域を想定したサオの全長は5.3~7.1m。仕舞寸法がコンパクトな小継ぎとやや節の長い中継ぎがあり、2段、3段と長さを換えられるモデルが多い。最初の1本を選ぶなら6m前後の全長で仕舞寸法が50㎝前後の小継ぎザオがおすすめだ。

 サオは先調子と胴調子に大別され一般的に先調子のほうが操作性は高いといわれる。しかし購入の際に注意して見たいのは、調子よりも適合ハリスの表示である。対応するイトの号数に応じてサオの調子の硬軟は判断できる。たとえば「適合ハリス0.1~0.6号」とあれば柔軟なサオである。「0.4~0.8号」とあればシャキッと硬く張りが強いモデルだ。取り回しがよいのは適合ハリス0.2~0.6号である。

050-055keiryu-nyumon_cs6 (2) 050-055keiryu-nyumon_cs6 (3)

【仕掛け】
 仕掛けはシンプル。穂先からハリまで1本のイトを通しで使い、目印とオモリを付けても問題はない。だが天井イト、水中イト、ハリスとパーツをいくつか分けたほうが根掛かりや頭上の木に仕掛けを引っ掛けた時にイトの無駄を少なくできる。

050-055keiryu-nyumon_cs6 (17) イトは0.2 号を基準にその前後を用意しておくとよい。根掛かりで仕掛けをロストばかりしているようなら少し太めを張ったほうがストレスなく釣れる

 天井イトは穂先付近に使う水中に入れないイトである。長さを調節できるように作ると便利だが、「編み付け」という初めての人にはやや面倒な作業をしなくてはならない。単純に水中イトよりもやや太いイトを使えばよく、たとえば0.2号の水中イトであれば0.4~0.6号の天井イトをセットする。6mのサオに対して長さは2~3mが一般的。ナイロンの視認性の高いイトがよい。

 水中イトは名のとおり水中に入れ込むイトである。細いほど水の抵抗は少なく、魚にも見破られにくい。0.2~0.3号がおすすめ。素材はナイロンとフロロカーボンどちらでもよい。なお、水中イトとは別にオモリ~ハリをセットする1mほどのハリスを結びつけてもよいだろう。

050-055keiryu-nyumon_cs6 (18) 解禁初期は手がかじかんで仕掛け作りが難しい。あらかじめ用意した仕掛けを仕掛巻に巻いて携帯しよう

【目印】
 渓流のエサ釣りは主にミャク釣りである。ウキを使わず流れに合わせて仕掛けを送りアタリを取る。イトの位置やアタリを確認するために目印を付ける。オレンジ、ピンク、グリーンといった色がよく用いられ、太く大きいほど風の抵抗を受けやすい。視認できる最低限の大きさにカットして使う。

【オモリ】
 オモリはガン玉の3~4Bを用意し、流速や風の強弱に応じて使い分ける。渓流魚は主に底付近の流れに泳ぐ。エサをきちんと沈めることができて、かつ流れを切らないような重さをセレクトする。ガン玉の選び方は釣り方の項で後述したい。

050-055keiryu-nyumon_cs6 (19) ガン玉は仕掛けを飛ばし、エサを沈める重要なアイテム。3 ~ 4Bまでを用意しておこう

【ハリ】
 ヤマメと表記されたハリだけでも非常に多くのバリエーションがありメーカーによってサイズもばらばら。選ぶ基準はエサの大きさがひとつ。一例として川虫を使うなら1~4号、キヂやブドウムシなら5~7号といったぐあいに用意する。また「イクラ」、「川虫」などエサの名前が表記されたハリもある。

渓流釣り入門
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エサは数種を用意


 渓魚が常食しているのは川虫である。下流にタモを構えて川底の石を起こせば、さまざまな虫が入るだろう。中流域ほど虫は多く、源流域ほど少ない。流域によって食いのよい虫と悪い虫がいて、いくつか使い分けると当たりエサが分かる。

 解禁初期はキンパクがよい。ヒラタは、まだオコシムシと呼ばれる小型が多くエサ持ちが悪い。3月下旬から4月に大石の縁などで採れるヒラタ(ナデムシ)は大型で使いやすい。クロカワムシはニゴリが出た川や、中下流域で効果がある。東北・関東地方では4月以降に採れやすいピンチョロが人気だ。時期によって採れる虫は異なるので前頁の図を参照してほしい。

 市販のイクラやブドウムシ、キヂが効果的な場面もある。しかし解禁から数日が経ち、魚がスレてくるとアタリは遠くなりがち。魚の目先を変えるためにもエサは数種用意したほうがよい。

渓流釣りのエサ各種 050-055keiryu-nyumon_cs6 (1) 050-055keiryu-nyumon_cs6 (9) キンパク、オニチョロは尻穴から刺して、足の手前に抜く

050-055keiryu-nyumon_cs6 (10) ヒラタ(チョロムシ)も尻穴かラ刺して腹の横から出す

050-055keiryu-nyumon_cs6 (11) クロカワムシは写真のように尻の横からハリのフトコロを隠すように刺す

050-055keiryu-nyumon_cs6 (13) キヂはミミズ通しを使ってハリスまでこき上げるか、ハチマキにチョン掛け

050-055keiryu-nyumon_cs6 (14) イクラは細軸のハリを使って刺すと潰れにくい

050-055keiryu-nyumon_cs6 (12) 関東や東北で人気のピンチョロ。他の川虫と同じく尻穴から刺す

050-055keiryu-nyumon_cs6 (15) ブドウムシはハリのフトコロが隠れるくらいに通し刺し

050-055keiryu-nyumon_cs6 (16) 川虫は乾いたミズゴケをエサ箱に入れておくと長持ちする

050-055keiryu-nyumon_cs6 (8) 下流にタモを構えて足で石を転がすと、多彩な川虫が採れる。膝下くらいの瀬で採ってみよう


ポイントの見方


 渓流釣りの基本は上流に釣り上がる。流れに対し魚は頭を上に向ける。釣り下れば釣り人やサオの影、物音に警戒しやすい。

 川の流れを大別すると瀬、淵、トロとなる。解禁初期のポイントは流れの緩い深みに多い。目安にするのは膝上以上の水深で見た目に水色が濃くなっているスポット。瀬の中にもこうした深みは点在するので、流れを細かく見ていきたい。ポイントはいくつかのパターンに分類できる。

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1、流心
 白泡が立ち流速が速い。初期のポイントにはなりにくいが、大石底の川であれば話は別だ。流心の下に魚の定位しやすい流れの緩いスポットができる。石の前に魚は付きやすく底の流れにきっちりとエサが入れば釣果は有望である。

2、ヨレ(モミアワセ)
 流れが揉み合うような感じにシワができた部分がヨレだ。流速が緩く魚が定位しやすいスポット。流れが揉み合うように見える「モミアワセ」だ。石にぶつかった流れは分かれ、石裏で流れは淀む。その下流で分かれた流れが合わさるヨレができる。英語の『Y』をイメージして流れを見ると分かりやすく、この2つの流れのモミアワセを意識して釣るとよい。

050-055keiryu-nyumon_cs6 (4)_1 水色が濃く見える深み。目を凝らすと反転流と流心の流れのモミアワセがある

3、反転流
 石裏や流心の脇には流れが逆巻く反転流が生じる。その反転流に魚が定位していることも多々ある。ここでも注目したいのはヨレである。反転流と流心の境目にも流れが揉み合うヨレが生る。エサが流れてきやすいモミアワセスポットで魚も付く。

4、落ち込み
 落差がある川相では落ち込む流れと、壺状の深みがある。いかにも魚が付きそうな分かりやすいポイントで堰堤や滝もそうである。大きく深い落ち込みほど複雑な流れが生じ、下流に払い出す流れもあれば落ち込み直下に戻るような流れもある。表層の流れの押しが強いため、大きなオモリでしっかりと底付近を探ることが大切だ。

5、カケアガリ(ウケ)
 前述の落ち込みなど、淵および深みがあれば必ずカケアガリがある。このカケアガリの前に魚は定位しやすく大型魚が付きやすいポイントである。カケアガリや石の前など、流れがぶつかる部分を「ウケ」と呼ぶ名手も多い。

050-055keiryu-nyumon_cs6 (3)_1 流れの中のどんなポイントで当たるかはシーズンによっても変わる。解禁初期ならヨレに着目

 渓流釣りの盛んな岐阜県長良川郡上の名手は、ヤマメが捕食しやすい流れを「食い波」と呼んだ。そのスポットは「ウケ」や「モミアワセ」が絡む。図示したので参考にしてほしい。


立ち位置と仕掛けの流し方


 ポイントへのアプローチは立ち位置が重要だ。下流から上流に釣り上がるのだが、ポイントの正面に立てると理想的。というのもミャク釣りは流れに合わせて仕掛けを通す。穂先の真下付近を釣ったほうが流れの筋から外れにくい。仕掛けを上流に振り込んで正面で底付近に馴染ませてアタリを出す。エサが底付近を流れているかどうかは目印を見る。

 オモリとエサが底付近の流れに馴染むと、目印が表層の流れよりもゆっくりと流れる。川の流れは表層ほど速く、底層ほどゆるやかだ。目印がサーッと素早く流れてしまう場合は、底流れをとらえていない。ここでオモリ選びが重要になる。仕掛けが底に馴染むまでオモリを重くするのだが、根掛かりが頻発するオモリでは重すぎる。仕掛けの太さもまたオモリを選ぶうえで考慮したい要素だ。イトが太いほど水切り抵抗が強いため重いオモリが必要だ。

 ヤマメは基本的に流下するエサを食べるといわれる。川底に落ちているエサを吸い込むようなことはない。理想のアタリは目印が止まりモゾモゾと震えるような感じで出る。これは魚の正面にエサが流れ、違和感なくくわえた証拠である。鋭くツンと引き込まれたり、スーッと横にずれるアタリは、渓魚の定位する筋からエサが外れて流れている。よって食い込みが悪くフッキングしにくい。

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エサをしっかりと食い込んでいる理想的なアタリパターン 050-055keiryu-nyumon_cs6 (5)a
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掛かりにくい悪いアタリのパターン 050-055keiryu-nyumon_cs6 (5)d
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大もののアタリ 050-055keiryu-nyumon_cs6 (5)f
050-055keiryu-nyumon_cs6 (6)_1 ヤマメやアマゴはサオの弾力をしっかりと効かせていれば浮いてくる

 アワセ方はサオを真上に抜くような感じで行なう。使うエサによってもアワセのタイミングは違う。川虫などの小さいエサであれば即アワセ、キヂのように大きめのエサを使う場合は一拍置いてから合わせるとよいだろう。

 掛かった魚は重みや引きでサイズを測る。魚が暴れないようにするには上流側にサオを倒して思いきり絞り込む。抜けると判断できるならポイントを荒らさないためにもすぐさま抜き上げたほうがよい。大型魚であれば緩い流れに導いて取る。

050-055keiryu-nyumon_cs6 (2)_1 多くの渓流ファンはこの艶やかな魚体に魅せられる

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2019/7/2

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