春のメバルはプラッギングが面白い
プラグを使ってメバルを釣る方法は?
文◎林悠一 写真◎編集部
スロープ先端のブレイクライン上
春のハイシーズンは産卵後の体力を回復した個体が水温上昇に合わせて浅場へ積極的にエサを捕食しにくるシーズンを迎える。
残念ながら今回の取材のタイミングはシケ気味で磯に入ることはできなかったが、磯でも水深30cmもあればメバルは捕食しに浅場へ上がってくる。
そうした浅場攻略の一環として見過ごせないのが漁港内にあるスロープであり、磯ほどの危険もなくアプローチも容易だ。
スロープは徐々に水深が深くなり最終的にはガクッと落ち込み深くなる。浅場とブレイクラインが混ざった理想のポイントでもある。
満潮付近ではブレイクラインより浅い場所までメバルは上がってくるが、潮位が下がるにつれてメバルはブレイクラインまで後退してガクッと落ちた場所で上にエサが通過するのを待ち構えている。スロープ付近の釣りでは基本的に水深が極端に浅くトップウォータープラグやフローティングプラグがかなり有効になる。しかもトップウォーターであれば根掛かりも皆無だ。
メバルプラッギングにおいてはスミスのメバペンに代表されるメバル用トップウォータープラグはかなり有効で漁港内や磯でも気づいたらトップウォーターでしか釣れていないということも多々ある。
なお、スロープで釣りをする際は船が停まっていることが多いので船には近づかないようにしてもらいたい。
今回はベイトとスピニングを2 本ずつ計4 セットで挑んでみた(すべてロッドはスミス、リールはシマノ、ラインはバリバス)。左から
ロッド●ダークシャドゥEX DSEX-73
リール●ヴァンキッシュC2000S
ライン●アバニ ソルトウォーターフィネ
スPE X8 の0.2 号+ フロロカーボンリーダー4Lb
ロッド●ダークシャドゥEX DSEX-710
リール●ステラC2000S
ライン●アバニ ソルトウォーターフィネ
スPE X8 の0.3 号+ フロロカーボンリーダー6Lb
ロッド●ダークシャドゥEX DSEX-C74
リール●アルデバランBFS XG
ライン●アバニ ライトゲーム スーパープ
レミアムPE X4 の0.4 号+ フロロカーボンリーダー4Lb
ロッド●ダークシャドゥEX DSEX-C711
リール●アルデバランBFS XG
ライン●アバニ ライトゲーム スーパープレミアムPE X4 の0.4 号+ フロロカーボンリーダー6Lb
ルアーでキャストの方向が異なる
メバルプラッギングにおける最大の注意点は投げる方向だ。ベイトフィッシュを意識している個体は流れに対してダウンクロス(下流方向) へのキャストが基本になる。これはミノーやシンキングペンシルのただ巻きの釣りに適している。
一方、プランクトン系を捕食している個体は流れてくるエサに反応することが多いのでバチ抜けシーバスの要領のようにアップクロス(上流方向)へのキャストが基本になる。そのため、磯でも漁港でもサーフでも流れを読むことがかなり重要となる。
最後に。今回はタイプ別に4種類のタックルを用意したが、それは極端な例として、スピニングタックル1本ですべてのシーンに対応させるのはおすすめできない。
特にメバルプラッギングにおいてベイトタックルはかなり有効で、漁港や護岸の足もとを打っていくなど近距離での手返しがよく、また、なんといっても巻いた際のリール感度のよさが素晴らしい。
メバルは特に暗いポイントで釣りをすることが多いのだが、確実にルアーが動いているのがハンドルを通して感じることができ、自分のルアーがどの程度の距離を動いたかを把握するのにとても役立ち、スラックを出してプラグを流す釣りもしやすい。
スピニングリールはベイトリールに比べて巻き感度は劣るものの、強風には扱いやすく、ドラグ性能もベイトリールよりも勝る。ポイントや海の状況に合わせて使い分けると、より一層楽しく快適なメバル釣りをすることができる。
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※このページは『つり人 2024年5月号』を再編集したものです。